「面白いネ」
「百年後まで 御機嫌よう」
「私は完璧を嫌悪する」
ポエム
産まれ堕ちれば、
死んだも同然(35巻)
何遍見ても
命空骸(千年血戦篇 アニメ 22話)
ただ 自分だけが
自分の神であれ(千年血戦篇 アニメ 33話)
概要
基本は面妖な黒い化粧と仮面をした異相で、幾度か衣装が変わるものの、顔立ちそのものはそこまで人間離れしていないので、仮面の下には(耳を除けば)普通の顔がある。また、自身の身体を改造し様々な武器や仕掛けを隠している。就寝前には化粧を落とす。
普段は隊長として理知的に振舞っているが、その本性は残忍な性格をしたマッドサイエンティストで、倫理観の歯止めが利かない研究・実験を好む強い好奇心の持ち主。趣味は実験で特技は人体実験である。しかし、マユリ自身は「慈愛に脊髄が生えて動き回っている存在」「皮膚の代わりに肉の表面に礼節のはり付いている存在」と、臆面もなく称している。ただし「全ては護廷十三隊のために」とも語っており、己の行為を正当化する為の方便も多少は入っているのかもしれないが、間違いなく組織への忠誠心も、正義も信念もしっかり持っている。特に総隊長への忠誠心が非常に強い(メタな話、そうでないと味方キャラとは呼べない)。
休日は『瀞霊廷通信』を隅々まで読んでおり、彼自身も連載を持っている。実験レポート連載「脳にキく薬」は意外と人気が高くて「材料が無いので薬は作れませんが毎回楽しく読んでます」とのファンレターがよく届くらしい。小説版によると、吉良イヅルに試みた実験の詳細も大戦後に公開している。絶命してももう安心!
護廷十三隊の参謀的な役割を担っており、度々有能な進言を行っているが、日頃の奇矯な言動により敬遠されているせいか、他の隊長達は悉く彼の進言をスルーして窮地に陥っている。
「信じられん馬鹿者共だヨ!!」
総じて初登場時は外道な印象が強かったが、破面篇以降は決して善良ではないながら、隊長として適切な行動を採り難関を突破している為、なんだかんだ頼もしいお方である。
主な人間関係
基本的に他人を見下し、必要以上の馴れ合いを好まない性格の為、自分の部下……よりも技術開発局の人間以外とは余り仲は良くない。その一方で、その技術力と頭脳には一定の信頼が寄せられており、京楽春水や浦原喜助からは頼もしい戦力として認められている。千年血戦篇の後では眠八號と一緒に居る姿が確認できる。
マユリが義骸技術・義魂技術の粋を集めて作った娘であり、彼女を副隊長として側に置いている。ネムに対しては過剰なまでの暴力を振るっており、一般的な親子の情は全く感じられない。しかし、それは暴力を咎める石田に対して放った「私の最高傑作がこの程度で壊れる!?バカにするのも大概にしたまえヨ!!!」という発言通りネムに対する歪な愛情表現であるとされている。ネムの方もマユリが無許可で行った、流魂街の民衆二万八千人を抹消した件について「マユリ様が間違った事などなさる筈がありません」とマユリに絶対の信頼を置いている。
現世に生き残っていた滅却師を全滅させた挙句、彼の祖父を殺してその魂魄を人体実験の材料として使い潰した彼の仇敵であり、彼にだけは真っ正面からの戦いで唯一敗北を喫している。
一方で、破面篇で窮地に陥った彼を助けたり、対破面用地雷を提供したりと、一口に仇敵とは断じ切れ無い腐れ縁の様な関係。
尚、アニメ版では雨竜との絡みは多くなった為、原作以上に複雑な関係になった。
互いに犬猿の仲かつ対極の気質であるが、本質的には似た者同士であり、何かと同じような任務に就く場面が多い。
その一方で彼の性格に一定の理解を示し、その実力にも一目置いており、共闘の際には彼の補佐に回るのも厭わない。
