2016年 10月 05日
日韓に核武装をさせよ |
今日の横浜北部はなんとか晴れております。
さて、久しぶりの更新です。昨晩の放送(https://goo.gl/W43wVv)でも紹介した、かなり挑発的な内容のナショナル・インタレスト誌に掲載された論文の要約です。
この内容に賛成する、しないは別として、まずは考えるためにじっくりと読んでいただければと思います。
====
日本と韓国を核武装させよ
by ジェームス・ヴァン・デ・ヴェルデ
日本は一刻も早く核保有国になるべきだし、韓国も核開発計画を始めるべきだ
北朝鮮は収容所国家である。その政府は非合法なものだし、不安定な全体主義体制だ。そして核兵器の技術の拡散者である。世界には不幸や、南北朝鮮の人々には大量死、そして苦しみや政治不安しかもたらしていないのだ。
おろかなことに、この国家は中国のおかげで存続しており、しかも中国は北が崩壊して朝鮮半島にアメリカのプレゼンスが上がるよりは、その体制を維持するほうがマシだと考えているのだ。
ところがこのような考え方は政治的にも視野の狭いものだ。北朝鮮が崩壊すれば、韓国は北を吸収することになり、アメリカが半島に残るすべての理由を終わらせることができるからだ。米軍は平壌の政権が崩壊すれば、文字通りに韓国を離れることになり、その規模を拡大することはない。
さらにいえば、北朝鮮にアメリカはその同盟国に対する脅威となる弾道ミサイル関連の技術を与えたのは中国自身である。中国は決して北朝鮮を消極的に支えているわけではない。むしろいつものように、北朝鮮の混乱を積極的に支えているのだ。
中国はアメリカをアジアから押し出すため、そして西側の外交を崩して防御的かつ未熟なままにしておくために北朝鮮を使っている。
そして「不拡散教」の狂信者たちは、核兵器が全体主義国家のみに拡散するようにしているのである。アメリカがあらゆるレトリックを使って果敢な努力の姿勢を見せつつ何もしない合間に、北朝鮮が核兵器を開発していたのは事実だからだ。
中国と北朝鮮に対して「核拡散は得だ」という考えから解放させるにはまだ手遅れではない。日本は運搬手段を含む核兵器の開発計画を真剣に開始すべきであり、これによって「北朝鮮への支援は非生産的であり、戦略的にも浅はかだ」と中国に示す必要がある。
韓国も核兵器開発計画を始めるべきだ。
中国は日本の核保有に強烈に反対していることを踏まえて考えれば、もし日本が「北朝鮮から繰り返される不正で非常に脅威を及ぼす挑発に対処するために核開発計画を開始する意図がある」と宣言すれば、中国は平壌の全体主義体制を崩壊させて韓国に北を吸収させることが自国の利益にかなるとようやく気づくことになるかもしれない。
アメリカは中国に対して「在韓米軍は韓国を守るために駐留しているだけだ」と確約することができるし、日本は中国に対して核開発計画は完全に防御的なものであり、もし北朝鮮が崩壊して半島が完全に非核化されれば完全に中止したいと約束すべきであろう。
日本の核開発計画は、北朝鮮の核開発計画を考えれば、完全に日本の主権の範囲内のものとなる。
アメリカが日本に提供している「核の傘」は、在日米軍の存在(ただし米国の負債の増大と同盟関係の弱体化で低下中)や、当該地域の米海軍の存在(中国に挑戦を受けている)、それに米政府の強いコミットメント(これも最近では疑問を持たれている)によってその信頼性が保たれているのだ。
ところが当然ながら、もし北朝鮮が大陸間弾道ミサイルと核弾頭の開発を成功させて米国本土に到達させることができるようになれば、アメリカの欧州に対する核の傘に対して起こったことが日本や韓国にも起こることになる。北朝鮮はICBMに加えて、日韓両国に対する核攻撃と同時にアメリカを核報復によって抑止する能力を手に入れることになるかもしれない。北の弾道ミサイル開発計画はアメリカの「核の傘」の信頼性に対する脅威となる。日本と韓国は自衛のためのあらゆる権利(というか義務と国連憲章に謳われている権利)を持っているのだ。
端的にいえば、平壌の政権崩壊以外にはこの地域の問題を解決する方法や、地域の未来はない。
北朝鮮のような全体主義国家が発展したような過去の例は全く存在しない。独裁的な国家とは違って、全体主義国家というのは発展できず、内部崩壊するだけだ。望むべき最高の未来(の崩壊)とは、中国にそれを求めさせ、引き起こさせて、管理させるようなものだけだ。
日本の核開発計画は中国を挑発させることになることから、中国は「北朝鮮は、韓国にいる米軍に対するバッファーとしての存在よりも問題が多い」と結論づけるようになるだろうし、最も利益を受けるのは、毎日苦難に直面している北朝鮮の国民自身であろう。
