2年目後半になって、みんなの目指すところがどんどん表に出てきた。
1年のときは楽器は違えど全員一緒のこと勉強してたけど、2年からは専攻が4つに分かれた。
Performance(パフォーマンス)、Production(エンジニア)、Composition(作曲)、Directed Studies、そしてGeneral(一般)。
Directed Studiesでは自分の目標に合わせて比較的自由にクラスを選択できる。自分のやりたいことが他のコースにない場合、これを選択できる。
Generalは言ってみれば最も楽ちんなコース。単位数も少なく、広く浅く学びたい人とか、何かの単位を落としちゃった人、それかあんまり無理したくない人、まだ何を選択すべきかはっきりしない人などが取ってる。
中でも一番多いのがComposition、作曲科。
去年はパフォーマンス専攻の人が多かったけど。
この時期になってくると、それぞれの音楽に対する意識が見えてきて面白い。
先生達のバンドでボーカルやってる結構うまい子は、2年になってすぐに退学。ネイティブの血が入ってるということで待遇を受け、学費も生活費も全部政府から出てたんだけど。
特に理論の授業が嫌いだったみたいで、リアルな場所で動いてく道を選んだみたい。レストランやバーで昼夜働いて歌ってる。
作曲科にいた禅に興味があるギタリストの男の子は、前学期に腱鞘炎になってしまいギターを弾くのが厳しくなったみたいで、ほとんどのクラスをドロップしてGeneral科に変更。
これって、辛いな。
専攻楽器ができなくなるのはほんと辛い。
カリフォルニア出身のあたしと仲のいい子は、先学期イヤートレーニングのクラスを落第したのをきっかけに、作曲科からGeneralに変更。
今学期、音楽漬けにならずにもう少し生活を楽しむゆとりも欲しいらしくて、来年また戻ってくるつもりみたい。
モントリオール出身のDirected Study科にいる男の子は、先学期あらゆるクラスをとりまくってオーバーヒートしてしまい、今学期はアンサンブルクラスと、必須クラスのみを選択。
あと1年生の、これまたモントリオール出身の子は、とにかく映画音楽にフォーカスを絞ってる。
入学した当初から目指すところがはっきりしてて、2年生以上に忙しくしてる、才能溢れる人。なんか一番出世しそう。。
あたしはと言うと、何とか作曲科でがんばってる。
学校は所詮学校で、ここでいい成績をとった人が必ずしもいいミュージシャンになれるってわけじゃない。
でも、入学当初から変わらずこつこつ努力している人って、やっぱり音楽に対して向かう姿勢が違う。
音楽の才能の99%は練習と学習による賜物。
できないのは、単に練習してこなかったから。土台がないから。
最初は迷ってたけど、やっぱり学校続けててよかった。
自分一人で勉強してたら、もっともっと回り道してたと思う。
学校終わったらどうしよ。
どの道一番大事なのは、多少無理と思ったとしても目標を具体的にすること、そんでそれに向けてどうするか、どう動くか計画を立てること。
そうすれば現実になる!
よく音楽で食べていくのは厳しい、無理、そんなことをよく聞く。
何歳までにどうにかならなきゃその先音楽とは一切縁を切るとか、特に男の子からはよくそういう声を聞いた。
ただ、メジャーになることだけが成功じゃないし、パフォーマーだけで食べていくには無理だとしても、音楽が大好きだったら色んな道があるはず。
単なる好きで終わるのか、ライフワークとして取り組んでいくくらい真剣に向き合えるかだと思う。
本当に厳しいのは音楽でお金を作ることよりもむしろ、地道にスキルアップしていくこと。どんな状況でも続けていくこと。
よーし、目標具体的に計画しなきゃ!
その前に練習かも。