ホームページを作る人のネタ帳

webサイトの裏側の意識を変える事で売り上げをアップする方法

売り上げが上がる方法
ネットショップ運営者が、あることをちょっとだけ始めてみただけでわずか5ヶ月で売り上げが3倍になりました。
はたして、webサイト運営がどのように変わったのでしょうか。


ネットショップを運営している新規クライアントから、サイトリニューアルの依頼がありました。初めてのご依頼だったので、まずはヒアリングから開始。今回のリニューアルは、サイトであまり物が売れず、□□(私が作ったサイト)のように売れるようにして欲しいとの事でした。

しかし話をよく聞くと、当初サイトを作ったときは、ただ作っただけで、特に運営方法についてはアドバイスが無かったとのこと。私はリニューアル前に1つだけある事をするようにお願いしました。その方法とは、実はサイトをいじる事ではありません。結果、売り上げが5ヶ月で3倍になりました。

実は最近、webサイトを制作する側も、データに依存しすぎて、大事な事を忘れているケースが多かったりするのです。

今回の記事は、ちょっと妙な気合が入りすぎて長いかもしれません。
はてブしておくという方はこちら


なぜ、売り上げが3倍も伸びたのか?


突然ですが、みなさんは『口コミアイテム』という言葉をご存知だろうか。

なんてことはない言葉なのですが、口コミしてもらう為の道具という意味です。
売り上げアップのプランニングを行う上で最初に考えるポイントというのは、口コミされ易い媒体をどのように作り上げるかというのがポイントとなります。

そこで、口コミアイテムを活用、もしくは作成する事になるのです。

世の中の口コミには、大規模になっていくと、必ずといっていいほど何らかのアイテムが絡んでいます。
例えばブログもそうですが、最近ではTwitterもツールの1つでしょう。携帯メールも同様にツールとなります。

こうしたサービスの恩恵を活用しない手はありませんが、実はもっと大事な事があります。
この大切な事というのは、なぜか「webサイト運営」になると、すっぽり抜け落ちている企業が多いのです。

私はこの口コミアイテムを作り上げ、それを商品を購入した人に配布するようにお願いをしたのです。
実はたったそれだけで売り上げが3倍になったのです。

では、その大事な事というのは一体なにかというと
「人」の売り込み、「企業」の売り込みです。

もう、圧倒的に欠落しているネットショップ企業が膨大にあります。
商品以外売るものが無いのですかと問いただしたいくらいです。
そして最終的なゴールラインが「値引き」の売り込みという、何のための商品価値なのかがわからなくなる暴挙に出ます。


これではとてもじゃないですが、価格競争に余裕で勝てる大手企業に勝てるわけが無いのです。

では『人』の売り込み、『企業』の売込みとは一体どのようなものなのか。


サイトを開いたらすぐに手に入る値引きクーポン券の空しさ


これは一体なんのマネだろうか。
いつも不思議に思う事なのですが、こんな事をしなくても簡単に売り上げは上げられるので今すぐやめたほうがいいんじゃないかと思う今日この頃。

さて、あなたの企業が抱えている商品や、サービスというのは、値引きをしなければ利用されないような物なのだろうか。社員さんはともかくとして、社長さんクラスならば全員、「使ってもらえば良さがわかるはず」と考えているに違いない。

だからまずは使ってもらう為の値引き・・・
そう考えるのも悪くはないのですが、常時「webサイトを利用の方は安いです」という謎のフレーズが登場し、webサイトを利用してもらう事を最優先させる企業がありますが、常時クーポンって言うのは商品を完全に値下げしたのと同じ事なので、これも最終的手段までとっておきましょう。

「値下げ価格」をwebサイトで大々的に売り込むのではなく、まず何よりも大切な「人」と「企業」をしっかりと売り込むようにしよう。


まず「人」の売り込みの重要性から


私の友人が、あるwebサイトからお酒を買った。
しかし、お酒を買うサイトなんて膨大にある中、彼は全く無名な会社から買ってしまった。
そう、ビキニ酒店だった。

買った商品と一緒に女の子の動画までついてくる。
そしてビキニのおねーさんが店員という扱いで動画がアップされている。

このおねーさんが店員なら・・・という、「人」に釣られてお酒を買ったのです。
沢山あるwebサイトの中から、このサイトが選ばれたのは、人の力といっても過言ではないのです。

さて、これはある意味極端な例ではあります。

手軽なところでは、社員さんの小さい写真と社員さんが仕事に対する考えやこだわりを書いておくだけで十分な効果が得られる場合があります。

例えば、美容室や、エステなどに行こうとあなたが思ったとき、何を基準にお店を選ぶかというと、実はお店のサービスよりも気になっている部分があります。それが、中で働く人なのです。

もしもあなたが、A店、B店、C店が近所にあったとして以下のような状況だった場合どこを選ぶだろうか。

  • A店は知り合いが働いている
  • B店は友達が良いと言っていた
  • C店はサイトで価格だけみた

こういう場合、間違いなくAかBが選ばれる。
Cが選ばれる確率は限りなく0%なのです。

それがもし、webサイトを介入する事で10%でも引き上げれればかなりの成果だと言えないでしょうか?

