築地市場の移転候補地(豊洲)の汚染除去実験の公開(2010/04/24)

妙な縁で記者の方から「築地市場の移転候補地(豊洲)の汚染除去実験の公開に一緒に行かないかい?」と、面白いお誘いを受け、一般の人なのにプレスパスをもらって設予定地での実験(2010年4月24日)を見てきました。

豊洲新市場予定地5街区工事用入口から入って、受付(取材用)を済ませ、一般見学者は豪華なバスに(なんで?)、取材陣は使い古された都バス(マスゴミ嫌われてるなぁ)に乗せられ、ガタゴト揺られ汚染除去実験が行われている豊洲新市場予定地を見て回りました。


まずビックリしたのは、化学実験の見学(税金が投入された)に来た人達の(マスコミ含む)化学知識の無さ。はっきり言って高校レベルの有機化学を勉強すらしていないだろ!こら!みたいな人達ばっかり。(まぁ団塊の世代だと、そんなの教科書に載っていないだろうけどさ)

そして、どこぞやの大学教授?らしき環境運動家は、まともな科学的見解は示さず大声で「初期データ出せ」を繰り返している。(そんなの、その辺の無職でブラブラしている失業者に言わせておけよ、実際それらしき動員されたっぽい人もいっぱい来ていたけどさ)

なんだろう?この人達は?

たいした額ではないが都税を払っている、親子三代江戸っ子のおいらはイラっと来たね。
こんな奴らが豪華なバスに乗って見学していて、まともに化学的に見て回ろうとしているおいらが、古い都バスに乗せられたことにw(そこかい!)


さて、どんな手法で汚染物質を除去するのか、4月末から今に至るまでキチンと説明しているマスコミの記事が皆無(少なくとも俺は見つけられなかった)だったので、「汚染除去の実験結果が良好」とのニュースと、

築地移転先の土壌、無害化可能 都が処理実験報告
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072201000758.html

 東京都は22日、築地市場移転予定地の豊洲地区(江東区)で実施していた汚染処理実験で、ベンゼンなどの有害物質を環境基準値以下にして「無害化は可能」とする結果をまとめ、都の技術会議に報告した。

 技術会議は「処理技術の有効性を確認し、汚染物質は除去できる」と評価。8月の次回会議で提言をまとめるとした。

 実験は今年1〜7月、汚染の状況に応じて加熱や洗浄など4種類の処理方法で実施。ベンゼンやシアン化合物などの汚染濃度を調べた。

 環境基準の4万3千倍のベンゼンが検出された区画では、都がサンプルにした土壌の汚染濃度(初期値)が基準の2・7倍しかなかったが「採取方法が違い、高濃度の汚染土壌が局所的に存在するため」と説明。人工的に基準の20万倍のベンゼンで汚染した土壌も浄化できたとして、処理実験は有効とした。

2010/07/22 21:36 【共同通信】


「盛り土に基準値の25倍の汚染」というニュースで、

築地市場移転先、盛り土も汚染 基準値の25倍の地点も
http://www.asahi.com/national/update/0721/TKY201007210341.html

築地市場(東京都中央区)が移転を予定している豊洲地区(江東区)の土壌汚染問題で、元の土壌だけでなく、その上に後から運び入れた盛り土からも30地点で汚染が見つかっていたことが分かった。盛り土の大半は汚染されていないとして、都はそのまま使う予定だが、汚染対策の専門家は「盛り土全体を調べる必要がある」と指摘している。

 移転の最大の障害となっている土壌汚染で新たな問題が浮上したことで、移転を不安視する市場関係者らの批判が高まることは必至だ。盛り土全体を調査することになれば、2014年度開場のスケジュールに影響が及ぶとともに、汚染対策費がさらに膨らむ可能性がある。

 問題の盛り土は、都内などの公共工事の残土が、東京ガスのガス工場跡地の古い地盤の上に運びこまれたもので、予定地約40ヘクタールの4分の3を覆っている。盛り土の厚さはおおむね2.5メートルで、朝日新聞の試算では約80万立方メートル。

