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決定的場面を自動で録画!GeForceに「ShadowPlay Highlights」機能が登場

最強スクリーンショット機能「Ansel」はさらに対応タイトルを拡大。SDKも一般公開

年に2億もの録画がされているという「Shadowplay」機能

 2月28日にGeForce GTX 1080 Tiを発表したNVIDIAだが、この日はハードウェアだけでなくソフトウェア面でも多彩な新機能がアナウンスされた。特にゲーマー向けのプラットフォームである「GeForce Experience」で面白い要素となるのが、「Shadowplay Hightlights」だ。おなじみのゲーム録画機能「Shadowplay」に近く追加される新機能である。

 ちなみに現時点でGeForceのゲーム録画機能は「Share」という名称で提供されているが、今回、プレス向けにプレゼンテーションされた内容にはその名称は見当たらず、旧来の名称である「Shadowplay」で統一されていた。これからご紹介する「Shadowplay Hightlights」の導入とともに、現在の「Share」という名称は廃止されそうな感じである。このため本稿ではGeForceのゲーム録画機能について、旧来の名称である「Shadowplay」を使用してお伝えする。

 さて、Shadowplay機能ではこれまで、ユーザーの手で録画開始・終了を制御するほか、常にバックグラウンドで仮録画(シャドウ録画)しておいて、良いシーンに遭遇したらその都度、過去数分のフッテージをファイルに保存するという使い方がサポートされていた。特に後者の使い方は、プレイ時間が長くなるゲームでもピンポイントで面白い部分を記録できるため便利で、多くのゲーマーが愛用している。

 とはいえこの方法にも弱点がある。ゲームプレイに熱中していると、いいシーンに遭遇しても保存するのをうっかり忘れてしまうことが多いのだ。一段落ついて思い出した頃にはシャドウ録画の尺をとっくに過ぎていたりで、せっかくのシーンを取り逃してしまった!もったいない!ということもしばしば。どうせなら自動でいいシーンを撮ってくれればいいのに……と思ったことのある方も多いだろう。

「Shadowplay Highlights」で提供される機能セット
「Shadowplay Highlights」の技術的構成。録画や切り抜きの制御をゲーム側から行なえる

 今回NVIDIAよりアナウンスされた「ShadowPlay Highlights」は、まさにそれを実現する機能だ。プレイの内容を判別して決定的な瞬間を自動録画。ユーザー自身が気を使わなくても、重要なシーンを無駄なくまとめた映像クリップを勝手に作り出してくれるのだ。

 この「ShadowPlay Highlights」の鍵となるのは、ゲームタイトル側からの録画制御だ。各ゲームのプログラムはそれぞれの基準でハイライトとなるシーンを検出し、「ShadowPlay Highlights SDK」を通じて必要な部分の録画データを抽出することができる。例えばFPSなら、“複数の敵を連続で倒した”といったシーンを自動的に保存することが可能だ。

対応第一弾となる「Lawbreakers」
Cliff Bleszinski氏も登壇し、本機能の便利さをアピール

 対応ゲームの第1弾となるのは、ハイスピードFPS「Lawbreakers」。本作はかつてEpic Gamesで「Gears of Wars」シリーズを生み出したゲームクリエイター、Cliff Bleszinski氏が率いるBoss Key Productionsが開発中の作品で、現在はβテストを実施中。「ShadowPlay Highlights」機能は、本作の正式リリースに合わせて全てのGeForceユーザーに提供される予定だという。

 「Lawbreakers」は内容的に王道の対戦型FPSで、「Shadowplay Highlights」での自動録画のルールはシンプルだ。敵を倒した瞬間が自動保存の起点となっていて、その状況に応じて「DoubleKill」、「QuadKill」、「Annihilation」といったラベルが各映像クリップに付加される。録画された各クリップはShadowplayのインターフェイス上で確認することができ、好きなものを選んで保存したり、ワンクリックで各ソーシャルサービスにアップロードすることも可能だ。アップロード先として現時点で対応が確認されているのはFacebook、Google、imgur、そしてYouTubeとなっている。

 決定的な瞬間を自動的に抽出してくれるところまで進化したShadowplay。ゲーム側の対応が必要となるため当初は一部のタイトルでしか利用できない感じにはなりそうだが、NVIDIAではUnreal Engine 4向けのプラグインやCネイティブのSDKを公開し、積極的に対応タイトルを広げていく模様だ。組み込みのハードルはかなり低そうなので、遠からずたくさんのゲームで利用できるようになると期待したい。

Shadowplay Highlights
まずはゲームをプレイ。ラウンド終了までの間、ゲーム側が自動的に見どころを抽出してくれる
「Shadowplay」オーバーレイUIを呼び出すと、自動的に保存されたシーンがリスト表示。好きなクリップを選んで保存したり、共有サービスにアップロードすることが可能だ

最強スクリーンショット機能「Ansel」、最新タイトルで続々利用可能に

ゲーム内の時間を止め、自由な視点・画角等で高品質のスクリーンショット撮影ができる「Ansel」
「War Thunder」での撮影例
「Witcher 3」では20万枚以上の撮影が行なわれたという
βテスト中の「Tom Clancy's Ghost Recon: Wildlands」でも対応

 ゲーマー向けの機能としては、昨年7月に登場したGeForce独自のスクリーンショット機能「Ansel」のアップデートも紹介された。Anselは従来のスクリーンショットの概念を変え、ゲーム内カメラの制限を超えて好きな視点・画角で高品質な撮影ができるというもの。超高解像度撮影や360度パノラマ、VRスクリーンショットも可能という、現時点で最強のスクリーンショット機能だ。

 Anselは高機能のトレードオフとしてゲーム側の対応が必要となっており、リリース当初は「The Witcher 3: Wild Hunt」と「Mirror's Edge: Catalyst」の2タイトルで提供がスタートしていた。それがこれまでのおよそ半年で対応タイトルが追加され、現在では12タイトル以上で利用が可能になっている。

 プレゼンテーションで紹介された現時点の対応タイトルは以下の通り。どれもグラフィックスが美麗なAAA級のタイトルなので、ゲーマーの皆さんなら1つや2つはお気に入りのものがあるだろう。

・The Witcher 3: Wild Hunt
・Mirror's Edge: Catalyst
・Obduction
・The Witness
・War Thunder
・Mass Effect Andromeda
・ARK: Survival Evolved
・Watch Dogs 2
・Conan Exiles
・Paragon
・For Honor
・Dishonored 2
・Tom Clancy's Ghost Recon: Wildlands

Ansel 対応タイトル
開発者向けのSDKが一般公開

 またNVIDIAでは、Ansel対応タイトルをさらに拡充していくため、今回のGDCに合わせてゲーム開発者向けの「Ansel SDK」を一般公開した。NVIDIAのデベロッパーサイト(http://www.developer.nvidia.com/ansel)からダウンロードし、各ゲームに自由に組み込めるようだ。さらにUnreal Engine 4やUnityといったメジャーなゲームエンジン用のプラグインも用意されているため、今後は爆発的に対応タイトルが増えていくことが期待できる。

 また今回、Amazonが提供しているゲームエンジン、LumberyardにもAnsel機能のサポートが追加されることがアナウンスされている。高機能なスクリーンショット機能が幅広いゲームで使えるようになれば、ゲームプレイの決定的な瞬間を共有する楽しみはもっと大きなものになっていくに違いない。

「Ansel」機能はメジャーなゲームエンジンで簡単に組み込めるようプラグインも提供。今後幅広いタイトルで利用できるようになることを期待したい