とある美容室のwebサイトでは、価格、やってる事を、とても綺麗なwebサイトを作って宣伝していた。
しかし、ご来店するお客様から「webサイトを見ました」という言葉はなかなか聞くことが出来なかった。

そこで私は、webサイトに顔出しor似顔絵をつかって「人」の存在を売り込むことにした。
その人が何を考え、どのような仕事がしたいのか?
この辺りを聞き出し、webサイトに公開。

また、毎日ホントにわずか数行の日記ブログをお勧めした。

すると僅か2ヶ月で効果が現れだした。
「あ、○○ちゃんって父の日にちゃんとプレゼントした子よね?えらいよねぇ」
始めてご来店するお客様からこんな言葉を頂いたそうだ。

つまりこのお客様は、中で働いている「人」がどんな人なのか知っていた事になる。これは間違いなく日記の効果だった。
また、インターネットの「文字」というのは、何故か「その人をテレビで見ているような感覚」を覚えさす魔力が備わっている。

あなた自身にも、そのような体験をした事があるかもしれない。
こうしたwebサイトを見てご来店したお客様としては、『あ、この子が○○ちゃんなのね』という感情がわいてきます。本来、偶発的にお店にこられたお客様とは、全く別次元の満足感が得られるのです。

Twitterでものすごく有名なブロガーとお話できたときの感動と似ているものが有るかもしれませんね。

これは何も、来店型のサイトだけのテクニックではありません。
ネットショップにおいても同じ事が言えます。

膨大にあるネットショップの中から選ばれるには、ただ商品を販売しているだけではダメなのです。
根本的にSEOやなんやかんやするより先に、ユーザーに「偶発的に検索エンジンから訪問」されるのではなく、「ユーザーに選ばれる」サイト設計をする事が大事なんですよね。

じゃなきゃ結局訪問してきても、あなたのサイトは購入するサイトとして選ばれず、売れないのです。


選ばれる企業になる為に『企業イメージ』を売り込む


例えば夜のお店、スナックのサイトの相談を受けた時の話ですが、このスナック業界のwebサイトって言うのはビックリするくらい適当なのが多いです。
なんと商品や価格しか乗せてないサイトが膨大に存在するのです。

単純な話で考えると、女の子を出せばいいじゃない、とか、女の子にブログを書かせればいいじゃない、というご意見も多いのですが、結構こういう業界の子達は、働いてる事を伏せたい、もしくは、伏せなければならない事情があったりするのです。

じゃぁ「人」は売れないじゃないかという事になるのですが、企業、もしくは経営者をアピールする事は出来ます。

つまり、創業した苦労、今までの経緯、企業が考える理念、そうしたものをwebサイトに乗せるのです。

スナックの場合・・・

創業2年のまだまだ小さなお店です。ですが、皆さんの支えによってここまでこれたのも事実です。
夢はもっと大きなお店を持って、もっと多くの店舗を展開したいです!そして、より多くの人にくつろいで貰える空間を目指します。

誰でも癒せるお店を目指しては居ますが、まずはお仕事の疲れを取れるお店No1になれるよう、スタッフ一同頑張っています。
お仕事の疲れが少したまったかな?というあなた。
なんだかストレスがたまってるというあなた。
日ごろのうっぷんをお聞かせくださいませ。
団体さんのご予約もOKです。お気軽にご来店ください。

Mama

さて、こんな感じです。
価格だけのお店と比較すると何か違いが感じられないでしょうか。

良く使われる手法が3つほど紛れ込んでいるのですが、この辺りも今回の記事でマスターして帰ってください。

1)大いに夢を語る
どういう理由で、こうなりたい!
こうした熱い思いは書いておくべき1つ。なぜなら、それに共感してくれる人が、何も書かない場合0%ですが、書いておくだけで数%増えるからです。
共感を得る事で、見知らぬお店に対して、何故か最初からちょっと知り合いのような感覚を持つ事ができるのです。


