郵政民営化反対論の反対論
それほどリキをいれた話ではないので適当に。六月三〇日の読売新聞に千葉商科大学加藤寛学長が”郵政民営化 反対論封じる5つの原則”という寄稿をしていた。ネットにはソースはないようだ。私も郵政民営化に賛成だが、率直に言うと加藤の意見に全面的に同意というものでもない。が、わかりやすいといえばそうかなとも思うので、参考までに紹介と自分のコメントをまぜて書いておきたい。
税金を払う人使う人 加藤寛・中村うさぎの 激辛問答 |
1. 座して死を待つな
したり顔の評論家がよくいう。「せっかく郵政公社になって頑張っているのだから、あと2年くらい様子をみたら」と。この人は、今の公社がぬれぞうきんを絞って利益を出していることを知っているのだろうか。2年続けて黒字となったが、このままでは次第に衰退していくのは明らかだ。電子情報の時代に、郵便離れが進み、国際宅配便でも後れをとった。
このあたり私はよくわからないのだが、「郵政公社の採算は問題ない、だから、民営化しなくてよい」とする意見がある。これに対して、上記のように加藤は反論している。私はこの論点にはあまり関心がない。
やや混乱した印象を受けるが加藤はさらにこう議論をつなげる。前提は郵便局をなくせというわけではないというのだ。
郵便局は過疎地域でも、スーパーやコンビニを展開せよ、というから無理がある。それよりも地方自治体の事務代行(全国で5兆円市場)をすればいい。介護センターになったり、ワンストップ・サービスを明確に位置づけてもいい。地方の仕事はこれから確実に増えるからこそ、過疎地域の郵便局は必要なのだ。
私は郵便局の存続にも関心ない。無用なものは自然に淘汰されればいいだろうくらいしか思わないのだが、「地方自治体の事務代行(全国で5兆円市場)」というのは魅惑的でもあるな、ほんとかなとは思う。
2. 二兎(物流と金融)を追う者一兎も得ず
金融と物流産業とは別の世界の原理である。物流のネットは大切にしよう。しかし金融は、官から民に移すべきである。官がカネを集めて国民の金融をせき止めてはならない。
私にはこれも当たり前なので、端から三事業の一体化は考えてもいない。
むしろ、これも加藤の余談のほうが面白い。
個々の郵便局は三つの窓口(郵便・簡易保険・郵便貯金)を一体として運営しており、複式簿記を利用していない。つまり近代的経営管理ができていない。今や世界は、国際会計基準で合意し、遅れた日本の金融を排除する動きもある。
え?ほんとかである。それじゃ中国様と同じレベル…すべてがそうなわけはないか。さて、それってほんとかなと思い返すになんか本当っぽいな。このあたり、民営化論以前の問題のようにも思える。
立国は私なり、公にあらず 日本再生への提言 |
いくら公的金融の“出口”である財政投融資を改革したとしても、出城(財投機関)は落とせない。本丸(郵貯と簡保)から援軍がきて挟み撃ちになるからだ。本丸がある限り、出城の改革は中途半端になる。これはまったく同意。というか、この話しか自分は関心ない。これについては、思いのたけを半分くらい「極東ブログ: 郵政民営化は重要な問題だと思う」(参照)で書いた。あとの半分はまだ書いてない。
4. 武士の商法を許すまじ
公務員改革も、身分保障が行き過ぎればストのやり放題になる。郵政改革が不首尾に終われば、いくら税金に依存しないとはいえ公務員として威力を温存してしまう。
私はこの論点もそれほど関心はない。が、この点については先日のエントリのコメントなどで示唆をいただいた。公務員についてはいろいろ思うことがあるが、特に強い思い入れはない。
5. 地方のカネは地方で使え
これが面白いのだが、この最後の一点は加藤はまだ実現していないと考えている。とすればまともな原則でもないのだが、それでも、面白い。
将来を考えれば特に「地方のカネは地方で使え」の第五原則にたって地域分割へ向かって修正されることは正しい。これができれば、郵貯・簡保の巨大な資金をどう使うか、民業圧迫にならないかといった初歩的反対論は消滅する。
これには私は同意。というか、日本国憲法というは、事実上の原文である英文を読むとnationとstateを使い分けており、つまり、これって連邦法ではないのか、と考える自分にしてみると、日本は州に解体したほうがいい。日本が州に解体できれば、その従属でいろいろな権力に再組織化が必要になるだろう。
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コメント
>私は郵便局の存続にも関心ない。無用なものは自然に淘汰されればいいだろうくらいしか思わない
こういう考え方の人間が政治・経済の中心にふんぞり返っているから困る。
投稿: | 2005.08.14 20:20
州に分割=小さな政府ですかな?