 都は07年以降、古い地盤の土壌や地下水の調査を約4千地点で実施。汚染が見つかった地点では、汚染の種類ごとに約60〜700地点で古い地盤の上方50センチの盛り土も調べた。その結果、盛り土からも30地点で環境基準を超える有害物質が見つかった。最も高いところではシアンが環境基準の25倍、ヒ素が24倍、鉛が13倍に達した。この3地点は古い地盤の汚染より濃度が高かった。盛り土の表層部分では、詳しい調査が行われていない個所がまだ多いという。立川涼・愛媛県環境創造センター所長は、「放置すれば生態系に悪影響を及ぼす恐れもある」と話す。

 都が設置した有識者による専門家会議は08年、高濃度汚染が見つかった古い地盤の地盤面以下2メートルまでの土壌をすべて入れ替える汚染対策などをまとめたが、盛り土は会議の場で詳細な分析を行わないままになっていた。都は09年、盛り土を汚染のない「健全土」として新市場の土壌に利用する計画を公表した。

取材に対し、都中央卸売市場は「(盛り土の)汚染原因は特定できないが、地下水上昇による再汚染の可能性が高いため、30地点ではさらに上も調べて汚染を除去する」と説明。一方で、盛り土の大半は「別の担当部署がチェックして適切な土を受け入れており、全体的には健全だ」としてそのまま使う方針だ。

 これに対し、専門家会議の座長を務めた平田健正・和歌山大理事は「再汚染だけでなく、都が受け入れた土に有害物質が元々含まれていたり古い地盤の汚染土壌が混ざったりした可能性があり、どこに汚染があるか分からず危険な状態だ」と指摘。「新市場に利用するのなら、その直前に盛り土全体を詳しく調べることが望ましい」と述べた。(香川直樹、渡辺志帆)


実験の内容も知らずに、ただマスコミの情報拾って騒いでいるだけの現状に、とりあえず豊洲で何が行われていたか?を書いてみるよ。
そして、その上で都民の皆さん、判断してね。

まず、新市場計画予定地を細かく調査して、各所の汚染濃度と汚染物質を特定する。(そうすると、だいたいどこに何が埋まっているか?類推できるからね)
そして、その汚染物質の特性に沿って汚染除去を行う。

では、まず実験区画は此方。(写真で分かるかな?)

では取材してきた実験内容を紹介しますね。

■ベンゼン単純汚染の除去
掘削微生物処理
対象物質:ベンゼン
実験概要:汚染土を掘削し、地上部にうねを作り、土壌中の微生物を活性化させ浄化
浄化方法:1)汚染土に栄養塩等を混合 2)1の土壌でうねを造成 3)通気や耕転で酸素を与えて土中の分解微生物を活性化させ、ベンゼンを分解

要はね。ベンゼンで汚染された土を掘って、微生物が繁殖する餌とか土中の温度を上げる反応剤(単なる酸化カルシウムといった酸化塩)を混ぜて地上に盛って、小さな山を作って、その山の中に酸素を含む空気を通してやって、時々掘り返して(耕して)、土中の微生物にベンゼンを分解させましょう。って手法。

テントを張っているのは、ベンゼンって揮発性物質なんで、土中に空気吹き込む以上、そこからアチコチに拡散しちゃ駄目だから。で、揮発したら好都合なんで、活性炭で吸収して除去しちゃうわけ。

この手法は、汚染物質が微生物で分解される有機物質である。という場合に有効との事。(テント使っているので、揮発性有機物質にも対応)
まぁ、ベンゼンなんてC6H6の最も単純な構造の芳香族炭化水素だからね。

面白かったのは、単に土中に空気を吹き込むだけの装置に、みんな群がって「こんなんで除去できるのか?」とか、必死にうねを触って温度でも感じようとしているのか? とか… あげくに実験初期値は?と「実験手法の公開」なのに、データを出せと「実験結果」を求めて喚く変なオバチャン・オジチャン達。

