だまされる視覚 錯視の楽しみ方
- 作者: 北岡明佳
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2007/01/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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目の錯覚によって起こる錯視.なぜ錯視は起こるのか? そこに何らかの法則はあるのか?
錯視図形を満載し,驚異の錯視ワールドを,錯視デザインの第一人者が案内する.錯視の心理学と錯視デザインが一度にわかる,究極の錯視ガイドブック,登場!
だまされる視覚 - 株式会社 化学同人
株式会社化学同人から2007年1月に創刊されたDOJIN選書シリーズ。その第一回配本のうちの一冊が本書『だまされる視覚』です。(以後は奇数月に2冊刊行予定とのこと)
本書は絵が動いて見えたり傾いて見えたりするいわゆる「錯視」のガイドブックであり、錯視の心理学を概説した上でデザインの作り方を解説した内容となっています。
錯視の楽しみ方としては、見て楽しむのは当然ながら、本書でもたびたび述べられているように自分で錯視を作ってみるのも一つの楽しみ方でしょう。
というわけで、本書の指南に従って、数ある錯視の中から個人的に気に入った「明るさの錯視」をいくつか作ってみました。
クレイク・オブライエン・コーンスイート効果
こちらの図では、左から濃い灰色、薄い灰色、濃い灰色、薄い灰色・・・の長方形が並んでいるように見えます。
が、実際は各長方形の境界部分を若干明るく/暗くしただけで、長方形内部の灰色は同じ色なのです。
試しに真ん中でカットして、ちょっとずらして重ねた図がこちら。
境界以外は同じ色なのが分かると思います。不思議ですねぇ。
ホワイト効果
左の灰色の格子と右の灰色の格子を見比べてみてください。左の方が明るく見えますね。
が、実際はどちらの灰色も同じ色。これもずらして重ねるとぴったり一致します。
どう見ても同じ色に見えないんですけどねぇ。
ちなみに「ホワイト」は研究者の名前だそうです。
透明視依存の図地分化による明るさの錯視
何やら小難しい名前の錯視です。
上と下にストライプ模様の長方形がありますが、見比べるポイントは真ん中の帯の部分。
上は白地に黒いスプレーを縦向きに吹きかけた感じで、下は黒地に白いスプレーを吹きかけた感じがします。
が、実際はどちらも同じ模様で、黒地や白地は関係ないんです。
試しに真ん中の帯だけ横にずらしてみた図がこちら。
上下で同じ帯だということが分かると思います。これもかなり不思議。。
シェードの効果を利用した錯視
「シェード」とは物体表面のうち照明光が当たらず暗く見える部分のこと。
上の図にストライプ模様の円柱があります。まず左右の円柱のフタの部分を見比べてみてください。左のフタの方が右よりも明るく見えると思います。
次にストライプ模様の真ん中部分。こちらも左の方が明るく感じられます。
が、実際はこれらのフタもストライプ模様の真ん中部分も、全部同じ色で構成されています。ストライプ模様の上下部分を削除すればそれが確認できます。
人の目ってこんなにも騙されやすいものなんですねぇ。
本書では他にも色々な錯視のガイドラインがのせられています。
作るのがちょっと難しそうだけど「動く錯視」も作ってみたいなぁ。