読んでみたいと、思いたい

知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫)


祝日は、送品表をチェックせずにすむので、
朝からしっかり本が読めて嬉しい。


車中のとも。
津野海太郎『百歳までの読書術』(本の雑誌社)


かなりいい。語られる内容も、語る速さや、
たたずまい、温度も、なんかいいな。


「八方にでてパッと凍る」幸田文が、山本健吉との対談の中で、
幸田露伴の読書法、勉強法を語っているくだり。
津野さんの「お祭り式読書法・勉強法」が、
同じ系譜にあるのじゃないかという。


この、なんとなくたくさん摂取して、
それがふぁーっとひとつにつながる、
というのは、ものぐさなあたしにとっても、
「願わくばそうやって知識をものにしたい」
という理想の読書法・勉強法ですな。


中川六平さんのとこ。今江祥智、鶴見俊輔、
北沢恒彦の名前も出てきた。自分の知っているひと、
気になっているひとが次々と現れてくると興奮する。
岩瀬成子『朝はだんだん見えてくる』のことも。
他の本で紹介されていて気になって、けれども、
そのまま読まずにいた本がこうして登場すると、
興奮する。晶文社の解体過程についても、
ほんのチラリと書かれている。


そして、「本から本へ渡り歩く」読んだ。
岩田宏/小笠原豊樹のはなし。すごい。
岩田宏『渡り歩き』(草思社)気になる。


購入。
花村太郎『知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫)』(筑摩書房)


これを読んで、欲しくなり。
読書猿ブログはこの一冊から始まった:『知的トレーニングの技術』復活を知らせ再び強く勧める


誰かの絶賛をきっかけに本を買うのはよしとしよう。
たとえ、それを読んでつまらなかったとしても。
誰かのこきおろしを聞いてその本を手に取るのをやめるのは、
もったいなかろう。少なくともパラパラしてみても損はあるまい。


もちろん、他に読みたいものがあったり、
したいことがあれば、そちらを。
面白いと思うかどうか、
読んでみなけりゃ、
わからない。


でも、読んでみたい、という気持ちがわくことが、
喜びなのだ。どうにかして、「あ、読んでみたいな」
という気持ちを胸に生じさせたいと思っている。


帰りに、『百歳までの読書術』を読み継いでいて、
岩田宏さんの話の続きが出てきた。この本の面白いところは、
もともとは『本の雑誌』の連載なのだけれど、
前の号の話の続きが次の号で出てきたりして、
その間の一か月の「間」というか、
のんびりした雰囲気が、いい。


もともと岩田さんの話としてきっちり書くつもりなら、
もっとすっきりまとめることもできるのだろうけれど、
「毎月のおしゃべり」みたいに書き継いでいるので、
なんというか、ふわっとして気楽に聞いていられる。
それでいて、その場で話がわいているような、
臨場感がある。津野さんの発見や感想が、
そこで起こっているように感じられる。


じぶんのおじいちゃんとも、
こういう話ができたら楽しかったんだろうな。