最大の目標は東ドイツの例のように、北朝鮮を平和的に崩壊させることだ。またこれは本物の核不拡散の手段としては最適なものである。北の崩壊がなければ、われわれは全体主義体制の核武装国家、つまり核武装した北朝鮮と永遠に生きていかなければならないことになるからだ。
もし中国が朝鮮半島においてチェスや「三目並べ」を行うつもりであれば、彼らはまず中国側の国境を開放することによって北を(ハンガリーや東ドイツのように)崩壊に追い込み、それから北の政治指導層や将軍たちに一時的な保護を提供し、その後に韓国政府に対して「(米軍のプレゼンスのない)朝鮮半島の非核化」の代わりに北の経済と政治的責任を負うように求めるだろう。
韓国(と日本)はこの交渉に飛びつくはずだ。そして日本の核武装計画は終了することになる。
現時点の中国は、まだ北のばかげた振る舞いや挑発に対して耐えることができると勘違いしているようだが、その理由は「金正恩の政権が大規模紛争を起こすような脅威ではない」と想定しつつ「北朝鮮は在韓米軍を牽制する目的にかなう」と考えているためだ。
北はこのような環境の中でも生き残ることできるだろうし、世界に自分たちの政権の正統性を見せつけて、アメリカとの和平交渉と合意を求めることによって西側が仕掛けてくる政権崩壊を防ごうとしている。
われわれは北京政府に「韓国の管理下にある戦略的に中立な統一朝鮮よりも、北朝鮮のほうが戦略的に危険な存在である」と納得させるべきである。韓の核計画は、地政戦略的な状況を中国にとって明らかに不利にするものだ。
現時点での西側の政治家たちは、このような方針を打ち出すにはあまりにも臆病すぎる状態であり、「世界は核兵器を廃絶すべきだ」という狭い議論に固執している。ところがこれは結果として「ならず者国家」たちの核武装につながっているのだ。
====
著者は学者や実務者としての経験も長い人物であります。
もちろん日本に核武装をさせてしまえという議論はたびたび出てきますが、ここまであからさまなものを見たのは久しぶりのような気が。
私自身のコメントについてはこちらでやっていますのでぜひ。
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さて、久しぶりの更新です。昨晩の放送(https://goo.gl/W43wVv)でも紹介した、かなり挑発的な内容のナショナル・インタレスト誌に掲載された論文の要約です。
この内容に賛成する、しないは別として、まずは考えるためにじっくりと読んでいただければと思います。
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日本と韓国を核武装させよ
by ジェームス・ヴァン・デ・ヴェルデ
日本は一刻も早く核保有国になるべきだし、韓国も核開発計画を始めるべきだ
北朝鮮は収容所国家である。その政府は非合法なものだし、不安定な全体主義体制だ。そして核兵器の技術の拡散者である。世界には不幸や、南北朝鮮の人々には大量死、そして苦しみや政治不安しかもたらしていないのだ。
おろかなことに、この国家は中国のおかげで存続しており、しかも中国は北が崩壊して朝鮮半島にアメリカのプレゼンスが上がるよりは、その体制を維持するほうがマシだと考えているのだ。
ところがこのような考え方は政治的にも視野の狭いものだ。北朝鮮が崩壊すれば、韓国は北を吸収することになり、アメリカが半島に残るすべての理由を終わらせることができるからだ。米軍は平壌の政権が崩壊すれば、文字通りに韓国を離れることになり、その規模を拡大することはない。
さらにいえば、北朝鮮にアメリカはその同盟国に対する脅威となる弾道ミサイル関連の技術を与えたのは中国自身である。中国は決して北朝鮮を消極的に支えているわけではない。むしろいつものように、北朝鮮の混乱を積極的に支えているのだ。
中国はアメリカをアジアから押し出すため、そして西側の外交を崩して防御的かつ未熟なままにしておくために北朝鮮を使っている。
そして「不拡散教」の狂信者たちは、核兵器が全体主義国家のみに拡散するようにしているのである。アメリカがあらゆるレトリックを使って果敢な努力の姿勢を見せつつ何もしない合間に、北朝鮮が核兵器を開発していたのは事実だからだ。
中国と北朝鮮に対して「核拡散は得だ」という考えから解放させるにはまだ手遅れではない。日本は運搬手段を含む核兵器の開発計画を真剣に開始すべきであり、これによって「北朝鮮への支援は非生産的であり、戦略的にも浅はかだ」と中国に示す必要がある。
韓国も核兵器開発計画を始めるべきだ。
中国は日本の核保有に強烈に反対していることを踏まえて考えれば、もし日本が「北朝鮮から繰り返される不正で非常に脅威を及ぼす挑発に対処するために核開発計画を開始する意図がある」と宣言すれば、中国は平壌の全体主義体制を崩壊させて韓国に北を吸収させることが自国の利益にかなるとようやく気づくことになるかもしれない。
