キャラを"立たせる"のが抜群に上手いと感じた「境界線上のホライゾン」第一話のレイアウト、ストーリー構成

 

 
「境界線上のホライゾン」の第一話「境界線前の整列者達」を見返していたら、絵のレイアウトもストーリー構成も、キャラクターを立てるのに抜群の出来になっていると改めて感じました。
コレ、自分の中でかなり痺れたトピックだったので、今回はその辺についてアレやコレや…と言うのは大袈裟ですが、覚書きの意味も込めて軽めの更新。何て言うか、非常に"語りたくなる"エピソードです!
 
 

■キャラクターは大勢いるけれど…

「境界線上のホライゾン」をご覧になった方ならば、既に痛感しているであろう本作の特徴。とにかくキャラクターが多いです。
第一話では、主人公のクラスメイト達と担任の教師による過激な鬼ごっこがストーリーの軸とアクションのベースになっています。原作未読で、自己紹介もままならないまま、こんなに沢山のキャラクターが一度に登場してきて大丈夫なんだろうか? 初見の際は、思わず不安になったのですが、これが抵抗なくスムーズに観ることができたんですよね。
その理由っていうのは何なんだろう? って何度か見返してみてようやく気付いた。とにかくキャラクターのレイアウトが上手い。
 

 
例えば、複数人のキャラクターが一遍に画面に出てくる時はキチンと背の順。背の低い子は前、高い子は後ろ。当然と言えば当然、アニメでも漫画でも映画でも、基本中の基本である人物の配置ですが、このアニメの場合、半端じゃなくキャラクターの身長差があるので、こういう風に並べてみるとかなりのインパクト。もう、立ってるだけで、各キャラクターの個性も同時に立っちゃってる。
 

 
可愛いくて身体が小っちゃい女の娘は手前に置いて、背後には画面から見切れる程の巨人。豪快過ぎる"小さい者順"に、その中から少人数のグループを切り出す時も、巨大なキャラクターを同時に映すことで、身体の大きさの違いを強調。
 
こんな感じで、尋常じゃないくらいビジュアルの"濃い"キャラクターが集まっている三年梅組ではありますが、そのキャラクターのレイアウトを上手く行うことによって、情報がバラつくことを抑え、各々の個性が観る側の印象に残る工夫がされているように思いました。
 

 
例えば、目隠れの向井・鈴は、オッドアイの浅間・智の隣に置いて、同じ"目"に特徴があるキャラクター同士をグルーピングし、個性や差異を強化。また、身体的なビジュアルの特徴を際立たせるレイアウトといえば、バストサイズの違いを見せる配置も秀逸。女の娘を、横に並べて乳比べ。おっぱい基準でキャラクターを選ぶとしたら、この絵を一枚見ただけで、どの娘をメインに据えて本作を観るかが瞬間的に決まっちゃいますよ。この辺、本当に良くできてるな〜と思います。
 
 

■キャラクターの能力をアピールさせる構成

続いて、絵のレイアウトだけでなく、ストーリーの構成についても。多数のキャラクターを一遍に見せる為には、人が大勢集まる"イベント"を作劇に使うのは、非常に効果的。
 
■アニメ版「みつどもえ」 イベントを利用したキャラクター描写の巧さについて
 
上記の拙エントリでも書いたように、イベントでは一度に多くの人物を画面に登場させることができる上に、それぞれの言動によってキャラクターの個性を立たせやすい。
この第一話で用意されたイベントは、前述の女教師と生徒による過酷な鬼ごっこですが、その中で各キャラクターの能力や武器が総登場している。
 

 
刀に弓矢に大槍にステゴロ。空を飛ぶ者もいれば、再生能力がある者もいるし、魔法や召喚術を使う者もいる。そして、そんな多種多様な攻撃をいなしまくる"リアル・アマゾネス"教師オリオトライ。
たった一話を観ただけで、各キャラクターの戦闘スタイルが分かるという巧みなストーリー構成。しかも、ひたすらドンパチやっている為に、とにかく画面が派手なこと派手なこと。ハイテンションな絵と動きが続き、観ているだけでアッパーな気分になれます!
 

 
そして、そんな"濃い"キャラクター達をもかすめてしまう、主人公、葵・トーリの個性。あれだけ強烈なビジュアルで、派手に動いていたキャラクター達が、主人公が出てきた瞬間に描き分けがない無個性なモブキャラになってしまうというおもしろさ。
どんなにキャラクターが多くても、主人公は物語の中にたった一人。それは、この世界でも唯一の特殊な能力を持つ、葵だけ。決してブレない主人公としての立ち位置と、存在感。
 
いや、最後の最後まで、キャラクターを"見せる"のが抜群に上手い第一話だったな〜と思いました。
 
 

■まとめ

ゴチャゴチャしているようで、それでも観終わった後は、各キャラクターの個性がキチンと頭の中に残ってしまう、そんな「境界線上のホライゾン」第一話「境界線前の整列者達」について、自分なりの感想を書いてみました!
 
 

■おまけ


 
横一列になった時のペルソナ君の圧倒的な存在感に思わず笑ってしまいました。君…君、凄いよ! もう何て言うか、アンタがチャンピオン!!