貧困と食料問題を打開するために緑の革命というスローガンの下で途上国の大規模な開墾を実施しました。途上国の人たちに職を与えることと食料自給率を高めることで政治的不安定さを軽減しようという趣旨のようです。
大規模な機械化と農業インフラの整備、化学肥料や農産物に対する疫病や害虫に対する化学的アプローチ、計画的な農地運営などで当初は飛躍的に食料生産量が増えました。
今ではこの緑の革命に対しては評価が大きく割れています。食糧生産量が増えたことで貧困と食糧危機が遠のいたという見方がある一方、大規模な自然破壊をもたらしたと同時に、土地の持つ許容量を超える生産を強いたために、土地が疲弊し、過剰な肥料や農薬による大規模な汚染や、地下水をくみ上げ過ぎたために井戸が枯れたり、水中に含まれる塩分が濃縮されたことによる塩害の発生、高すぎる設備や運営維持によりやがて維持をすることができなくなってしまった農地が放棄されたりといった深刻な問題があとになって発生したため、失敗だったとみる見方です。安定的な食糧生産が行えるようになったことで、旱魃などによる災害での大規模な死者増加には歯止めが掛かったとも言われています。しかし緑の革命によって付随した上記の問題は開発を推進していた当時には予見できなかったことなのですが、該当地域では深刻な社会問題になりつつあります。