「一番下品な格言って知ってる？」 「働かざるもの食うべからず、ですね？」 「そうだ。いやらしい、卑屈な言葉だよね・・・・・。 僕の一番嫌いな言葉だ。もともとは、もっと高尚な意味だったんだよ」 「え？どんな？」 「一日作さざれば、一日食らわず」 「それ、同じじゃありませんか？」 「違うね。これも集合論だ。ド・モルガンの法則かな」 この部分ですね。 森博嗣著「臨機応答・変問自在〈2〉」の中で、それについて述べられています。 『働かざるもの食うべからず』は「押し付けられた義務」 →働かない人はご飯食べちゃダメ 『一日作さざれば一日食らわず』は「獲得する自由」 →働かない日はご飯たべなきゃいい この差があるということです。 質問者様がおっしゃっていることで合っていると思います。 「ド・モルガンの法則」は、 NOT (A AND B) = NOT(A) OR NOT(B)、NOT (A OR B) = NOT(A) AND NOT(B) ですから、 『働かざる者、食うべからず』⇔「食うべき者は働く者」 →食べる資格があるのは働く人 『一日作さざれば一日食わず』⇔「一日食わば一日作す」 →食べたければ働けばいい となると思います。 犀川がそこでド・モルガンの法則を持ち出した意図はよく分かりませんが、こうするとより２つの意味の差が明らかになるといいたいのかもしれません。