投稿: アイゴー | 2005.08.14 20:22
コメント欄での議論による補完が必要なエントリーという感じがするのですが...。
1点だけ。
無用なものは自然淘汰されればいいだろうという表現は、ちょっとひっかかります。
無用なものかどうかがどのような基準で判断されるべきか、また、自然淘汰という限り、意図的に、もしくは政治的に淘汰されるべきではないというこの裏返しなのか、明確に提示されていません。
国外から見れば、故郷の年老いた祖父母になにか物を送りたかったり、現金を送金したいと考えたときに、祖父母の行動範囲内に将来郵便局があり得るかどうかが大きな関心点である私にとって、自然淘汰という言葉は郵便局の存続を考えるときに、なじみません。
よく国際間の物流は民間がみたいな議論がありますが、あんなものは企業ベースの話であって、個人ベースにはまったくなじみませんし(笑)。
これはセットで議論されるべき話ですが、今後日本がより一層の移民を受け入れるべきと主張される方々が、この国家間送金の点についてスルーして民営化を語るのであれば、これには非常に違和感を感じます。
これは余談ですが、民間企業となった後のお年玉付年賀はがきってどうなるのでしょう、可能なのでしょうか???
投稿: antiECO | 2005.08.14 21:16
>祖父母の行動範囲内に将来郵便局があり得るかどうかが大きな関心点である
そういったサービスを存続するか否かは、その祖父母の住む地域の自治体が決定すればよい。といのが[地方のカネは地方で使え]ということだと思います。
投稿: むにゅう! | 2005.08.14 21:32
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[論点]郵政民営化 反対論封じる5つの原則 加藤寛(寄稿) 東京朝刊 気流 1389字 05段
極東ブログさんのおかげで面白い記事を読ませていただきました。サンクス。
投稿: 丸の内OCNソープランド | 2005.08.14 21:39
>そういったサービスを存続するか否かは、その祖父母の住む地域の自治体が決定すればよい。
つまり、今回の法案ではダメという理解でいいでしょうか。
郵便局の統廃合もしくは存続を地方自治体に委ねるということであれば、関係法令の改正がセットでないと意味がありませんので。
また、そういった趣旨は、タイトルにある、「郵政民営化反対論の反対論」にはそぐわないですよね。
投稿: antiECO | 2005.08.14 21:44
>私は郵便局の存続にも関心ない。無用なものは自然に淘汰されればいいだろうくらいしか思わない。
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」並みの発言ですな。
一度田舎に住んでみることをオススメしますよ
そんな戯言いえるかどうかわかりますから。
投稿: ボコタ | 2005.08.14 21:48
antiECOさんの企業ベースか個人ベースか、という考え方はけっこうスルーされていると思っています。それにしても個人ベースって可能なのでしょうか。
地方のカネは地方でつかえ
は地方に十分に権限や財源が移動し、ついでに地方が十分に能力を発揮してやっていけることが証明されてから(誰に?国会議員の過半数とか)ようやく説得力をもつのではないでしょうか。
私の実家にある田舎町でも郵便事業が黒字を出せるとはとても思えません。淘汰は困ります
。淘汰されないためにはどうすればよいでしょう。ちょっとの痛みではありません。大きな痛みを感じる人がちょっとしかいない、といえばそれはまた違いますが。