2)デパートではない
非デパート思考と呼んでいる。
つまり「なんでもあります状態ではありません」という意味。
なんでもあるわけではない。ただしコレについては業界1になりたい。
こういうコンセプトが無いのであれば今すぐ作るべき思考の一つ。

誰でも癒せるお店を目指しては居ますが、まずはお仕事の疲れを取れるお店No1になれるよう、スタッフ一同頑張っています。

・誰でも癒すお店
・お仕事の疲れを取れるお店

さて、あなたはどっちに興味を抱くだろうか?という問題。
当然後者の方が、対象は狭まりますが、吸引力は上なのです。


3)あなたを私は求めてます
仕事の疲れを抱えている人。ストレスを抱えている人。日ごろのうっぷんを誰かに聞いて貰いたい人。そう。このメッセージではこのたった「3人」に対して呼びかけているのです。
上の非デパート思考と同じ考えですが、ピンポイントでこうした事を考えている人を直撃する事は、非常に効果的です。

あ、俺の事だ・・・と思ってもらえれば、あなたのお店に対するイメージを頭に焼き付ける事ができるのです。


この3つ。
わずか数行のメッセージですが、こうした自社アピールは非常に大事な事です。
これができるかできないかだけで、他社との差異が生まれていくのです。

逆に言えば、他者もこうした事をすれば、まったく同じ商品を扱っている業界として、最後に物を言うのはこういった「人」と「企業のこだわり」という事になるのです。

ここまでを理解したうえで、何をクライアントに配布したのかをお話します。


直筆のクレーム受付手紙


そう、販売したクライアントに対して、5日後に手紙を書いたのです。
数ヶ月してからは大変な作業になりましたが、実際当初の売り上げはあまりにもひどい状況でしたので、最初のうちは大変な労務ではなかったのです。

その手紙の内容とは

「ありがとうございます」
「人の説明」
「企業の思い」
「商品について、悪いところはなかったか?」

この4点。

実は商品について、ネットで購入した方というのは
「買う前ネットで見たもの」と
「買った後実物を見たもの」では
『なにか違う』

という不満を抱くケースが少なくないのです。

口にはださないが、購入したお店に対して不満を抱く人が多いのです。

私はこれを解消するべくウェブサイトリニューアルではなく、ものすごくアナログな手法を導入しました。同時にリピーターを増やしたのです。

このたびは(企業名)の商品をご購入いただき、まことにありがとうございました。
さて、(企業名)は約40年の歴史あるお店でして、父の代から受け継ぎ、今、新しい事を模索して、こうしてインターネット販売と言うものにも着手いたしました。まだまだ私どもも模索している最中ですが、皆様には大変ご好評いただきまして、本当にうれしく思っております。

ゆくゆくは、(中略)

さて、ひとつご質問がございます。
このたび購入していただきました商品はイメージどおりの物でしたでしょうか?

と言うのも、私たち(企業)は、もともとインターネット販売を得意とする企業ではなく、対面にて人と会って物を売る事を信条にやってきました。そのため、インターネット上での写真だけで、どうしてもイメージを把握しきれていないのではという心配があり、もし万が一イメージと違う場合はご連絡を頂ければと思っております。
よろしければその他の商品と交換する事も可能です。

YahooやGoogleにて、(企業名、もしくは取得しているキーワード)で検索していただきますと、私どもサイトが見つかります。その右上にあります、お問い合わせからでも、手軽にメールを頂く事も可能です。
フリーダイヤル○○でもお気軽にご連絡くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

店主

いかがでしょうか。

実際はこの手紙を見たからと言って、商品を返品されるという事はほとんど有りませんでした。
また、さりげなく検索キーワードが書かれているところがポイントです。

なぜなら、この手紙さえあれば、次にまたウェブサイトに訪問する事が簡単になるからです。

これまで、私が書いた記事をご覧になった方ならうすうす感ずいてるかと思いますが、たまたま何かの商品を購入しようと考えた場合、企業名で検索されるのは大手のみであり、実際は商品名で検索され、偶然、奇跡的にあなたのサイトにたどり着いた可能性が高いのです。

つまり、あなたのサイトから購入したにもかかわらず、あなたの企業名を覚えている人は少なかったりします。

しかしこの手紙が有る事で、企業名で検索ができます。また、口コミのアイテムになります。

通信販売の基本として、相手のメールアドレスにメールは最低限送られるかと思います。
しかし、手紙の場合は家族の人が目に止める可能性が高くなります。

また、インパクトのある心に残る手紙であれば、口コミ率がぐっと高くなります。
知り合いの誰かに電話してる時、たまたま教えたいと思ったら、パソコンを起動しなくても、手紙さえあれば手軽に教える事ができます。手紙とは、こうした「あなたの企業の情報」の、フットワークの軽さを提供するアイテムになります。

