産婦人科医逮捕に対する声明

福島県立大野病院医師不当逮捕への抗議声明(神奈川県産科婦人科医会)

http://www.kaog.jp/20060306top.htm

抗議声明

 はじめに、今回亡くなられた患者様とそのご遺族に対し心より哀悼の意を表したいと存じます。

 神奈川県産科婦人科医会は、この逮捕が不当であると判断し、この暴挙に対して強く抗議すると共に、今後、この様な過ちが二度と起きぬよう、司法当局に強く要望するものである。

 このような当局の医療結果に対する誤った介入、医師の不当逮捕により、産婦人科医師は日常の産婦人科医療に対しても常に防御的、消極的となり、産婦人科医療の衰退を招き、結果的に国民から優れた産婦人科医療を受ける機会を奪う結果になることを認識されたい。神奈川県産科婦人科医会は、不法逮捕に対し厳重に抗議すると共に、医師への全面的な支援を表明する。

2006年3月6日
神奈川県産科婦人科医会

僕が確認している限りで、もっとも格好よい声明です。これくらいはっきり言わないと伝わらないんですよ、きっと。

県立病院医療ミス、医師逮捕のニュースに関して(東京都医師会)

http://www.tokyo.med.or.jp/kaiin/news/detail.php?NI=NW00198

*今回の場合は、異状死の場合には24時間以内に警察に届け出なければならないという医師法第21  条に違反した容疑も逮捕の理由の一つと理解しております。

 医師法21条にある異状死とは警察へ届出なければならない死のことであり、その届出の性質については本来、殺人など犯罪の認知と通報を通じた司法警察への協力であると意識されてきました。しかし昨今、医療事故や医療過誤に対する医療界内外からの批判が高まり、医療に厳しい目が向けられる中で医師本来の業務である医療行為を警察への通報対象とする傾向が現れてきました。

 このような状態での24時間という制限は非常に大きな問題を含んでいます。まず当該医療が過誤や事故であるかどうかは、しばしば判断自体が難しい事柄であり、医療行為の評価が専門的になされてはじめて判明するような難問であることも少なくありません。判断には多大な時間と手間が必要であることがあります。

 胸を刃物で刺された人が病院に運ばれてきて死亡したといった事例と同様に扱おうというのは無茶な話です。しかしこのような事例が今後増加することは容易に考えられます。これらに対応するためには医師法21条の解釈も含めた法律の整備を早急にしなければ、医師の不安は増大し、結果として萎縮診療になり患者さんの不利益にもなります。
 
 私は関係団体、自民党と精力的に協議をし早急に医師法の改正を含めた法整備を最重要課題として取り組み、さらに産科医師の不足の問題も含めて、医療の安全と国民の安心の環境づくりを目指します。

こちらは、医師法21条の24時間という規定がどうのこうのと、ちょっと煮え切らない声明ですが、一応参考までに。