話が壮大すぎて足元を見失っている気もします。
投稿: config | 2005.08.14 21:51
簡単にコメントです。地方の郵便局が有用ということならそれは淘汰されないのではないですか。それと、問題は郵便局ではなく、そのサービスだと思います。つまり、そのサービスが維持される手段の一つが郵便局である、と。
投稿: finalvent | 2005.08.14 21:59
公的にしろ民間にしろ、窓口という空間の活用はもっと開拓されてもいいはずだと思いますね。
かつてNTTが営業所の統廃合をすすめたとき、多くのビルはその後テナントも入らず、閉鎖されたまま放置されました。NTTの営業所が入っているビルは通信設備も入っているので簡単に建て替えたりできないのですが、窓口という空間を有効に使ったビジネスなり公共サービスなりがもっと開拓されていけば、あのスペースも有効活用されるだろうにと思うのですが。
投稿: OoTDM | 2005.08.14 22:09
>問題は郵便局ではなく、そのサービスだと思います。
これはそのとおりと思います。
それに郵便局だけあっても、病院は無い、学校は無い、・・・etcでは意味ないでしょう。
過疎は止められませんよ。
>ボコタさん
finalvent氏が言ってるのは「パンが無ければお菓子」では無く
「もうパンの配給が全員には出来なくなるよ」と言うことでは。
ここんとこをしっかり言える人に投票したいのですが、まだ難しそうですね。
投稿: はりぼで | 2005.08.14 22:14
常々お世話になっております。antiECOです。
コメントありがとうございます。
>地方の郵便局が有用ということならそれは淘汰されないのではないですか。
今回は「自然淘汰」ではないのですね。
先ほど書きましたが、淘汰するかどうかを検討もしくは実施する主体が「国」もしくは「行政」であるか、もしくは「民間」であるかどうかによって、淘汰の判断基準が異なるのではないかという感覚を持っています。
これを赤字か黒字化の単純な話にするととても陳腐化してしまうものの、必要なサービスであって赤字が許容できる範囲というものは、税等による補完が期待できるかどうかによって、異なるように思われます。
今回の一連の議論の中で、地方においてサービスを享受している主体であるだろう高齢層が、今後のサービスの継続(これには、彼らの行動範囲内でサービスを受けられるかどうかも含まれます。)について懸念があるとして、マスコミやブログ、また有識者の見解はどうもこれに答えるものにはなっていないような感想を持っています。
郵便の集配はともかく、多岐にわたる郵便局関連サービスを地方自治体がこなせるかどうかという点についても疑問はあります。
正直、郵便局員かつ窓口クラスに限定すれば、あの水準の給与、待遇でよくあれだけいろいろな知識、経験が必要な業務をこなしていると思っているんですけどね。(笑)だからといってそれが民営化賛成・反対の論点にはなり得ないとは思いますけど(為念)。
投稿: antiECO | 2005.08.14 22:22
>antiECOさん
>関係法令の改正がセットでないと意味がありませんので。
関係法令については知りませんので、間抜けなことをいっているかも知れませんが、地方自治体が自治体内の宅配会社に郵便サービスを委託すればすむのでは?
投稿: (anonymous) | 2005.08.14 22:22
>実上の原文である英文を読むとnationとstateを使い分けており、つまり、これって連邦法ではないのか
天皇が,「the symbol of the State」なのにですか?