また、剣八との仲は険悪でも、彼の部下との仲は良好ではないものの悪くもなく、十一番隊との付き合いは多い。
本編から110年前、危険分子として投獄されていた彼を外に出し、技術開発局の副長の座に付けた当人。
第三者的に見れば『恩人』にして『恩師』であるが、マユリ本人は喜助を一方的にライバル視しており、剣八とは違った形で毛嫌いしている。もっとも、その頭脳自体は「自分よりも優れている」と認めているようで、マユリも「浦原喜助が悔しがる姿は想像できない」と述懐しており、「浦原喜助を超える事」を人生の目標としている節もある。
間違ってもマユリを「浦原の弟子」扱いしてはならず、さもなくば即ブチ切れてバラバラにされる。
喜助との関係は破面篇で軽く触れられてはいたが、千年血戦篇で喜助と直接の絡みが見られるようになった。
自分の発明品に密かに何かしら仕掛けられている扱いが多い(その度に不愉快そうな顔をしたりする)。
喜助と近い考え・立ち位置からか、発明品も喜助と被っているものも多い。喜助が自分より格上なのは内心認めており、「自分のほうが優れている」などと言うことはない。
ただし、終盤には特定の分野では喜助を凌駕する場面も描かれており、研究者としては相互互換、二人が協力して問題が解決される事が増えた。滅却師との戦いでは喜助に影が出来ない研究室を提供しており、最終盤の霊王宮への突入は霊圧が足りないという喜助すら想定外の事態に万事休すとなるなか、マユリが霊圧の増幅器を用意していた為に実現している。
関係の詳細は不明ながら、互いに顔見知りかつ嫌味を吐き捨て合ったりしている様子から、それなりの関係と推測される。
また、千手丸も時折り酷い言動(阿散井恋次が自分の指示に拒否し掛けた際の発言等)を採る場面もあり、本質的には同類と思われる。
破面における同類。但し、マユリは「『完璧』を嫌悪」し、ザエルアポロは「『完璧』を求める」と、学者としての方向性は完全に真逆な上、身内に対する考えも異なる。
マユリがザエルアポロのトドメを刺した時点で、両者の関係は終わったように見えたが、後述の事態でネムを喪った直後に彼に「なにをショック受けてるんだ?改善点が見つかったんだから喜べよ。それともまさかアイツが本当に最高傑作だと思ってたのか?だから死なないと?僕に散々説教垂れといて?笑わせんな(意訳)」と詰られる幻覚を見ており、敵ではあるものの『琴線に触れた存在』であるらしい描写が見られる。
余談だが、単行本35巻冒頭におけるマユリの「完璧」に対する考えは一読の価値あり。
戦闘スタイル
身体能力は他の隊長と比べてやや劣る分、高い鬼道・霊圧と知力を持つ。
戦う相手は「敵」よりも「実験材料」として認識しており、一度戦った相手には、監視用の菌を感染させ、敵と戦う前には相手の分析と解析を済ましておく等、戦闘においては用心深く用意周到そのもの。完全に対策を講じてから戦闘に臨む為、突発的な戦闘でなければ基本的に無双する。
その上で"自分で体験する"のも余裕があれば行うため、ザエルアポロ戦では迫真の演技で追い詰められたフリをしつつ、人形とのリンクによる遠隔内臓破壊や衝撃の伝播をわざと受け、全力でおちょくっており、直に体験した上で「もう目新しいものがない」と判断するや、ネムに『受胎告知』を仕掛けたために超人薬の原液を投与されて積んだザエルアポロに対し、勝利宣言とともに心臓を貫いてトドメを刺した。
受胎告知など神をモチーフとした技を展開したザエルアポロとの戦いには、悪魔を象徴するバフォメットをモチーフにした姿で臨み、最終章ではゾンビを操るジジに太陽コスで立ちはだかり勝利、ゾンビ化の解析もしてしまう。
霊王の左腕であるペルニダ・パルンカジャスにもネムとの連携・及び彼女の犠牲で勝利する。
