2024'11.12
私はこれからも変わらずXを使っていきます。
他者が関わってくるイラストや商業イラストについては
なにかしらの対策をしたり、クライアントの指示に従うようにしますが、
趣味絵については保留です。
規約の件を抜きにしても、盗用対策については
確かに改めて考えるべきかなと思いはしたので、
今後の実害や、必要に応じて臨機応変に対応していきます。
荒れたくなかったのでXには詳しく書かなかったんだけど、
なんで自分がこの判断に至ったのかとか、自分で調べて解釈したこととか、
思ってることをまとめてみようと思います。
■「フェアユース」っていう米国の考え方
まず、米国には「フェアユース」っていう著作権の抗弁があるんですよね。
「一定の条件下なら、著作物を無断で利用していい」っていう考え方です。
これについてはXにも独立したガイドラインがあります。
日本なら著作権法違反となるようなことも、
米国だとフェアユースで片付けられることがあるんですよね。
もちろん、作品が複製されることで権利者の営業妨害になるとか、
そういった実害がある場合はしっかり著作権法で裁くことができるのですが、
たとえば今回みたいなAI学習トレーニングへの利用については
「あくまで技術開発であり、作品の複製を目的としていない」ことからフェアユースだとみなされたり、
無断転載やパロディなんかも場合によってはフェアユースになる…
ということがあるみたいです。
このフェアユースの基準も、結構フワフワ&ガバガバなので
「この場合はフェアユース」と一口に決められるものではないそうです。
Xの利用規約を読んで我々が感じた違和感は、おそらくこの
フェアユース基準の規約だからなんだろうなーと、私は解釈しました。
そりゃ日本人からすれば「は?」ってなるし、
私の作品が著作権フリーになるってこと…!?って混乱も招くと思うけど、
おそらく実際は「X社が定めたフェアユースの範囲でコンテンツを勝手に使いますよ」
っていう意味なんだと思うんですよ。
コンテンツの著作権がちゃんと保護されることも別のガイドラインに書いてあるので、
それを信用するならX社から無茶苦茶な無断使用をされることは無いはずですが、
日本とは違い「フェアユース」という概念があることは
認知しといた方がいいことかもしれません。お国の価値観の違いです。
■ブルースカイも安全ではない
Xからの引っ越し先としてブルースカイがよく選ばれてるみたいですが、
そっちも米国のSNSな上、上記の通り「フェアユース」の概念が
運営方針に絡んでないとは言い切れないので、
Xより安全!と安易に信じるのはよくないのでは?と私は思ってます。
システム上、Xよりも利点があるからという理由で選ぶなら全然OKだと思うんですが、
無断使用やAI学習の件で考えるなら
規約に明記してるかどうかだけの差だけだと思います。
「Xでは対策するけど、ブルースカイには対策なしの作品をアップします!」
なんてのも、よく言われてるけどどうかなと…。
Xで作品を吸えなくなった盗用AI絵師たちが
ブルースカイに流れ込んでくることも想像できること。
本当に悪用を警戒するんだったら、どこのSNSを使うにせよ対策は必須だと思う。
追記:ブルースカイ公式がAI学習はしませんという声明を出したみたいですね。
でも外部からは盗られ放題のシステムだと聞きました…
■AI学習自体は以前からされていた
X社は「AI学習に利用する」ということをハッキリ明記したわけですが、
AI学習自体は前々からどのプラットフォームでもされてきたことです。
そしてこれからも、X社に限らずされていきます。
「明記されるのとされないとでは訳が違う」という考え方もありますが、
私はそこに大きな差は無いと思っています。
他の場所でも、ネット上に作品を載せてる限りやられることは同じなので。
差があるとすれば、クリエイター側の気持ちの問題。
感情論も否定しないけど、そこを切り分けて考えるかどうかは
個人によるところだと思う。実際に意見も割れてますよね。
以前あったpixivの集団アカ消しとかもそうだったけど、確かに
「これだけクリエイターたちはAIに敏感なんだよ!」っていう
意思表示にはなるのかもしれないから、
人気プラットフォームからユーザーが大量に消えるという現象を
巻き起こす時点で
AIを取り扱う人達への注意喚起的な効果はあるのかもしれません。
そういう意図だとしたらX離れも理解できる。
ただ、AIでトラブルが起きるのは