「nation」が用いられるのは,前文の「国家の名誉」,9条の「国権の発動」,98条の「国の最高法規」だけであり,これだけの「使い分け」から「連邦法」を解釈するのは無理でしょう。
むしろ,「state」と「State」の「使い分け」の事実からすれば,「State=日本国」と読まざるをえないような気がします。
極東ブログの記事は,法律解釈に言及したとたん,素人っぽく感じるのは,気のせいでしょうか。
投稿: (anonymous) | 2005.08.14 22:36
↑私の今回のコメントは郵便為替が主体であって、郵便集配事業は主ではないというか眼中にないというか...。物理的な運送業務ではなく、窓口業務を意識しています。
また、郵便サービスの窓口を決定する権限が地方自治体にあるということは、権限の委譲がどこかから行われるわけで、それが民間企業である郵政会社から地方自治体に委譲されるというのはどうでしょうか。国から地方自治体に委譲されるのであれば、わかりやすいですが、そのためには法的な根拠が必要ではないでしょうか。
また、郵便事業にしても、現金等書留、配達通知、内容証明郵便等々現状の(宅配業者への)許認可の状況でそのまま宅配会社に委託することがなじまない事業が多くあると思います。
投稿: antiECO | 2005.08.14 22:41
親爺の田舎は凄い山奥で昭和一桁の時代は獣道のような細い道を一日かけて歩かないと街まで行き来できなかったそうです。今は道路が整備されて車で30分ですが。
私が子供の頃、もう40年前ですが、本を買うにも車で街まで行き来してました。もともと山の住民にとって青果市場に出荷するにしても、子供の通学にしても、買出しにしても、街まで行かねば生活がなりたたないわけで、かって郵便事務を代行してたところもありましたが今は消えました。
郵便局が存続できないような僻地では、そもそもそこでは生活が完結できない=住民は街に出てくることを厭わないと思うのですが。
投稿: ■□ Neon / himorogi □■ | 2005.08.14 22:43
ちょっとコメント欄の話題からは逸れますが。「中国様と同じレベル・・・」とのことですが、国際会計基準に関して言えば、中国様が一歩どころか二歩三歩リードというのが現状のようです。
中国様は改革開放以来、アメリカの大手会計事務所に手取り足取り国際会計基準導入を手伝ってもらったため、国際会計基準理事会(IASB)での中国様の評判は独自基準に固執する日本よりよほど評判はいいようです。
投稿: MK | 2005.08.14 22:57
>郵便局が存続できないような僻地
存続できるかできないかを誰が判断するのがいいのかというのが郵政民営化の議論の論点の一つだと思うのですが。
投稿: antiECO | 2005.08.14 22:59
わりと真剣な話し合いをされてるところに、ややチャチャ入れみたいな事書いて申し訳ないんですが、私には田舎の郵便局の存廃の話って、民営化反対派の無理矢理感がどうしても感じられちゃうんですよね。私にも田舎もあれば年老いた両親もいれば100になろうかという祖母までいますが、田舎の年寄りはホントは郵便局なんて大して興味ないと思いますよ。関心は自分の体の事と病院へのアクセス、たとえば万一の時どうやって病院へ行くかみたいな話であって、郵便局の存廃なんて話になってるの聞いたこともないですね。よく反対派の人が郵政民営化は優先順位が低い、みたいな言い方しますが、田舎の老人たちにとって郵便局の存廃は地方の過疎化の問題の中で極めて優先順位の低い問題だと思いますよ。
(今は政治の季節ですから、うちの田舎でも結構オルグがされてて年寄りも一家言あるでしょうが)
投稿: (anonymous) | 2005.08.15 00:54
antiECOさんに同意
田舎の婆さまが郵便局に思い入れがあるなど嘘っぱち。近ごろは、態度が良くなったからいいが、横柄なもの言い、年寄りを小馬鹿にした扱いで、憤懣やるかたなかったのでは?
さらに、善し悪しはともかく、盆暮れ等の粗品もくれない郵便局を年寄りが支持するはずがあるまい。
投稿: takeru | 2005.08.15 01:32
antiECOさん
そういう議論以前に既に存在理由が乏しいんじゃないの(>田舎の郵便局)ということです。
投稿: ■□ Neon / himorogi □■ | 2005.08.15 02:22
田舎といってもいろいろあるから一概には言えないんでしょうけど、町村レベルなら町内にひとつあれば十分だと思いますが。ほとんど個人でやってるような零細特定郵便局は、淘汰の対象で止むなしかと。
郵便局・自民党、ということで何かと田舎の郵便局が槍玉に挙げられるような気がしますが、実際のところ過疎地の郵便局はカバーする範囲が異常に広いから淘汰の対象にしたくても出来ないんじゃないかと。
それよりも、人口10万人前後の中小地方都市に微妙に存在する特定郵便局のほうが、よっぽどヤバイんじゃないですかね?