以上の様に半分なんでもアリな天才キャラとして、数々の謎を解き明かし何度も強敵を撃破する、何故石田が勝てたのか分からない位本当に強い。彼の戦歴自体は石田戦を除けば全て白星である。
しかし、彼の勝因は事前のデータ収集・解析・対策が大半であり、(極論だが)「『データ収集』における多数の尊い犠牲があって成立する」為、マユリの弱点の1つに初見殺しが挙げられる。
それと同時に、万全対策を採ったが故の慢心も挙げられ、実際にそれが破られた時は押される事態もあった。
上記の事実から、改めて石田との戦いの敗因を考察すると『調べ尽くした滅却師のデータになかった技術を石田が実行した』=『初見殺し』と『慢心』が同時に発生したからであり、ある意味この結果は必然だったのだろう。
しかし、その石田戦も注意深く見ると双方が再起不能になっており、正確には相討ちであるため互いに黒星でもあるし、両者の代償の大きさを考えると石田が重く、石田戦も実質マユリの白星なのかもしれない(あくまで試合に負けただけであり、勝負そのものには勝っている複雑な状況に近いため)。
それでも、あのマユリの片腕を吹き飛ばした挙げ句「分が悪い」と判断・逃亡を選択させた事実もある以上、彼を再起不能にまで追い込んだ石田が凄いのは間違いないが。
戦闘以外では人体実験の応用として医療行為も高水準。
当人曰く「改造(なお)す」との事で、ペルニダとの戦いで彼の能力で左腕を侵食されると神経、血管、筋肉の位置を変える緊急手術を片手かつ瞬時に済ませた。
発明品
とりわけ彼の象徴すべきもので、劇中での戦闘やそれ以外の場面でもマユリの発明品や開発した薬品などが登場している。
- 肉爆弾
部下である十二番の一般隊士に爆薬を仕込んだもの。スイッチで起爆させる。
- 蛇腹腕
自分の左腕に伸縮自在のワイヤーを内蔵している。
遠くにいる対象を捕縛、ワイヤーアクションによる回避や立体移動と多彩。
石田雨竜戦、ペルニダ戦で使用。
- 補肉剤
肉体の欠損部位を再生させる注射薬。
作中では腕を即座に全快させた。
- 監視用の菌
石田雨竜に密かに付着させていた相手を監視する菌。
これによって石田が交戦していたザエルアポロの能力を把握する事ができ、下記の対策を仕込んでいた。
- 偽物の身体パーツ
内臓や骨などの模倣品。
ザエルアポロの「人形芝居」の対策。これを体内のあらゆる部位に入れ込むことで身代わりとなってくれた。
虚圏に侵入する一時間前に製作から体内に入れる過程を済ませている。
- 超人薬
「達人同士との戦いで”1秒が何十秒に感じてしまう時間延長現象”」を擬似的に引き起こす薬。
希釈濃度25万倍が適正使用濃度だが、原液を摂取すると1秒が100年以上の感覚に陥ってしまう。
摂取してしまったザエルアポロはマユリの言動や自身の動きが滅茶苦茶遅くなって聞き取ることも動くことも出来ずにいた。
- 過去に立ち返る薬
開発していた新薬で効果は特定の箇所を通過すると過去の一場面に戻されると早い話は条件下を満たすと延々とループを引き起こす。
副作用として脳の海馬にしか作用せず、短期間の過去に戻ったのか数えることができなく、10回戻されると身体が不調を起こして立つことはおろか手足を動かせない重篤な症状を起こす。
作中では「マユリを殺す」ことが過去に戻される条件で、様々な手段でマユリを殺してもループは発動していた。
- ゾンビ兵
ザエルアポロに遺されていた破面の亡骸を改造したもの。
私兵として千年血戦編でゾンビ化した隊士や隊長らと戦わせた。
彼らの血液には前述した「過去に立ち返る薬」が含まれていたので返り血を浴びた隊長を無力化にさせた。
- 支配権を奪う薬
文字通りに投与されると支配や洗脳系能力者によって操られていた者をマユリのものに上書きさせる薬。
