静岡の街から
そうだ、この駅で〜掛川駅の旅〜
——おなじみの電車区間で、「降りたことはないけれど、ちょっとここ気になるぞ」という場所をみつけたことはありませんか?なんでも静岡にはおよそ230もの駅があるそうな。つまりその分だけ、そこに暮らす人々や歴史、町場の物語が広がっているんです。「途中下車してみたら、実はこんなまちだった!」。そんな発見とまだみぬ風景を探しに、「!」アンテナがたった駅で下車する旅企画。
◉掛川駅
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【Access】
静岡→(東海道本線:45分)→掛川
浜松→(東海道本線:25分)→掛川
■忍者、現る? 掛川どっぷり歴史旅
掛川は江戸時代、東海道の主要な宿場町として栄えた都市であり、市内には掛川城、高天神城(旧大東町)、横須賀城(旧大須賀町)がありました。高天神城は武田軍と徳川軍の3回に渡っての攻防戦の様子が映画や大河ドラマでも紹介されています。また横須賀城は県下で唯一、廃城令まで天守閣が残っていた城でもあります。今回は掛川駅近くにそびえ立つ掛川城を中心にご紹介して行きます。
時は戦国時代、駿河の守護大名今川氏が遠江支配の為に築城した掛川古城が掛川城のはじまり。最初の天守閣は1590年に豊臣秀吉の命を受けて赴任した山内一豊が築城しました。天守閣は敵が城内に突入してきた場合の最後の砦になります。天守閣内部には敵の侵入に備えて石落とし、武者隠しなど仕掛けが施されています。
ところで秋の掛川を盛り上げる文化の一つに秋の祭典があります。掛川城下の祭典では3年に一度奴道中、仁藤の大獅子、かんからまちなどの三大余興が披露され、なかでもかんからまちという獅子舞は遠州横須賀三熊野神社(掛川市南部)の祭囃子と並んで静岡県無形文化財に指定されています。掛川城「忍者deガイド」の忍者、服部平太夫さん(写真:右)と共に掛川駅周辺を巡っていきましょう。ニンニン!
【ガイド紹介】
◯忍者:服部平太さん
掛川城《忍者deガイド》の忍者。"忍者"なので、もちろん素性は明かしません! しかし、掛川城や城にまつわる歴史を懇切丁寧に教えてくれる優しい忍者さん。
施設ガイドを聞くのはちょっと苦手。楽しく歴史を学びたい! という方々は、ぜひ、現役忍者に案内してもらいましょう!
【取材】
◯執筆:漆畑友紀(静岡英和学院大学)
◯撮影:小池麻友(静岡県立大学)/小泉夏葉(静岡大学)
(1)掛川駅
昭和8年に建設された掛川駅は新幹線が止まる駅の中で日本唯一の木造駅舎です。駅舎の壁の色は景観と合っており、木造駅舎としての歴史漂う気品で堂々と聳えたっています。耐震化に伴い、鉄筋コンクリートへ建て替える意見もでた中、木造駅舎として残したいという市民、地域企業の想いから昔の面影を残したまま木造駅舎として再び掛川の地へ降り立ちました。
▲こちらは昭和8年に建設された駅舎模型。
▲午前10時。掛川のまち、散策スタート!!
▲……かと思きや、たい焼きの良いかおりにつられて速攻寄り道する女子ふたり。
▲「美味い!!」
▲山内一豊の妻お千代は良妻賢母であり、内助の功で一豊を支え続けました。
(2)いも汁
昔から掛川山間部では自然薯が採れる地域であったため、いも汁は郷土料理として掛川市民に愛されています。自然薯は栄養価が高く、疲労、成人病等にも効果があるといわれています。また、山薬と呼ばれる漢方薬にもなる万能食材。味噌で仕立てた鯖だしを混ぜてすり上げていくのが掛川いも汁の特徴。ご飯を何杯でもおかわりしてしまうほど美味しかったです。
▲食事処をでて、しばらく。ようやく掛川城に到着! スタート時は曇っていた空も、見事に晴れました!!
