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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

こんな時だからこその福島の銘菓情報

今日、ツイッターで「こんなときだからこその福島の銘菓情報」をつぶやいてみたら、案外と好評でしたので、まとめなおしたものをこちらに掲載いたします。
福島のオススメ名物菓子を、私の独断と偏見で勝手に紹介! ぜひぜひお買い上げください。美味しいから損しないよ! 福島も潤うよきっと!

三万石

欧風饅頭エキソンパイ

まずは欧風饅頭エキソンパイ! パイ皮にくるみたっぷりの餡がくるまれた和洋折衷のお菓子です。
あっさりと上品な甘みの餡と、香ばしくて歯ごたえのよいくるみと、バターの香りたっぷりのしっとりしたパイ皮のバランスがまさに絶妙。
洋風饅頭じゃなくて欧風饅頭ってかんじの味ですよ、何言ってるかわかんない人は食べてみればきっとわかる!
和菓子やあんこが苦手が人も、エキソンパイはおいしいと喜びます。
昭和三十五年から長い間愛され続けてきた歴史が、一口で納得出来るお菓子です。

ままどおる(三万石)

地元の人間には「みるくたっぷりままのあじー」のCMでお馴染みのかわいらしいお菓子です。
ふんわりしっとりの生地に入っているのがみるく餡。これがなめらかで甘くて優しくてなんだか懐かしい味。おもわず「ままー」と呟きたくなる。「ママ」じゃなくて「まま」の味なんですよ、そういう優しさの生んだ奇跡ですよこれは!
固定ファンも多く、定番のおみやげ菓子。パッケージもかわいいよ!
ちなみにチョコレート味の「ちょこままどおる」は10月〜5月の期間限定商品です。

塩まんじゅう

続いて紹介する塩まんじゅうは、見た目があまりにも渋いので、エキソンパイままどおるに比べると、初見では手を出しにくいお菓子なんですが、騙されたと思って買ってみろ! さすれば驚愕の美味に辿りつくであろう!
自然塩がまぶされた落雁風の皮の中にはつぶあん、さらにその中には栗の甘露煮! ほんのり塩味と甘さが素晴らしいバランスで、日本茶が死ぬほど合う。
この味がわかるようになったら大人! ああ大人になってよかった! そう思わせてくれる和菓子です。



柏屋

薄皮饅頭

これまで三万石の商品を紹介してきましたが、ここらで柏屋の商品にいきましょう。
トップバッターはずばり薄皮饅頭! 土産の定番です。
黒糖を使った薄皮でたっぷりの餡を包んだ薄皮饅頭はとっても甘いのにくどくなくてむしろすっきり上品なのが不思議。
半分に切ってみるとわかるんですけど、皮が本当に薄くてその分あんこがぎっっっしりです。裏返してみると皮がうっすら透けてあんこが見えるといえば、いかに薄いかわかっていただけるかと。
でもこの薄い皮が案外存在感があって、黒糖の風味がいい仕事してます。あんこはなめらかでしっとりで体にしみいる美味さです。さすが日本三大饅頭に選ばれているだけはあるぜ……
ちなみに薄皮饅頭は有名な土産だけあってあちこちで売ってますが、柏屋の店舗ではいろんなお菓子が試食できるし、無料でお茶やコーヒーも出してくれるし、目の前で薄皮饅頭の製作を実演してくれるし、いろいろ楽しいので、お店まで行ってみることをおすすめします。

くるみゆべし「もちずり」

柏屋といえば、個人的にちょうオススメなのがくるみゆべし「もちずり」です。
ゆべしというと普通生地がべたべたしてるのでそこが苦手、という人が多いのですが、もちずりの生地はさらっとしてて、全然べたつかないので、
「ゆべし嫌いだけどもちずりは好き」
という人も多いお菓子です。
くるみがたっぷり入っていて、甘さは控えめで、とても上品な味。醤油がほのかに香る生地はもちもちしてて柔らかくて、食べてるとしみじみ幸せ気分。
いくら食べても食べ飽きない味が危険なお菓子です。

檸檬(れも)