アメリカは中国に対して「在韓米軍は韓国を守るために駐留しているだけだ」と確約することができるし、日本は中国に対して核開発計画は完全に防御的なものであり、もし北朝鮮が崩壊して半島が完全に非核化されれば完全に中止したいと約束すべきであろう。
日本の核開発計画は、北朝鮮の核開発計画を考えれば、完全に日本の主権の範囲内のものとなる。
アメリカが日本に提供している「核の傘」は、在日米軍の存在(ただし米国の負債の増大と同盟関係の弱体化で低下中)や、当該地域の米海軍の存在(中国に挑戦を受けている)、それに米政府の強いコミットメント(これも最近では疑問を持たれている)によってその信頼性が保たれているのだ。
ところが当然ながら、もし北朝鮮が大陸間弾道ミサイルと核弾頭の開発を成功させて米国本土に到達させることができるようになれば、アメリカの欧州に対する核の傘に対して起こったことが日本や韓国にも起こることになる。北朝鮮はICBMに加えて、日韓両国に対する核攻撃と同時にアメリカを核報復によって抑止する能力を手に入れることになるかもしれない。北の弾道ミサイル開発計画はアメリカの「核の傘」の信頼性に対する脅威となる。日本と韓国は自衛のためのあらゆる権利(というか義務と国連憲章に謳われている権利)を持っているのだ。
端的にいえば、平壌の政権崩壊以外にはこの地域の問題を解決する方法や、地域の未来はない。
北朝鮮のような全体主義国家が発展したような過去の例は全く存在しない。独裁的な国家とは違って、全体主義国家というのは発展できず、内部崩壊するだけだ。望むべき最高の未来(の崩壊)とは、中国にそれを求めさせ、引き起こさせて、管理させるようなものだけだ。
日本の核開発計画は中国を挑発させることになることから、中国は「北朝鮮は、韓国にいる米軍に対するバッファーとしての存在よりも問題が多い」と結論づけるようになるだろうし、最も利益を受けるのは、毎日苦難に直面している北朝鮮の国民自身であろう。
最大の目標は東ドイツの例のように、北朝鮮を平和的に崩壊させることだ。またこれは本物の核不拡散の手段としては最適なものである。北の崩壊がなければ、われわれは全体主義体制の核武装国家、つまり核武装した北朝鮮と永遠に生きていかなければならないことになるからだ。
もし中国が朝鮮半島においてチェスや「三目並べ」を行うつもりであれば、彼らはまず中国側の国境を開放することによって北を(ハンガリーや東ドイツのように)崩壊に追い込み、それから北の政治指導層や将軍たちに一時的な保護を提供し、その後に韓国政府に対して「(米軍のプレゼンスのない)朝鮮半島の非核化」の代わりに北の経済と政治的責任を負うように求めるだろう。
韓国(と日本)はこの交渉に飛びつくはずだ。そして日本の核武装計画は終了することになる。
現時点の中国は、まだ北のばかげた振る舞いや挑発に対して耐えることができると勘違いしているようだが、その理由は「金正恩の政権が大規模紛争を起こすような脅威ではない」と想定しつつ「北朝鮮は在韓米軍を牽制する目的にかなう」と考えているためだ。
北はこのような環境の中でも生き残ることできるだろうし、世界に自分たちの政権の正統性を見せつけて、アメリカとの和平交渉と合意を求めることによって西側が仕掛けてくる政権崩壊を防ごうとしている。
われわれは北京政府に「韓国の管理下にある戦略的に中立な統一朝鮮よりも、北朝鮮のほうが戦略的に危険な存在である」と納得させるべきである。韓の核計画は、地政戦略的な状況を中国にとって明らかに不利にするものだ。
現時点での西側の政治家たちは、このような方針を打ち出すにはあまりにも臆病すぎる状態であり、「世界は核兵器を廃絶すべきだ」という狭い議論に固執している。ところがこれは結果として「ならず者国家」たちの核武装につながっているのだ。
====
著者は学者や実務者としての経験も長い人物であります。
もちろん日本に核武装をさせてしまえという議論はたびたび出てきますが、ここまであからさまなものを見たのは久しぶりのような気が。
私自身のコメントについてはこちらでやっていますのでぜひ。
▼~あなたは本当の「孫子」を知らない~
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▼~これまでのクラウゼヴィッツ解説本はすべて処分して結構です。~
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▼奴隷の人生からの脱却のために
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by masa_the_man
| 2016-10-05 13:09
| 日記