幽霊は拳を振り上げてやってくる インシディアス 第2章
さて、気を取り直してTOHOフリーパスで観た映画後半戦、2014年に入ってからの作品たち。普段なら観ない映画を観ると言いつつ結局「ハンガー・ゲーム2」や「麦子さんと」を複数回観るのに費やしたりしたわけだけど、この映画なんかも前作を劇場で見ていないので普段ならスルーだったかもしれない作品。ジェームズ・ワン監督作品「インシディアス 第2章」を鑑賞。
物語
ジョシュがダルトンを無事”彼方”から連れ戻し、一件落着と思われた。しかし霊媒師エリーゼは何者かに殺され、その疑いがジョシュにかかっているのもまた事実。一家はジョシュの実家でしばらく暮らすことにするが再び奇妙な現象が。
そしてエリーゼの遺したビデオから幼いころのジョシュの様子を収めたビデオを発見したスペックとタッカーはジョシュを最初に受け持ったカールとジョシュの母親ロレインとともに調査を開始する。やがて現在ジョシュの身体の中にいるのはジョシュ本人ではなく”彼方”からやってきた別のものだとわかるが・・・
前作「インシディアス」は監督の前作「死霊館」の鑑賞前にレンタルでチェック。なんだか公開当時は(2011年)はまったく視界に入ってなかった気がするなあ。前にも述べた通り僕はこの製作者たちの「ソウ」も「パラノーマル・アクティビティ」も両シリーズとも特に見ていないので何か根本的に「これは観たくなる」という感度の部分であわないのかもしれないけれど。
とはいえこれは面白かったです。物語的には前作の直後から始まり、物理的に攻撃してくることもある悪霊の様子なんかはハッタリが効いてて面白かった。一応実話ということになっている「死霊館」に比べると物語的には色々「?」ってなるところがないでもないし、前作と比べても破綻してるところが多い気もするんだけれど(正直物語部分では自分にはよくわからないところも有りました)、描写がおもいっきっているし、後述するけれどタッカーとスペック(字幕だとスペックスだった気がするが公式サイトではスペックとなっているのでそれに従う。スペルは「Specs」)の2人はギャグ担当として良かったし、オカルトによる「タイムトラベル」な要素も合って飽きることが無かった。ホラーとギャグは紙一重、というのを改めて思い知った。
オカルト的にはエド・ゲインを始祖とした「母親の呪縛から犯罪に走った男」の系列で、その連続殺人犯の幽霊がジョシュに取り憑いたという感じなんだけれど、その母親や犠牲者が幽霊となってしかも物理的行使に及んだりするのだな。僕はトマス・ハリスの「レッド・ドラゴン」のフランシス・ダラハイドを思い出したりした。劇中出てくるTVに「恐怖の足跡」のワンシーンが映っていたけれどあれが映っているというだけで恐怖感が倍増するのでお手軽だけど効果的。劇中の幽霊も似たメイクで出てきたしね。
主演は前作に引き続きパトリック・ウィルソンとローズ・バーンの二人。パトリック・ウィルソンは基本的に悪霊に乗っ取られた状態を演じていて、常に気が難しそうだし、また物語が進むに連れて身体がどんどんゾンビ化していく(死んだ魂が入ると身体も持たなくなるらしい)のだけれど、なんだかシーンによってはマイケル・キートンのようにも見えた。パトリック・ウィルソンも「ウォッチメン」でナイトオウルを演じて以降たんなるイケメン俳優というより性格俳優と言った感じになってきているけれど、特に今回頬がこけて目の周りに隈ができているシーンなんかキートンそっくりだったなあ。
ローズ・バーンは美人だし愛嬌のある顔だと思うけれど、なんか神経質そうな役が似合いますね。少し前のセルマ・ブレアみたいな雰囲気かしら。
ジョシュの母親ロレインはバーバラ・ハーシー。なんかどこかで見たことあるなあ、と思ったのだけれど「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンのお母さん役でしたな。あれもある意味ホラーだし、その根源と言える役かもしれない。
ただ、僕が注目したいのはそのロレインの若いころを演じたジョセリン・ドナヒューという人でこの作品で初めて知ったけどとても魅力的だった。
今回は直接出てこないと思っていたけれど老婆エリーゼを演じたリン・シェイも素敵でしたね。最後も彼女が攫っていきました。
個人的に気に入ったキャラクターはジョシュたちの一家よりもこの映画においてコメディ部分を担当しているスペックとタッカーの2人組。前作で出番が好評だたんでしょうか、今回は大きく出番も増えてます。またその登場シーンの大部分で笑わせてくれるのもいい。ハッタリの効いた映画ですがこういうコメディ部分も良かった。なんかさらなる続編があるなら、あるいはスピンオフとしてこの2人(プラス幽霊となったエリーゼ)を主役としたホラーコメディなんかを作って欲しいなあ。映画よりもあるいはTVシリーズなんかもいいかも。とにかくこの2人(+1)で続編が観たいと思わせるキャラクターです。この第2章の中では2人の登場シーンはなんだかほんわかするのもいいんだよなあ。スペック役はこの映画の脚本・原案・キャラクター企画とやっているリー・ワネルその人で、多分このシリーズの根幹はこの人の業績なので是非、スペックとタッカーのスピンオフを制作して欲しいですね!
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