しかも仮に別の支配系能力者による技を食らっても上書きされない凶悪な効果。
ジゼルやぺぺの聖文字による効力をも跳ね除けた。
- 霊圧増幅器
霊王宮へ繋げる門を作成するのに必要な霊圧を増幅させる装置。
不測の事態を知っていたかのように製作していた。
- 奇怪傘
CV | 越後屋コースケ |
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ペルニダの攻撃を防ぐために使用した傘。
クリーチャーじみた不気味なデザインで、しかも自我があるのか攻撃食らった時は悲鳴をあげていた。
- 人面ヒモ
CV | はらさわ晃綺 |
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紐のような形状の爆弾だが、先端に白目をむいた男の顔がつけられている。
しかも「嫌だアアアアアア」と断末魔を上げるなどこちらも自我がある。
指パチンコの構えで射出し、対象に巻きつく。
- 麻酔剤
相手の神経作用を麻痺させるガス。
なお濃度のせいかマユリ自身も影響していた。
- 神経凝固剤
神経を経由して血流を凝固させる事で対象の細胞活動を停止させる。侵食速度が早い。
- ホログラム装置
最終回から2年後を舞台とした獄頣鳴鳴篇にて登場。
飛行虫型の映写機による立体映像だが、なんとマユリ側は何らかの干渉が出来るようでホログラムなのに目から放った光線で床に焦げ跡を残した。
映像機ではなく、映像として浮かび上がったマユリの目と原理は不明。
斬魄刀
解号は【掻き毟れ~】。基本的には毒を使っての戦いを行う。
詳細はリンク先を参照。
詳細はリンク先を参照。
マユリ様の変遷
根がお洒落な気質なのか、頻繁にその姿を変えている。
この姿は心境の変化も表しているのか、形態によって微妙に性格が違うのも彼の特徴。
- 素顔
割とイケメン。
作中では尸魂界篇の最終盤、藍染惣右介が裏切った後にのみ登場。
- 第一形態
破面篇の過去篇で登場した時の姿。
この頃から特徴的な黒い化粧はしていたが、実質囚人だった為か奇抜な衣装はしておらず、髪型も比較的地味な七三分け。
尚、他の囚人が簡潔に「出る杭は打たれる」程度の感覚で収容される為、比較的自由に行動できていたのに対し、既に危険人物と認定されていた為か、1人だけ狭い部屋に隔離されていた。
- 第二形態
初登場時。
尸魂界篇で登場した時の姿。頓狂な頭部が特徴。
登場初期である為、滅却師を実験体にした上に命を落とすまで実験する(後に千年血戦篇でフォローされた)、部下を当人の知らぬ間に人間爆弾に改造し、けしかけた末に使い捨てる等えげつない行動も多く、この形態のマユリは冷酷非道な印象が強い。
尚、バウント篇などのアニオリでは一応味方キャラの為か、破面篇以降に性格が近くなり残虐な描写も以前よりは減っている。死神図鑑ゴールデンではある事情から、現世に派遣されて留守であるネムの代わりに女じゃないのに女性死神協会の集会に参加しようとして、伊勢七緒にキレられて絶句する等のコミカルな一面も描かれている。
原作では石田戦で実質退場した形態である。
- 第三形態
破面篇で登場した時の姿。バフォメット。いつにも増して長い顎も特徴。
この姿になってから現在のような不気味ながらも憎めない性格になった為、人気が高い。
ピクシブでは大体この形態が多い。
余談だが、作者の久保帯人氏は一時期、Twitterの公式アカウントのアイコンとしてこの形態のマユリを採用していた。
- 第四形態
千年血戦篇初期の姿。エジプト風の進化系。
対策を講じるのに忙しかったからか、他の形態に比べあまり登場しなかった。
