bean to bar とは
クラフトチョコレートの誕生
「Bean to Bar の潮流」は、今から20年前、大量生産されているチョコレートへの反動としてアメリカで生まれました。
発端となったのは、サンフランシスコ近郊でオープンした
Scharffen Berger Chocolates (シャーフェン・バーガー・チョコレート)というブランドです。
中古の設備を使って少ロット生産で作られる彼らのチョコレートは、当時のアメリカで手に入る、いわゆるマスマーケット向けの甘いココアとバニラのような味わいのチョコレートバーとは完全に異なる製品でした。
Scharffen Berger のチョコレートは、チョコレートの風味は勿論のこと、
フルーツやナッツ、キャラメルの味わいも持ち合わせており、鮮烈で複雑なものでした。
この新しいチョコレートの成功は他の人々を刺激し、ここから「Bean to Bar」ムーブメントに発展していきました。
当店のbean to barが出来るまで
豆の説明
産地によって香りの異なるカカオ豆(発酵して乾燥させた豆)を、世界各国から高品質なものを選び、仕入れています。カカオ豆の入った麻袋を9〜10℃に設定した専用の冷蔵庫で保管します。
カットテスト
世界各国から届くカカオ豆は麻袋ごとに発酵具合や豆の種類が異なるので、一袋ずつカットテストし、手作業でカカオ豆を調べます。
豆の仕分け
たくさんのカカオ豆から、良い豆と悪い豆を手作業で仕分けします。約10〜20%の豆が悪い豆として省かれます。
良い豆を大小2つのサイズに分ます。
焙煎
選別したカカオ豆を、100〜130℃くらいの柔らかい低温で産地とサイズに分けて焙煎。熱を加えることで皮がむきやすくなり、カカオ豆の香りがより引き立ちます。30分から1時間、様々な温度でテストします。
豆を砕く
チョコレートにはカカオの実のみを使用するため、機械で豆を細かく砕き皮を取り除いていきます。
ニブの仕分け
豆(ニブ)の大きさを揃えるため、網目の大きさが異なる振るいにかけていきます。網目に引っかかった大きい豆(ニブ)は、再度豆を砕く機械に入れて、サイズを整えていきます。
送風で実と皮を
仕分ける
送風を利用しさらに豆の皮を飛ばして実のみに。皮が残るとチョコレートに雑味が出てしまうため、風量を調整して何度も行います。
実についた皮を
剥がす
ウィノウィングで取りきれなかった皮を手作業で剥がしていきます。その際、胚芽も取り除きます。
豆をすり潰す
グラインダーを使って、皮を取り除いた豆を挽き、摩擦熱でペースト状にします。すり潰した実から油分が出ることによって、だんだん柔らかくなっていきます。
練り上げ
なめらかな食感と良い風味を引き出すため、石のローラーでより細かい粒子に。オーガニックシュガーを加え、味を整えます。約1週間かかる作業です。
エイジング(熟成)
コンチング(練り上げ)を終え、液状になったチョコレートをテンパリング(温度調整)してバットへ。産地によって異なりますが、1〜3ヶ月寝かせることによってチョコレートの風味をなじませます。
温度調節
チョコレートに含まれるカカオバターの結晶を温度調節で安定させます。45〜50℃に温度を上げて全ての結晶を溶かし26℃に下げ、その後28〜29℃へ。この温度調節によりツヤや滑らかな口溶け、パリッという食感が生まれます。
冷やし固め
テンパリング(温度調整)をしたチョコレートをすぐ固まらないよう熱風で温めたチョコレート型へ流し込み、冷やし固めます。いよいよ完成間近です。
包装
固まったチョコレートを型から外します。出来上がったチョコレートを包む前に、汚れや欠けがないかひとつひとつ念入りにチェックをし、金紙で包みます。最後に和紙で包んで思いを込めます。