« 『フロム・ヘル』トークイベント | トップページ | 東宝特撮総進撃 »

2009-10-26

僕の初恋をキミに捧ぐ (2009)

監督:新城毅彦 出演:井上真央、岡田将生 主題歌:平井堅 公式サイト

 監督は『ただ、君を愛してる』とか『Life 天国で君に逢えたら』とか難病映画で人を殺しまくってるティア・マイスター。殺した男女は五万人、サバ言うなこのヤロー!いやだが今度はただの難病映画と思ったらおおまちがいだ!

 映画がはじまるといきなり病院のベッドの上でお医者さんごっこをしている小学生の男女。女の子が男の子の胸に聴診器を当てて
「うーん。心臓がすごく早いですね。精密検査が必要です。じゃあズボンを脱いで下さい。パンツも脱いで」
「えっ!」
「何を言ってるんですか。わたしは専門家だから大丈夫です。さあ早くパンツ脱ぎなさい。パンツ脱げ-!」
 と少年に襲いかかってパンツを脱がそうとするようじょ。ほうほうのていで逃げ出した少年は両親を探しに行く。と、両親は医師の仲村トオル(変態幼女の父)から病状告知を受けている真っ最中であった。
「残念ですが息子さんの心臓は不治の病です。二十歳までは生きられないでしょう」
 がーん! 少年は自分の余命を知ってしまったのであった。追いかけてきた変態幼女も当然知ってしまうのだった。

 翌日、少女は必死で四つ葉のクローバーを探している。「四つ葉のクローバーの神様に祈ると願いがかなうのよ」と教えられた少年は「ぼくは宇宙飛行士になって繭ちゃん(変態幼女)と結婚する!」と無邪気に言うのだが、四つ葉を見つけた少女に突き飛ばされる。少女は涙をボロボロ流しながら「タクマくんの病気を治してください命を延ばして下さいおねがいです……」と祈るのだった。それに気圧された少年は思わず繭ちゃんを抱きしめてディープキス……ってどうなってんだよこの小学生たちは!

 時は流れ二人は中学三年生になっている。タクマくんは優等生だが繭ちゃんはバカになった。繭ちゃんが歩いていると、同級生がなぜかいきなりバケツで水をぶっかける。透けブラを見ようという周到な作戦だ。心臓が悪いので体育の授業もつねに見学のタクマくんは「俺より先にブラを見やがって!」と怒りのあまりいたずら三人組をボコりまくる。「やめて!そんなに見たいなら見せてあげるから!」と保健室で体操着をまくりあげる繭ちゃん。
「待って……心臓がおかしくなりそうだ!」

 そんなこんなでラブラブな二人だが、自分の余命が長くないことを知っているタクマくんは繭ちゃんには行けそうもない全寮制のエリート高校を志願して自然消滅をはかるという卑怯な手に出ます。寂しそうな繭ちゃんは滑り止めもみんな落ちて就職組。予定通りになったけど、なんか寂しい……と思いながら紫堂高校の入学式に出かけたタクマくん。そこで新入生総代として壇上に上がったのはなんと繭ちゃんだった。
「あんたの考えなんかお見通しなのよ! あたしだってちょっと勉強すりゃこんなとこ入るの屁でもないんだから! あたしから逃げようなんて十億万年早いわ!」と全校生徒の前でタクマにプロポーズ、止めようとした先生もふっとばす繭ちゃんなのだった。

 ここまで惚れられたらさすがに応えなければ……と思ったタクマくんは主治医の仲村トオルに相談をもちかける。
「あの……ぼく激しい運動禁止ですよね? たとえば……SEXとかどうですか?
 娘とセックスしたい!と言われた仲村トオルは思わず激怒!
「父親として……いや医者として言うが、やめておけ! あれは結構ハードな運動だ!

 いやーすごい。これでまだ半分くらいで、このあとさらに波瀾万丈の展開がてんこもりでもうとてもこんなところには書ききれない! オレは見ながらひたすらクックッと笑いをこらえていたけれど、まわりではズルズルとすすり泣きが聞こえていた。「五回も泣いちゃった」「もうはじまる前から泣いてた」の声も。 最後はなんかホラー映画みたいになってましたが。泣くのかあれやっぱり。

|

« 『フロム・ヘル』トークイベント | トップページ | 東宝特撮総進撃 »

コメント

この原作の漫画は流し読みしたのですが、重病人をヒロインが連れ回す恐ろしい話でした
同じ作者で「僕は妹に恋する」という実の双子の妹とセックスするとんでもない話も映画化されてます

投稿: あ | 2009-10-26 20:33

エーッ!?そんな変態映画なら、是非観てみたい!
破壊力抜群の予感!