AI技術を悪用している「個人」のせいなのであって、
AI開発のエンジニアや学習トレーニングそのものに
直接的な問題があるわけじゃない。
「これからはXに作品が盗まれるんだ!好き勝手されるんだ!」みたいな
極端な考え方をしている人は、それは違うからちょっと冷静になってほしい。
Xの規約改定によって、X社からAI学習利用されることは確定したけど、
X社は一言も「著作権を侵害します」と言ってるわけではないんですよ。
万一、X社のAIに自分の作品がピンポイントで盗まれることがあったとしても、
そんな確率なんかとんでもなく低い確率だと思うし、
もしそうなったとしてもあまりに類似してるなら訴える権利はちゃんとあります。
「AI技術開発が進むことよって悪用の技術も高まってしまう可能性」
は懸念されるとしても、
「X社に直接悪用される可能性」が高まるわけじゃないので、
その差を理解した上で判断すべきじゃないかなと思う。
それよりも、個人の悪質AI絵師から作品を盗まれる確率は
Xの規約がどうなろうが変わらない。
だから、「利用規約が変わったから」という理由だけでXから離れるのは
私にとっては無意味なことだなと感じました。
■「悪用対策」の必要性はあると思う
ただ、AI技術の悪用リスクについて考えるきっかけにはなったなって思います。
これを機にウォーターマークやノイズをかける人も
増えたと思うけど、「悪用に対して」の防衛策と考えるなら、
じゅうぶん意味のある行動だと私も思ってます。
AIの被害は自分が知る限りではまだ受けてないけど、
無断使用とか勝手に商品化されたりとかは
何度も被害を受けてるので、
私も盗用対策について見直した方がいいのかもしれない…とは考えてます。
(むしろ被害を受けてきた割には無頓着だった方かもしれない…)
■いろんな情報が飛び交ってるけど…
そんなわけで、X上では今もいろんな情報が飛び交ってますが、、
誰か一人が流した情報のすべてを鵜呑みにしてる人達は大丈夫か…???
って思ってしまいます…。
いやご本人達がそれで納得してるならいいんだけど、
気になった事の裏付けを探したり、
ちゃんと自分でいろんな情報を調べたりしたのかなあって…。
規約が変わったことでまだ何も結果が出ていない以上、
これからどうなるかはすべて憶測の域だと思うんです。
私がここで書いてることも含めて。
だからこそ、自分で情報を集めて、自分の頭で想像しないといけないんじゃないか。
何が自分にとってのメリットで、デメリットなのか、
整理して判断しなくちゃいけないんじゃないか。
たとえ自分の分析が正しくなかったとしても、
自分で考えて決断することが大事だと思うんだけどな…。
■私にとってのメリットとデメリット
私がSNSに求めているメリットは「拡散力」なので、
「人が多く集まってくれる場所」がSNS選びの基準です。
今はXですが、もし今後別のSNSが主流になっていくなら私も移動します。
Xに執着してるわけでもなければ、
AI学習うんたらの基準では判断しません。
そして自分にとっての一番のデメリットは、「拡散力が弱まること」です。
影響がでない範囲で盗用対策していくのは検討していきたいけど、
もし対策を過剰に気にすることで見てくれる人が減ってしまうのであれば、
私にとっては盗用よりもそっちの方がデメリットになります。
それを踏まえた上で、今後どういう動きをしていくか
状況を見ながら考えていくつもりです。
長くなっちゃったけど、今回の件で考えたことはこんな感じ。
相変わらず要約が苦手ですみません。
最終的にどんな判断をしても、個人の自由だと思う。
はたから見て浅はかに見えたり、納得がいかなかったとしても、
自分の欲を満たすために創作活動をしてるんだから、
違う考えの人と足並みそろえる必要はないと思ってます。
AI反対派とか肯定派とか、そういう派閥に属す気もないし。
私がここに書いたことも、もちろん偏ってると思うので異論はあると思います。
でもこれが私の判断なので、どうこう口出しされる筋合いはないとも思ってます。
私の判断によって害を被る人がいるなら別ですけど…。
あくまで個人の一意見として。
「私はこう思ってる」ということで、ここに記しておきます。
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その他:
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