(3)掛川城
今川家が武家としての最後を迎えた掛川城。1569年の「掛川城の戦い」では今川氏真が掛川城に立て篭もっていると井戸から霧が出て城を包み隠してしまいました。これは霧吹き井戸伝説として語り継がれています。国指定重要文化財である掛川城御殿は安政の地震の後に再建され日本に4か所しか現存しない御殿の一つ。現在で言うと市役所のような役割も果たしていたそうです。
▲掛川城で案内人の服部忍者と合流。本格的な忍びの装いと所作に驚きました。
▲天守閣の眼下に広がる掛川のまち。絶景です。
(4)掛川市竹の丸
当初は掛川城の北側を守る区域「北の丸」という名前でした。しかし、周辺に竹藪があったため「竹の丸」と呼ばれるようになったそう。江戸時代は掛川城筆頭家老の住居でしたが、廃城令により掛川城がなくなり、明治になって葛布で財を成した松本家が現在の屋敷を建てました。二階の貴賓室からは掛川城天守閣が見える、忍者さんおすすめスポット!
(5)掛川市二の丸茶室
景観に合わせた美しく趣のある茶室は、訪れる人達の心を和ませてくれます。掛川で多く生産される「掛川蒸し茶」は普通煎茶よりも蒸し時間を長くすることによって、まろやかなコクと甘みがでるのが特徴。和菓子も味わうことができ、日本の茶道に触れられます。ちなみに、日本の茶道はどの流派でも先に和菓子を食べてから抹茶を飲むそうです。
▲さっそく立ててもらったお茶とお菓子を楽しみながら、「今回の旅、ずっと何か食べてる気がする」と気付く。
(6)龍華院大猷院霊屋
掛川城の前身だった掛川古城の跡地に建てられたもので、日光に祀られている江戸幕府第三代将軍家光の霊を分霊しています。古城の名残としては土塁と空堀が残されており、土を何十メートルも掘って柵をめぐらせた「山城」と呼ばれる初期のお城がこの地にはありました。厳かな雰囲気が漂うこの場所は、春は八重桜、秋は紅葉の隠れた名所です。
▲茶葉のよい香りがするカワイイ巾着袋をお土産に、今回の旅は終了です。歩く醍醐味がある、掛川のまち。
みなさんも週末のおでかけにぜひ、足を運んでみてください。
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浜松→(東海道本線:25分)→掛川
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浜松→(東海道本線:25分)→掛川
■忍者、現る? 掛川どっぷり歴史旅
掛川は江戸時代、東海道の主要な宿場町として栄えた都市であり、市内には掛川城、高天神城(旧大東町)、横須賀城(旧大須賀町)がありました。高天神城は武田軍と徳川軍の3回に渡っての攻防戦の様子が映画や大河ドラマでも紹介されています。また横須賀城は県下で唯一、廃城令まで天守閣が残っていた城でもあります。今回は掛川駅近くにそびえ立つ掛川城を中心にご紹介して行きます。
時は戦国時代、駿河の守護大名今川氏が遠江支配の為に築城した掛川古城が掛川城のはじまり。最初の天守閣は1590年に豊臣秀吉の命を受けて赴任した山内一豊が築城しました。天守閣は敵が城内に突入してきた場合の最後の砦になります。天守閣内部には敵の侵入に備えて石落とし、武者隠しなど仕掛けが施されています。
ところで秋の掛川を盛り上げる文化の一つに秋の祭典があります。掛川城下の祭典では3年に一度奴道中、仁藤の大獅子、かんからまちなどの三大余興が披露され、なかでもかんからまちという獅子舞は遠州横須賀三熊野神社(掛川市南部)の祭囃子と並んで静岡県無形文化財に指定されています。掛川城「忍者deガイド」の忍者、服部平太夫さん(写真:右)と共に掛川駅周辺を巡っていきましょう。ニンニン!
【ガイド紹介】
◯忍者:服部平太さん
掛川城《忍者deガイド》の忍者。"忍者"なので、もちろん素性は明かしません! しかし、掛川城や城にまつわる歴史を懇切丁寧に教えてくれる優しい忍者さん。
施設ガイドを聞くのはちょっと苦手。楽しく歴史を学びたい! という方々は、ぜひ、現役忍者に案内してもらいましょう!
