ミクシィ株暴落? いや当然のなりゆきです。

ミクシィの株価が公開初値からどんどん下がっている。みちアキさんは「株こえー」と仰っているのだが、暴落は当然のなりゆきである。


というのも、ミクシィは株価の割高さを示す「PBR」という数字が現段階で200倍近いのである。過去のことはよく分からないが、現在の市場のなかでこんな数字を出しているのはミクシィくらいだ。


株券の価値を裏付けているものは会社の純資産である。語弊はあるが、この純資産から計算される株価を株券の真の価値と呼ぶことにしよう。PBRとは現在の株価が、株券の真の価値の何倍になっているのかを示すものである。


たとえば笠原社長が発狂して「株式会社ミクシィを解散する!」という決定を下した場合、会社の資産を株主に分配することになる。しかし今の段階でミクシィを解散したら、1株あたり1万円程度しか戻ってこない。現在の株価はその200倍に膨れ上がっている。PBR200倍とは、そういう意味である。


むろん僕はPBRを絶対視するつもりはない。企業とは成長していくものだからだ。


ミクシィの場合でいうと、会社を大いに発展させ、純資産を200倍以上に増やせば良いのである。それが可能だと思ったら今の値段でミクシィ株を買ってよい。PBRが10倍くらいの企業なら、ざらにある。ただ、200倍はムリと思っている投資家が多いから株価は暴落している。


で、なんでミクシィ株はそんな異常な値上がりをしたのかと思う人も多いだろう。これは日本に損失を度外視して株を買う投資家がいるからである。その意図するところは、新規上場の株を法外な値段で買うことで、上場前から株を持っていた創業者や出資者を潤わせることにある。


こういう現象は、辞典にのるほど有名である。以下、先物市場の用語集からの引用。

御祝儀商い

御祝儀商いとは、新規に上場した商品の初日の取引などで、損益を無視して売買したり、また、年末最終立会日や年初の大発会などにも損益無視の売買をする事を御祝儀商いと言います。

御祝儀商いでできた相場を、御祝儀相場と言います。

http://www.saki-mono.com/archives/2005/10/post_168.php


つまりセレブな投資家たちが笠原氏らへの寄付、御祝儀のつもりでバカ高で株を買っているのである。素人がこんな値段で買ったら首くくることになるぞ。