余り目立たないが、この形態の時には死神を含む尸魂界の住人を大量に虐殺しており、ある種第二形態以上に残酷な側面を見せている。その反面、この虐殺は世界の均衡を守る為の非常手段であり、それ以外にも、かつて山本総隊長に「見えざる帝国」の侵攻を予期した進言を行なっていた等、護廷十三隊の参謀としての側面が強く押し出されている。
なお、後頭部の飾りは背中まで伸びているが、隊長羽織の「十二」を覆ってしまっているため、それと同じ位置にわざわざ「十二」とペイントしてある。
- 第五形態
影を使う滅却師に対抗する為に考案された、影を作らない驚異のスタイル。
彼はどこへ向かっているのだろうか。
アニメ化の際にはアニメの利点をフル活用した結果、単に光るだけでなくその色もゲーミングPCのように七色に自在に変化する謎に凝った仕様である描写が追加されている。
爆発反応装甲で出来ており、ペルニダ戦にて作動。下記の第六形態へ移行した。
- 第六形態
千年血戦終盤の姿。第五形態の衣装を脱いで披露。
髪型が特殊な編み込みで整えられている。
- 第七形態
エピローグの姿。髭の様な模様が顔にある。
眠七號と違い元気で活発な眠八號には手を焼いている様子。
- 最終形態
読み切り「獄頤鳴鳴篇」で披露した姿。頭にバイクのハンドルのような飾りが付いている。
※ちなみに形態について、第一から最終形態の計8形態とあるが、実は1.5形態とも呼べる形態も存在する。回想で「眠計画」を初めて口にした際、第二形態の面影が感じられるものの、微妙に異なる形態を披露している。
細かい髪型やわずかな登場でさえ新たな姿を与えられる辺り、作者の愛が半端なく感じられる。
来歴
過去
110年前は瀞霊廷によって危険因子と見做された者たちを収容する施設・蛆虫の巣に収監されていた。他の収監者たちは室内で行動は出来ていたにも拘わらず、唯一檻に閉じ込められ日々を過ごしていた。
科学者としての能力を欲しがった浦原喜助により釈放。十二番隊第三席兼技術開発局副局長の地位に就く。その後は藍染惣右介の謀略によって浦原が追放された後は同隊長兼局長へと就任。
時期は不明だが霊王に関する書籍を読み漁っていたようで霊王の右腕と左腕の存在と能力を知る。
尸魂界篇
初登場は隊舎集会。
その後は一護に敗北した一角から情報を聞き出すために彼が救護されていた所に訪れる。
反抗的な態度で情報を引き出せない彼に制裁しようとした所を剣八に止められる。
その後は石田、織姫を密かに尾行。
「肉爆弾」に改造した十二番隊隊士をけしかけ、彼女の「三天結盾」の能力を見て興味を示し実験材料として拿捕するが石田に阻止されてそのまま交戦。
疋殺地蔵の毒で無力化させるも、祖父にして師匠の石田宗弦を実験材料欲しさに手に掛けた仇敵であると知り、そんな宗弦を原型が分からなくなるまで実験に使い倒した写真を見せられた石田は激怒。「乱装天傀」で疋殺地蔵の能力から脱し「滅却師最終形態」を解禁。
今までに見た事の無い滅却師の戦術に狼狽した隙をつかれ、左腕を吹き飛ばされる。それでも卍解を発動して応戦するが、肉体を卍解ごと撃ち抜かれ敗北。
身体に風穴を開けられてしまう致命傷を負うも「肉飛沫」で逃走した。
しばらくは肉体の回復に専念し、復活直後に藍染惣右介らの裏切りが発覚して混乱する護廷十三隊の面々の中、マユリは「興味が無いネ」と吐き捨てた。
破面篇
浦原が作り出した黒腔を通って白哉らと共に虚圏へ赴く。
ザエルアポロに苦戦していた石田と恋次の助太刀に駆けつけ、そのまま交戦。
ザエルアポロの能力の一つ「人形芝居」によって屈したと思われたが以前の戦いで石田に仕込んでいた監視用の菌でザエルアポロの能力を把握しており、事前にダミーの肉体や内臓のパーツを身に付けていたため回避。