柏屋の人気菓子第三弾は「檸檬」(れも)。
商品名が梶井基次郎を連想させますが、実際には高村光太郎の「智恵子抄」からのネーミングらしいです。どっちにしろ文学的で、買うだけで賢くなれそうですね! 錯覚だけどそんな錯覚すら大事にしたい!
クリームチーズとミルクのお菓子でしっとりした生地がもうたまらない檸檬クリームチーズが濃厚だけど、レモンの爽やかな香りと風味に助けられて、ちっともくどくなくて、いくらでも食べられそうだけど、たくさん食べたらカロリーやばそうな檸檬。柏屋利用者の大半がおすすめする菓子として有名な檸檬
ちなみに学生時代、友人に檸檬を土産に何個か渡したら、ちょっとずつ食べてねと言ったのに、貰った分ぜんぶその場でたいらげて体調崩したそうです。それほどまでに人の理性を狂わせる、それが檸檬! 檸檬は魔性の魅惑菓子です。

太郎庵(たろあん)

さてさて福島の銘菓っつーと、メーカーとして有名なのは「柏屋」「三万石」「かんのや」あたりなんですが、新興勢力としてぐいぐいシェアを広げている侮れないメーカーといえば、「太郎庵」(たろあん)です。

会津の天神様

太郎庵といえば「会津の天神様」。
名前がめっさ和風なのに、「会津の天神様」はチーズブッセなんです、洋菓子です。
太郎庵は洋菓子が強くて、生ケーキも人気。高校時代の友人は「誕生日のケーキは太郎庵以外許可できない」と言ってました。
会津の天神様のお味ですが、これがまた、ふんわりとした生地とチーズクリームがもう、なんか、すっごいマリアージュ! おまえらほんとおしどり夫婦だろ、何年たってもラブラブな運命的カップルだろ、と思わせる取り合わせです。
チーズクリームはかすかに塩味なんですが、この塩加減はほんとに絶妙! 塩スイーツとかなんとか流行りだしたときに、
「ふっ、会津の天神様はそんな地点を二千年前に通過しとるわ」
と言いたくなります。まあ実際には太郎庵は創業したのが昭和二十四年だから、そんなに経ってはいないけどね……でもここは気持ちで!
会津の天神様」は「いちごの天神様」や「ちょこの天神様」など、味のバリエーションも豊富です。私はベーシックのチーズをイチオシしますが、他の味もよろしくです!

かんのや

家伝ゆべし

そして福島の菓子といえば忘れちゃいけない定番といえば「かんのや」の「家伝ゆべし」。
四角いくるみゆべしも有名ですが、今回はあえてヒトデみたいな形が目をひく「家伝ゆべし」をご紹介します。「家伝」という響きの重厚さにやられました。
うっすらと透き通ったあめ色の生地のむこうにはこしあんが見えて、ああうまそう、と思って食べると実際うまい!
醤油の味がほのかに感じられるもちもちの生地、たっぷりのこしあんは甘いけど甘すぎない絶妙な味わい、表面にふりかけられているケシの実の香りが素敵なアクセントになっていて、素朴で自然な昔ながらの上質な味が、ストレスを抱えた現代日本人のささくれた心をものすごいイキオイで癒してくれます。ありがとう家伝ゆべし、そんな風につぶやきながら日本茶と一緒にいただきましょう!



他にも

福島のお菓子はまだまだ美味しい物がたくさんです。「林檎宿」「トロア」「柏やき」、「三千里」、それ以外にもまだまだいっぱい。個人的には三万石と柏屋はどの菓子買ってもハズレなし、と思ってます。店に入って目についたやつどんどん買っちゃえ、洋菓子もうまいのが嬉しいところ!


残念ながら今日紹介したどのメーカーもしばらくの間は操業がむずかしそうですし、流通の問題もありますし、なかなか欲しくても買えません。
ですが、東北の人たちの復興への道のりはとても長いだろうと思います。よその地方の人間が遊びに行けるようになっても、お菓子が作れるようになっても、それが流通するようになっても、それでも傷が癒えたわけではなく、たくさんの助けが長い間必要になるんじゃないかと思います。
だったら、今押しかけボランティアとかしちゃうくらいなら、もっと日本が落ち着いて、今回紹介したお菓子がお店に並ぶようになったら、それを買ったほうが、ずっとスマートな手助けなんじゃない、と個人的には思っています。


そんでまあ、今回紹介したお菓子はみんな、そういう地震とか復興とか、そんなこと全く関係なく、本当に美味しいですから! 甘いもの好きなら、買って損はないと思いますので!
とにかく一度お試しあれ。ウマイヨ!