こういう問題があるときって何かと過疎地・農村が問題視されますが、中小地方都市に割拠する中途半端に地元密着型の組織のほうが、よっぽど問題なんですけどね。過疎地だと、問題視するほど組織でかくないし数も少ないですから。そういうところは、むしろ安牌なんじゃないかと。
投稿: うんこ | 2005.08.15 06:27
ご参考までに、1999年当時小泉元厚相と中田議員(現横浜市長)との対談です。
>民営化すると過疎地の郵便局は廃止されると言われていますが、
>先日、ヤマト運輸関係者を招いて研究会をやったとき、「郵便局
>が過疎の村から撤退したら、私達(民間は)は喜んでそこでやり
>ますよ。運送業は全国ネットだから信頼があるんです。それを
>『儲からないから扱いません』では、それだけで信頼がなくなり
>ます」と言っていました。
http://www.nakada.net/syutyo/SYUTHO07.htm
投稿: (anonymous) | 2005.08.15 07:37
NTTが民営化されたにもかかわらず手足を縛られた(ユニバーサルサービスの義務やNTTCOMやDocomoという風に解体)挙句、利益の出る所だけ他社が参入して苦しんでますが、ユニバーサルサービス基金制度なんてのが出てきましたね。
普通の郵便や、宅配便、郵便貯金等色々ありますが、他社が参入しない場所は業界全体で供出した基金で郵便局やそれに類する物を運営するように義務付ければ、過疎地に最低限必要な局が無くなる心配もなさそう。結局ユーザーにコストとして跳ね返る点では税金と一緒ですが、税金垂れ流しよりは無駄が減るかも?
投稿: 名無しさん | 2005.08.15 10:52
↑ま、それが真っ当な判断じゃなかろうかと。
郵政改革を田舎潰しと錯覚してる人は普通に経営センス無いか大局観が無いか田舎憎しで叫んでればどうにかなると思ってるだけだと思います。
一番潰しの標的になるのは、「地方都市に乱立する」特定郵便局の類でしょうよ。
そのくらいは標準で話してるのかと思ったのに…。
投稿: うんこ | 2005.08.15 10:57
↑(anonymous)氏に対するレス
投稿: うんこ | 2005.08.15 10:59
>そのくらいは標準で話してるのかと思ったのに…。
↑
なので、私の最初のコメントの冒頭、「コメント欄での議論による補完が必要なエントリーという感じがするのですが...。」
ちょっと幸せ。
投稿: B☆antiECO | 2005.08.15 18:08
Nationとstateというと
nation——国土の中に住んで、生活している人々の総体。国民。
state——国の統治機構。国家。
と、学生の頃習った覚えがあるのですが。「Nation State」=国民が主権を持つ国家、つまり「国民国家」が、フランス革命以降の近代国家の特徴である——と説明されたのを、覚えています。憲法原文でのnationとstateというのは、もしやこちらの意味で使っているのでは?
もっとも、私自身は日本国憲法の原文を読んだことがなく、法学にも暗いので、どう解釈するのが正しいのか、わからないのですが……。
眠たい書き込みですね、すみません。
投稿: H@H | 2005.08.16 13:53
というか、憲法ってのは、その性質上どうしても抽象的なテキストになりますから、文言の単語をあまり杓子定規に解釈しても苦しくなったりするんですよね。日本国憲法だとよく出てくるのは「国民」と「何人も」の使い分けで、大抵の場合は「国民」は国民、「何人も」は国民と日本に滞在する外国人も含む、くらいの解釈でできないことはないんですが、所々その解釈だと苦しいところもある。たとえば30条の「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」は国民だけに適用されて外国人は税を払う必要がないなんて屁理屈ができないこともない。結局、その条文の意味に即すように解釈するってのが通説で、ようするに単語の読み分けは解釈次第でどうとでもなるって事ではないかと。
投稿: (anonymous) | 2005.08.16 16:29
>文言の単語をあまり杓子定規に解釈しても苦しくなったりするんですよね。
そもそも、最初の一行目から、
>日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、
日本国民とわれらは、それぞれ別人として読むと非常に怪しいものになっています。
われらって占領軍?
