平日の記録



土偶展の際にガシャポンで当てた「みみずく土偶」に、同居人が台を付けてくれた。これで立派に一人立ちできる。



週明け、モリバコーヒー四谷店にて「モリッシュ」…店内のポスターによると「森のデニッシュ=モリッシュ」。デニッシュの上にソフトクリームが乗った写真を見かけて、シロノワールみたいだなと思い、初めて食べてみた。大きさもちょうどよく、美味しかった。


火曜日は神保町で待ち合わせて、日本教育会館の地下にある喫茶店「ばーんせっと」で休憩。小腹が空いていたので「チリビーンズセット」を注文。バンズと小さなサラダにコーヒーが付いて、じゅうぶん満足。
その後、会館内のホールにて「(500)日のサマー」試写会。感慨ぶかい映画だった。感想は下に。
帰宅後、スーパーに一つだけ残ってたかぼちゃで、そぼろあんかけを作る。冬至だから。加えてサーモンの刺身と、じゃがいもと人参、ベーコンのスープで夜ごはん。ごちそうさまでした☆

(500)日のサマー



試写会にて観賞。公開されたらまた、ちゃんとした?感想を書くかも…
人間の性分について考えさせられ、映画としても面白いという、素晴らしい作品。


観終わって、同居人が「○○(私)みたいな人が、外国にもいるんだ〜」と笑う。


「boy meets girl」…だけど、恋愛ものじゃなく、恋愛についての物語。
「運命の恋を信じる」トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、入社してきたサマー(ズーイー・デシャネル)に一目惚れ。何となくつきあい始める二人だが、関係の認識具合のズレが、トムを悩ませる。


予告編に何度も遭遇しながら、映画を観るまで思い出さなかったことがある。高校一年の時、現国の授業で、各々がテーマを決めて皆の前で発表するという課題があり、私は「運命なんてものはない」ということを主張した(今考えると恥ずかしい)。そうしたら、私の好きだった男の子は、意見を書く藁半紙に、大きな字で「僕は、運命はあると思います」と返してきた。もう20年ほど前の話。


同居人が「似ている」と言ったのは、考え方の種類のこと。私はアイスクリーム屋の売上を2倍には出来ないし、あんなに素敵な「砦」は作らないし、つきあった男性の数は10倍くらいだから、キュートな物語の題材にはならない。でも、トムの視点で描かれるこの映画を、最初から最後までサマーに共感して観ていた。真面目に生きているのに時には非難までされる辛さが伝わってきて、胸が痛くなった(これは、四半世紀前に岩館真理子の「おいしい関係」の主人公に覚えた感情と似ている)。
私は、面倒だから自分の考えは表に出さない。でもサマーは、つきあってもいない相手にさえ、きちんと表明する。そしてトムからも、その(酔った)友達からも「君の言うことは理解できない」と言われる。すると「じゃあ説明するわね」と返すのだ。そんなことしなくたっていいのに!もっとその場を楽しく過ごせばいいのに。彼女の気真面目さに切なくなる。
サマーが、あるいは私のような人が「自分の考え」を持っているのは、当然ながら、恋愛についてだけではない。だけど世の中、最も「普通」の一言で決定されてしまうことが多いのが恋愛に関する諸々だから、その領域で苦労するのだ。



観る楽しみを奪ってしまうから詳しく書けないけど、終盤…二人の400何日めかに、サマーはトムの「好きな場所」で、自分に起こったあることを明かす。このシーンで拍子抜けしてしまう人もいるだろう。でも、その時、その時を真面目に生きて、考え方が変わることってあるのだ。誰だって。人は変わり得る。ああ、そういう話だったんだと思い、気持ちが楽になった。


サマーに感情移入しながら観たとはいえ、パーティの「理想」と「現実」のシーン(この映画の画面分割はどれも素晴らしい!)には、トムの気持ちを思って涙がこぼれそうになった。予告編で印象的だった、街の風景は、あんなシーンだったなんて。どんな人のどんな思いであれ、そりゃあかなってほしいもの。


予告編や冒頭に出てくる「シド&ナンシー」のくだりや、バーで絡んできた男と殴り合いになった後の会話など、周囲では笑いも起きてたけど、どちらも悪くないすれ違いに哀しくなった。バーから戻った後、サマーが怒った理由を、トムはどう捉えただろう?「守りたい」と思われることへの嫌悪感は、「男」には分からないだろう(とはいえ、本当に困った時には助けてくれないと怒ってしまうだろう所が、人間というか女というか私の厄介な点だ・笑)
それから、退社しようとするサマーに向けてスミスの曲のボリュームをあげるシーン、キモくて身体が震えてしまった(笑)ごめんねジョー…


同居人いわく「男女逆のキャラクターだったら、非難轟々だろうな…」。確かにそうかもしれない。男女逆でも受け入れられるような世の中になってほしいものだ。もちろんその時は、「世の女の子の全てが経験する」特別な効果をもたらす男の子と、美人じゃないけどチャーミングな女の子が出てくる映画として。


ジョセフ・ゴードン=レヴィットの顔と、身軽な動きは素晴らしい。結婚式の帰りの列車内、眠るサマーの隣で浮かべる表情がとても良かった。
主人公二人の魅力、建物や衣装、音楽、イケアでのデート(私も大好き!)など、こまかいことを書き出したらキリがないので、それらは公開されてからまた…



「浮気されたの?」
「…いや」
「じゃあ、彼女に利用されたの?」
「…そうじゃない」


(ああ、それでも納得できない気持ちって、きっとあるんだろうな)