卍解で彼を捕食し勝利したかに思われたが、ネムの肉体を介して復活したザエルアポロの奥の手で破られてしまう。しかしネムの身体に仕込んでおいた「超人薬」をザエルアポロが取り込みその効果で著しく鈍っていた所を急所を突き刺して勝利。
その後はあられもない姿へと成り果てたネムを蘇生。瓦礫に埋もれていたザエルアポロが遺した研究資材の保管庫を発見する。
藍染が空座町侵攻する際に彼によって黒腔を閉じられるが、ザエルアポロの遺したデータから黒腔を解析し、一護を現世に送り返す。
その後は描写されてないが保管庫に遺された資材を回収していた。
千年血戦篇
第一次侵攻前
冒頭で現世の多数で虚消失によるバランスの崩壊という異常事態を受け犯人に薄々勘づく。
「見えざる帝国」第一次侵攻の前哨戦では、瀞霊廷を襲撃して雀部副隊長を殺害した連中の正体が滅却師であることを突き止める。
一方で、世界の魂魄バランスの矯正のため、流魂街の住人二万六千人の強制消滅という理にはかなっているが非道な行動を独断・無許可で実行していた。
これには元柳斎からも「許可をとるべきではないのか」と非難されるも、「許可が下りるよりも早く世界の崩壊が起きかねない程逼迫していた」と反論。「技術開発局の報告と対処が迅速なら今回の事件も未然に防げたはず」と言われた際には「この事態を見越した忠告は既にしてあり、それを杞憂としたのは貴方だ」とし、千年前の戦いも踏まえながら総隊長の責任に言及している。
第一次侵攻
回収した雀部の斬魄刀を解析をしていた最中、ユーハバッハが星十字騎士団を率いて尸魂界に侵攻。
そして白哉ら四名の隊長が卍解を奪われる事態に「何故こちらの解析が済むまで待てなかった!!信じられん馬鹿共だヨ!!」と急襲とはいえ、すぐに卍解を発動させ奪われた愚鈍な十三隊の面々に憤り、自身も戦線へと赴く。
原作では白哉らの安直な卍解発動という失態であったが、京楽も「涅隊長でも圧倒的に情報が不足しており、十二番隊の解析なんぞ待ってる余裕などない。卍解なしで勝てる相手ではなかったから、誰かが犠牲になるのは仕方のないこと」だと語り、アニメ版ではマユリが解析を終えておらず、始解では滅却師に太刀打ちできない描写が追加されていた。
第一次侵攻後、零番隊が一護らを霊王宮へ連れ行った後は、滅却師の影を用いた移動手段を分析及びその対策として研究室の改装、死亡したとある人物の強化改造を行っていた。
第二次侵攻(訣別譚)
影が出来ないよう研究室の改装と共に激しく光輝く太陽コスを身に纏い、見えざる帝国に上書きされた瀞霊廷の中で計算通り見事自分の研究室を守り通す。
虚圏から浦原が合流した後は、滅却師側の情報網をハッキングして他の隊長や隊士に卍解を取り戻す侵影薬の配布、連絡や合流の指示などサポートに徹する。
ジゼル・ジュエル並びに彼が操るゾンビ軍団に苦戦を強いられていた一角達に加勢し、彼らと交戦する。
・ゾンビ化したバンビエッタや一般隊士にザエルアポロの保管庫にあった破面を自身の兵として差し向ける。
・バンビの爆撃にはメタとなる発明品で封殺。
・ジゼルが切り札として用意したゾンビ兵と化した日番谷冬獅郎を『過去に立ち返る薬』で勝利。
・更にゾンビ化した拳西、ローズをも持ち前の分析力でジゼルの能力の仕組みを解明した上で、日番谷に使用した薬で支配権を強奪、自身の兵にさせた拳西でジゼルを倒す。
となんでもアリな戦闘を行い、ジゼル撃破後は拳西とローズを引き連れてペペと交戦して完封勝利を果たす。
その後は独断行動をしていたがアニメでは一旦研究室に戻っていたようで瀞霊廷の遮魂膜に大穴が開いていた理由を解説したり、ユーハバッハが聖別発動した中で聖別の犠牲になった者の姿を見ては「霊力では無く、力の移動かネ」と聖別を解析していた。