この手紙大作戦が成功し、わずか5ヶ月で売り上げが3倍まで伸びる事になったのです。

このほか、2回購入したいただいた方に、購入された感想などを頂けないかとメールを出してもらいました。
少しずつですがユーザーの反応が集まっていきます。

こうした体験談を、購入から2ヶ月~3ヶ月のお客様に発送します。
また、ウェブサイトの情報もこのユーザーの声を盛り込み、より新規購入率を高めていきました。

そして手紙には、決して商品のPRなどは行わない事が大切です。

お分かりのとおり、サイトを変更する事がすべてでは有りません。
これまでの営業本などに載っている、ごく普通の事をウェブサイトではやっていない企業が多いと言うだけの話です。


ツールを把握する事。生かす事


生活全体を視野に入れると、「ウェブサイト」なんて言うのもツールのひとつです。
これが全てでは有りません。アクセス解析による顧客の動向を探る方法、リピーターを劇的に増やす方法ビジネスブログで失敗する7つの理由から学ぶ方法口コミされる秘訣初心者が簡単にプロっぽく記事の内容を仕上げるテクニック、デザインをきっちりする理由、SEOの大切さ、様々ありますが、それ以前に、顧客も人であり、企業も人であると言う事を忘れないようにしたいものです。

あれこれ考える以前に、現状、お客様に満足してもらえる方法はないだろうか?という考えが、ユーザビリティの基本でも有るのです。

それでは、また。

トップ画像のソース
Business Graph on Flickr - Photo Sharing!


@yamada_nt
Posted by@yamada_nt
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Comments 6

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なるほど  

参考になりました

とあるショッピングサイトで同様の問題を抱えていました。
売り上げがほとんど上がらない、、、

SEOよりも人。

参考にさせていただきたいと思います。

2010/03/24 (Wed) 01:35

sgr496  

激しく同意いたします。

札幌からいつもひっそりと読ませていただいております。こっそりとtwitterもフォローしています。
さて、本題。エントリー、激しく同意いたします。現在私は企業内Web担なのですが、商品がEC向きではない価格(高い)ということもあり、オンライン決済での取引はほぼありません。そのため最終的に購入していただくには「来店」というステップが欠かせず、Webサイトの最終ゴールは「来店誘導」になります。また、札幌近郊には私達の店舗以外にも複数の同メーカー系店舗があり、私達のライバルは他メーカーと同時にそれらも上げられます。そういった点から考えると私達の商品は他店でも同じものが買える「商品」よりもむしろ「スタッフ」及び「お店」が大切な商材で、これらが「売れて」初めて「商品を買ってもらえる」というゴールにたどり着く事ができます。で、肝心の「スタッフとお店の売り方」という部分についてはまだまだ試行錯誤が続いている状態ではありますが、まずはその「お店と、それを構成している彼ら自身が売り物である」という意識をスタッフと共有するところから始めるのがスタートなのかな、と思います。ウェブ特有の商法というものもありますが、結局のところは「人対人」であり、その現実感をどれだけオンライン上で再現できるか、というのもこれからのウェブサイト、特にEC系に求められる一つなのでしょうね。実際、営業のスタッフはそれぞれのスタンスやコツ、お客様を惹きつける人としての魅力など、多くの武器を持っています。そういう「蓄積されたリアル人付き合いの構築術」のようなものを上手くWebにフィードバックしていくのも私の課題に与えられた一つだと思いますし、パソコンの前に座っているだけでは決して身につかない最高のケーススタディーだと思います。UIだ、IAだ、ユーザビリティーだ…、というのはあくまで解決策の一つであって、「何を解決するのか」という部分を見つけだすのが先決です。
長くなってしまいましたが、最近ぼんやりと考えていたことが見事にエントリーにまとまっていたので、思わずコメントしてしまいました。これからも頑張ってください。

チャペの飼い主さん  

No title

目から鱗な良記事ですね!
知り合いにもぜひ読ませたいと思います。

2010/03/26 (Fri) 08:18

kots  

「人」と「企業」

お世話様です。
初めてコメントさせて頂きます。

様々なツール先行と思われる昨今の中、「人」と「企業」をいう内容に改めて考えさせられることもありました。

有り難う御座いました。

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