投稿: のわーる | 2009-10-27 00:09

すみません、大爆笑ですw
そんな映画ですか…

投稿: すぼ | 2009-10-27 01:16

ティア・マイスター最高!!(笑)

投稿: yama | 2009-10-27 02:11

いつ主人公の心臓が炸裂するかを楽しむ
サスペンス・スリラー作品だと思っていたのですが
その上を行くハイセンスコメディ映画のようですね…
クッ、見に行くべきか…

投稿: 太眉萌え | 2009-10-27 08:36

俄然興味が出てきましたw

投稿: aa | 2009-10-27 10:21

すごい観たくなりました。
SEXシーンはあるんでしょうか?

投稿: いぶき | 2009-10-27 12:51

いつも楽しみに拝読してます。
ぜひ「天使の恋」も見てばっさり袈裟懸けに斬ってください!
亀梨くんのドラマ「神の雫」でまさに超弩級の棒読みを炸裂させた佐々木希ちゃん初主演映画。
想像だけでお腹いっぱいです(笑)

投稿: yorokin | 2009-10-27 15:15

出来映えさえよければ難病物を描こうと、近親相姦物を描こうと、一向に構わないと思うのですがねえ…
そんなわけで、原作を読んできました。
必然性も無くわけのわからない泥沼的状況をせっせと作り出し、そこにハマっていく人達の不条理な人間模様を描いた話でした。
いつもガースさんが語っているように、人間観とは何か、作劇において「必然性」とは何なのかと、哲学的なことをあれこれ考えてしまいました。映画版のスバラし過ぎる展開に期待しています(笑)

投稿: のわーる | 2009-10-27 18:48

ああ、「僕は妹に恋する」の人かああああ

投稿: o | 2009-10-27 23:04

柳下さんの文章で観に逝きたくなりましたw
1800円ドブに捨てます。

投稿: 沖 | 2009-11-02 22:03

「人の死は、美しいものではない」

と主張して、映画にスプラッター描写を取り入れたマリオ・バーヴァの精神を、ティア・マイスター達にも見習って欲しいですね。

投稿: 処刑男爵 | 2009-11-04 05:44

見てきました。ラストシーンはシュールレアリスム全開でしたね。ダリとかあのへんに生きた画家が描いてそうな名シーンでした。

難病で明日死ぬかもしれない彼氏とジェットコースター。美しい思い出作り、あたしって可哀想?なんて献身的な愛をささげる彼女でしょう。

中学の進路指導の先生がえらく渋い良い声のおやじ様で癒されました。あぁ、優待券で1000円で見れて良かった!

投稿: ナナホ | 2009-11-16 15:23

柳下さん、始めまして。自分としては、この映画はいい映画だったと思います。クックと笑を堪えたなんて・・・・柳下さん、あえて言いますが、この映画は笑える映画ではありませんよ!貴方にとっては駄作だったかもしれませんが、自分にとっては良作でした。以下、コンセプト無視でべた褒めさせていただくと、自分としては、井上真央と岡田将生の恋模様は、とっても切なかったです。余命いくばくもないけど、それでも一生懸命生きたタクマくんを演じた岡田クンはかっこよかったし、またここ数年見てきた数々の映画のキャラで一番良好でした(ちなみ第二位はブレランのロイ・バッティ理由は見れば分かる!)。そして真央ちゃん演じる繭ちゃん。一生けんめいタクマを愛した彼女が、いとおしく思えました。
自分としては、この映画はそんな映画です。
柳下さんが、そんな斜に構えた見方をするのは、自分としては残念です。
>いやーすごい。これでまだ半分くらいで、このあとさらに波瀾万丈の展開がてんこもりでもうとてもこんなところには書ききれない! オレは見ながらひたすらクックッと笑いをこらえていたけれど、まわりではズルズルとすすり泣きが聞こえていた。「五回も泣いちゃった」「もうはじまる前から泣いてた」の声も。 最後はなんかホラー映画みたいになってましたが。泣くのかあれやっぱり。

結論・なけます!!!!!!!
柳下さん、日本映画に対して、もう少し寛大になりなさい!
以上。
P.S.この文は、「映画の好み、作品の良し悪しは見る人それぞれによって異なる」ということを念頭に書きました。

投稿: カール・ロバーツ | 2009-12-04 19:21

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 僕の初恋をキミに捧ぐ (2009):

« 『フロム・ヘル』トークイベント | トップページ | 東宝特撮総進撃 »