霊王宮の門を作る際には霊圧の増幅器を作り、門作りに貢献。
そして京楽らが霊王宮へ進む中で、密かに座標軸をずらすことで別行動を取ろうとしたが(便所に行ってて)遅れていた更木剣八らも乗り込んでしまう。
霊王宮突入後(相剋譚)
ペルニダ・パルンカジャスと遭遇し、能力で殺されそうになっていた剣八を救出しつつペルニダの能力は「自身の神経で相手の身体に侵入して強制的に操る」と解析。
ペルニダの正体も解き明かし、「無機物でも神経を用いていて手の形に変形させて動かす」、「板状に飛ばしてそこから神経が侵食する」、「分離させた指が別個体になって反撃する」といった数々の能力に驚嘆しつつ改造卍解「金色疋殺地蔵・魔胎伏印症体」で斃したかに見えたが、弓矢で卍解を破壊されてしまう。
さらに「前進を司る」性質でペルニダは戦いのデータを基に新たな能力を獲得。自分の想像を超えてくるペルニダに追い詰められる。
ネムに戦闘の介入を赦し、重傷で動けない自身に代わって交戦するが目の前でネムが四散してしまう。
一時傷心しかけてしまうも、大脳以外のネムの肉片を取り込ませて強制細胞分裂加速器官の副作用によってペルニダを自爆させ撃破。
その後、ペルニダの最期の悪足掻きで足を破壊されて動けなくなるも、一角と弓親が駆け付け、用意した肉体保護瓶の場所を指示。
傷ついた剣八を保護瓶に入れ回復させる事と、ゾンビ化を解除した日番谷と乱菊を入れているから彼等と共に進めと語る。
保護瓶から出てきた日番谷は珍しくマユリに礼を言い、剣八も救出した事から一角と弓親もマユリに多大な感謝を示した。
礼を言われる事に気色悪いと吐き捨てながらも進んでいく日番谷らの姿を見届けたのち、ネムの大脳と共に肉体保護瓶に入る。そしてネムの成長とその研究成果に興奮しながら暫しの眠りについた。
最終回
ユーハバッハとの戦いが終わり、瀞霊廷の復興が大方済んだようで四散したネムの次世代となる眠八號を作り上げていた。
尸魂界にユーハバッハの残滓を確認したため現場へと赴くが、その残滓が黒崎一勇に介して完全に消滅した際には呆然としていた。
余談
尸魂界篇における人間爆弾の件は、曲がりなりにも正義の味方とは思えない行動であり擁護が難しかったが、千年血戦篇で初代護廷十三隊の存在が明かされてからは
- 「人間爆弾は元々、初代護廷十三隊の戦法にあって、マユリは自身が尊敬する総隊長からその教えを受け継いでいて、実行したのではないか?」
- 「破面篇以降、使わなくなったのは総隊長が一護との付き合いを通して改心していったため、その総隊長が丸くなった影響でマユリも自然と使うのをやめるようになったのではないか?」
……等々の説が出るようになった。
ただし、公式ノベライズ作品にてマユリがこの案件で、中央四十六室で裁判に掛けられていた実態が判明した。
裁判の結果自体は藍染の裏切りで中央四十六室の全滅により、強制的に中止=事実上の無罪放免に落ち着いたが、この際に生前の中央四十六室はこの咎を口実にマユリに対し「我々の手駒になれ」との取り引きを算段していた本音 もあり、恐らくマユリはこの体験から「今回のような行為をすれば必要以上に時間を無駄にするだけ(=目先の手っ取り早さに気を取られた結果、却って余計な手間を食わされるくらいなら、初めからキッチリやった方がいい )」と考えるようになり、隊士への配慮をせざるを得なくなったとも考えられる。
千手丸との謎
千手丸はマユリとの出会いは「久しい」と語っていたり、マユリも嫌味を吐きながらも対応したりと過去に接点があったようだが、解禁された公式Q&Aによれば、かつて技術開発局設立以前に存在した非公式の研究開発機関に最初から所属していたのがマユリであり、千手丸はそのグループのリーダーだった事が判明した。