【取材】
◯執筆:漆畑友紀(静岡英和学院大学)
◯撮影:小池麻友(静岡県立大学)/小泉夏葉(静岡大学)
(1)掛川駅
昭和8年に建設された掛川駅は新幹線が止まる駅の中で日本唯一の木造駅舎です。駅舎の壁の色は景観と合っており、木造駅舎としての歴史漂う気品で堂々と聳えたっています。耐震化に伴い、鉄筋コンクリートへ建て替える意見もでた中、木造駅舎として残したいという市民、地域企業の想いから昔の面影を残したまま木造駅舎として再び掛川の地へ降り立ちました。
▲こちらは昭和8年に建設された駅舎模型。
▲午前10時。掛川のまち、散策スタート!!
▲……かと思きや、たい焼きの良いかおりにつられて速攻寄り道する女子ふたり。
▲「美味い!!」
▲山内一豊の妻お千代は良妻賢母であり、内助の功で一豊を支え続けました。
(2)いも汁
昔から掛川山間部では自然薯が採れる地域であったため、いも汁は郷土料理として掛川市民に愛されています。自然薯は栄養価が高く、疲労、成人病等にも効果があるといわれています。また、山薬と呼ばれる漢方薬にもなる万能食材。味噌で仕立てた鯖だしを混ぜてすり上げていくのが掛川いも汁の特徴。ご飯を何杯でもおかわりしてしまうほど美味しかったです。
▲食事処をでて、しばらく。ようやく掛川城に到着! スタート時は曇っていた空も、見事に晴れました!!
(3)掛川城
今川家が武家としての最後を迎えた掛川城。1569年の「掛川城の戦い」では今川氏真が掛川城に立て篭もっていると井戸から霧が出て城を包み隠してしまいました。これは霧吹き井戸伝説として語り継がれています。国指定重要文化財である掛川城御殿は安政の地震の後に再建され日本に4か所しか現存しない御殿の一つ。現在で言うと市役所のような役割も果たしていたそうです。
▲掛川城で案内人の服部忍者と合流。本格的な忍びの装いと所作に驚きました。
▲天守閣の眼下に広がる掛川のまち。絶景です。
(4)掛川市竹の丸
当初は掛川城の北側を守る区域「北の丸」という名前でした。しかし、周辺に竹藪があったため「竹の丸」と呼ばれるようになったそう。江戸時代は掛川城筆頭家老の住居でしたが、廃城令により掛川城がなくなり、明治になって葛布で財を成した松本家が現在の屋敷を建てました。二階の貴賓室からは掛川城天守閣が見える、忍者さんおすすめスポット!
(5)掛川市二の丸茶室
景観に合わせた美しく趣のある茶室は、訪れる人達の心を和ませてくれます。掛川で多く生産される「掛川蒸し茶」は普通煎茶よりも蒸し時間を長くすることによって、まろやかなコクと甘みがでるのが特徴。和菓子も味わうことができ、日本の茶道に触れられます。ちなみに、日本の茶道はどの流派でも先に和菓子を食べてから抹茶を飲むそうです。
▲さっそく立ててもらったお茶とお菓子を楽しみながら、「今回の旅、ずっと何か食べてる気がする」と気付く。
(6)龍華院大猷院霊屋
掛川城の前身だった掛川古城の跡地に建てられたもので、日光に祀られている江戸幕府第三代将軍家光の霊を分霊しています。古城の名残としては土塁と空堀が残されており、土を何十メートルも掘って柵をめぐらせた「山城」と呼ばれる初期のお城がこの地にはありました。厳かな雰囲気が漂うこの場所は、春は八重桜、秋は紅葉の隠れた名所です。
▲茶葉のよい香りがするカワイイ巾着袋をお土産に、今回の旅は終了です。歩く醍醐味がある、掛川のまち。
みなさんも週末のおでかけにぜひ、足を運んでみてください。
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【Access】
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もう一度歩きたくなる、「エッシャーの世界」〜静岡市美術館〜
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JR三島駅〜日本大学三島キャンパス〜極私的、古地図研究会
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Updated:2015年05月14日 静岡の街から