12月4日、E-PL1のマイナーチェンジモデル「オリンパス・ペンライトE-PL1s」が発売になる。この連載で紹介してきたE-PL1も併売するとのことだが、ひとまず最新機種ではなくなってしまう。そのため、このレポートは今回をもって最終回となる。近況も含めつつ、私にとってのE-PL1を総括したい。
NOKTON 25mm F0.95とVF-2を装着したE-PL1。見た目は大げさだが、気に入っているのでやめられない |
■待望の大口径MFレンズ
11月25日にコシナの大口径MFレンズ「NOKTON 25mm F0.95」が発売された。メーカーの想定を超える人気のようで、多くのWebショップやカメラ店では次回入荷分の予約を受け付けている。予約購入した私はさっそくE-PL1と組み合わせて持ち歩いている。
しっとりとした操作感が心地よい | 右は「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6」。NOKTON 25mm F0.95は電子接点を持たないマニュアルレンズだ |
NOKTON 25mm F0.95で撮影する場合、私は電子ビューファインダーの「VF-2」も併用している。液晶モニターよりもピントを確認しやすく、一眼レフカメラのように構えながらピントリングを操作するのが楽しい。EVF内でさらにライブビューの拡大表示を使うこともある。
E-PL1のボディ内手ブレ補正は焦点距離を選択することで純正外のレンズにも対応するため、24mmを選択して使用している(24mmの次が28mmのため)。25mmジャストではないが、今のところ特に問題はない。
■動画やアートフィルターの楽しみ
デジタル一眼レフカメラでも標準装備となりつつある動画記録機能。E-PL1は720pのHD動画記録に対応しており、動画撮影にも向くという「MSC」(Movie & Still Compatible)対応レンズとの組み合わせでは、レンズの駆動音を気にすることなく撮影できる。コンティニュアスAFが使えるため、コンパクトデジカメの動画機能に近い手軽さも感じる。
旅先ではポイントごとに周囲をぐるりと動画撮影しておくだけでも、あとで見返した時の思い出の臨場感が違ってくるように思う。音声が記録されるのも大きい。
また、アートフィルターの「ジオラマ」も試行錯誤が楽しい機能だ。見下ろす角度や画角など、まだジオラマ感が高まるポイントを掴みきれていないので今後も研究したい。
■「E-PL1s」登場
やはりE-PL1ユーザーとしては無視できないE-PL1s。機能面に加わった変更は、拡張感度が最高ISO6400まで選択可能になった点。E-PL1の拡張感度はISO3200のみだった。画質はとにかく被写体を写し止めたいという時に、選択の余地が広がっているのは頼もしい。
しかし最も大きな見どころは、E-PL1sと組み合わせる新しいキットレンズだろう。ダブルズームキットの望遠ズームレンズがマイクロフォーサーズ用の「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6」となったのは、フォーサーズ用の「ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6」とフォーサーズアダプター「MMF-2」を手にしたE-PL1ダブルズームキットの購入者(つまり私)からは羨ましい限り。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6(シルバー、左)と、MMF-2を装着したZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6(右) | M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6(左)のほうが若干細身だ。フィルター径はどちらも58mmで同じ |
フォーサーズのZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6も手頃な望遠ズームとして評判の良いレンズだが、やはりマイクロフォーサーズ用レンズが付属したほうが気分が良い。コンティニュアスAFや動画撮影にも向くという「MSC」(Movie & Still Compatible)機構を搭載しているのもポイントだろう。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6を(シルバー)を装着 | ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6とMMF-2を装着 |
また、標準ズームレンズは21gの軽量化を図った「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II」を同梱している。沈胴が1段となり小さな力でレンズを伸ばせるようになったのは好ましい変更点に感じる。こちらもMSC対応で、フォーカシングは静かだ。
E-PL1のダブルズームキットは発表時の店頭予想価格が10万円前後だったが、E-PL1sのダブルズームキットは8万円前後を想定。いよいよオリンパス・ペンシリーズもエントリーモデルのデジタル一眼レフカメラと価格で張り合えるようになってきた印象だ。キットレンズの変更も考えると、これから買うならE-PL1sのほうがお買い得かもしれない。
■更なる進化型に期待
E-PL1以外にもデジタル一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラをいくつか所有している私だが、4月末にE-PL1を購入してからというもの、プライベートではE-PL1を持ち出す機会が最も多かった。
非力な私の気持ちとしては、重いデジタル一眼レフカメラはできれば持ち歩きたくない。そこで、レンズ交換式でありながらシステムとしてコンパクトなマイクロフォーサーズカメラに魅力を感じた。結果、私の使い方では「一眼レフでないと撮れない」、「コンパクトデジカメしか持てない」という状況が少なかったため、E-PL1がメインの座についた。
最新機種ではなくなったE-PL1だが、私にとってはまだまだ遊び足りないカメラである。E-PL1sとの機能的な差は僅かなので、ボディを買い替える代わりにレンズを集めて遊びたい。E-PL1に取って代わる機種が登場するまで連れ歩くつもりだ。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、別ウィンドウで800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
2010/12/2 00:00