投稿: むにゅう! | 2005.08.16 19:47
そうですね、憲法論はむしろ実際の使用から条文の意味を解釈して行きますから、憲法だけを熟読して、「こうとも読める」というのはあまり意味がないと思います。
クルトゲーデルがUSAに亡命したときの入国審査でUSA憲法を熟読した結果あの国が憲法と矛盾なく独裁国家になることが可能といってアインシュタインを慌てさせたエピソードが有名です。
もちろんfinalvent氏のマクラなのであまりつっこむべきところではないのですが。
それにしてもJRが民営化して成功したとよく言われますが、地方のダイヤはすばらしいスピードで不便になっていきます。JR東日本です。
ローカル線もどんどん本数が少なくなってもはや風前のともし火です。トリニティ改革と呼応しているといえるかもしれませんね。ああネオやネオ。
投稿: config | 2005.08.16 19:56
>>うんこ さん
そうですね.東京のど真ん中にある我が家でも
自転車ですぐ行ける本局の管内に
数えただけで7つ特定郵便局があります.
半径1キロ,しかも自分が知っているのだけで.
>>ボコタさん
ちょっとずれますが軍事板FAQの以下のQ&Aを思い出しました
http://mltr.e-city.tv/faq05b.html#01957
投稿: ネオ筑摩屋松坊堂 | 2005.08.16 23:34
そもそも郵便事業が料金的にユニバーサルである必要はあるのでしょうか?
もちろん料金格差をつけるためには現行制度にかなりメスを入れる必要があり、選別コストも高くなるかもしれませんが。
ユニバーサルありきの議論には違和感を感じます。
投稿: サルガッソー | 2005.08.17 02:58
私はか措置出身ですが、郵便局のネットワークを一切減らさず、現状維持しなければならないとは思いません。
私がすんでいたところは最寄の郵便局まで車で十分以上かかり、利用することはほとんどありませんでした。
郵便物はポストに入れればすみますし、田舎には金を使う場所がなく、買い物は都市部に車で行ってするので、そこで金が下ろせたら、困りません 。
必要性の低い郵便局を維持するのに税金を使うなら、田舎でも携帯やブロードバンドが使えるようにそういう予算を増やしてもらうほうがありがたいですね。
投稿: 田舎者 | 2005.08.17 15:32
↑と若者がおっしゃるのももっとも、でも、お年寄りにとってありがたいことは他にあると思うよ。
投稿: B☆antiECO | 2005.08.18 04:09
要するに皆が幸せになるプランは存在しないという認識は一致でオーケー?
田舎か都会かという問題というより、ユニバーサルかそうでなくても構わないかの部分は2択。
各郵便職員身分はそのまま公務員か民間企業社員か失業転職かの分岐。
簡郵局長の世襲制は廃止。
いずれにしろ仕事量が同じなら給料は減っても増えない。
各1千万まで現預かり資金は税金で還付保証。
今後暫時預かり上限や保証額を後退させるかしないかの2択。
結果として運用先の財投機関債も税金で保証。
運用方法は急には変わらんがこのままはイカンし穴は埋める必要が特に財投債にはあるという認識は一致でオーケー?
簡保、金融、郵便事業の郵政3事業は少なくとも会計的に分離。
あとどんな分岐や了解がある?
投稿: トリル | 2005.08.18 04:59
郵政は、赤字を認めていないだけで、(それどころか更に追い貸ししている!)実はバブルの時から、他の金融と同様、不良債権化しているそうだよ。
そういうことほとんど書いていないね。
投稿: aa | 2005.10.02 00:46
こういうのも違う・・・http://deztec.jp/design/05/08/10_privatization.html から引用
>長らくこんな感じで借金が増えていますから、日本の財政は、私が生きている間に破綻します。(日本の財政を考える/『日本の借金』時計)
なぜ、こんなことになったのか。
>それは国民が、払った税金以上のサービスを国家に求めてきたからです。具体的には、有権者の希望を素直に聞いてくれる議員を国会に送り込んできたからです。
(官公の出すグラフを見たんだろうが、)
違う。毎年30兆以上も、税金が、巧みなやり方で、官から外に、不正に吸い取られているのだよ。損失補てん、官から大企業へのの発注・・
バブルもそう。土建屋もそう。ワイロもそう。
それが原因だ。
そういうこと書いてないね。
投稿: aa | 2005.10.02 00:52