とにかく、団塊世代かそれ以上の老人ばっかりなんだよね。
実験を否定的に見ている人達
って…

個人的な見解だけど、この手法は理にかなっていると思うよ。

あとは、どの位の温度で微生物による分解が、どの位のスピードで行われるか?
それによって汚染除去施設に必要な規模がどの位になるのか?
その辺のデータが取れれば、どんなに濃度が濃くたって時間をかければ除去できるんじゃね?と思った。(もちろん、時間がかかり過ぎるなら費用対効果の面で、土を入れ替えたほうが早いって判断もアリだろうけど)

そういう事を質問したかったんだけど、化学知識の無いヒステリックなジジ・ババが騒いじゃってさ、全然質問できなかったよ。

マークシートでいいから、実験見学希望者全員に化学のテスト(センター試験レベルでOK)をさせて足切りした方が良いと思ったね。(俺も落ちちゃうかもしれないけどw)

で、ちょっとネットで調べたら、ホットソイル工法とか、バイオレメディエーションによるランドファーミングってのが、この実験内容と似ていたので紹介しておきますね。

ホットソイル工法
http://www.hazama.co.jp/soilrecovery/hotsoil/hotsoil.html

バイオレメディエーションによるランドファーミング
http://www.suyama-group.co.jp/02kankyoseibi/index_dojo.html

汚染物質がベンゼンだけだったら、安く簡単に出来るらしいです。


この辺は検索すると一杯出てくるので、肯定・否定問わず調べて見てくださいね。


石原都知事が「立ち上がれ日本」って騒ぐほどの技術でもなく、ごくごく一般に行われている様な気がします。(でも、これらを産業ベースに乗せて、事業化するのは血のにじむ苦労だったであろう事は察してますよ)

ここも個人的見解ですが…
ベンゼンって揮発性なんで周りの土に汚染が広がりやすいのかな?
汚染物質から離れていても、ベンゼンによる土壌汚染って広がっちゃうんだろうな。
でも、キチンとやれば簡単に除去出来るんだな。
そんな感想でした。


■汚染がベンゼンとシアン化合物だった場合の除去
原位置微生物処理
対象物質:ベンゼン、シアン化合物
実験概要:原位置で土壌中の微生物を活性化させ浄化
浄化方法:1)空気と栄養塩を地中に送り込み、土中に含まれる分解微生物を活性化させ、ベンゼンを分解 2)ベンゼンの浄化完了後、シアンを除去する為の土壌を掘削し、洗浄処理

さっきの、掘削微生物処理と同じような手法なんだけど、シアン化合物は、シアン化物イオンを持つ塩で毒性も強いので、地下水なんかに溶けちゃうと危険なんだけど、それなら「微生物処理が終わった土を掘り出して水で洗えばOK」って話ね。


空気と栄養塩を送りこんでいる現場写真(原位置微生物処理)


水で洗って取れなかったらどうするのよ?

いいんじゃね? 気化除去でも反応しなくて、微生物にも反応しなくて、水にも溶けないほど安定しているんなら、その上に食品施設作ったって、土中に食品生めて土ごと食べない限り問題ないでしょ。って事。

ちょっと乱暴な私見ですが、そういう事でしょ。(笑)



で…ちょっと長くなりすぎたので、あと3つの実験手法の紹介は次回に回します。
みんなも疲れたでしょ。(書いている俺が一番疲れた)
大丈夫!
ネタも織り交ぜて、楽しく紹介しますので。次回期待していてね。
次回は、中温加熱処理、洗浄処理、地下水処理 です。

ぶっちゃけ、今、都民が口にしている魚のイケスの方がよっぽど気持ち悪いよ。

追記

今回は、そこに大きな予算を投入する前に小規模に実験してみて、その汚染除去の工法が適正か否かをジャッジする。そんでもってその実験をマスコミや都民に公開します。って話。

だから実験の化学的根拠さえ理解していれば
こういう記事

無害化した土の汚染度、4万倍ではなく2.7倍 東京都
http://www.asahi.com/politics/update/0720/TKY201007200222.html

築地市場(東京都中央区)の移転予定地・豊洲地区(江東区)で、土壌から汚染物質を除去する実験をした都が、「環境基準の4万3千倍のベンゼンが見つかった土壌を無害化できた」との中間報告をまとめたのに、実験時の濃度は2.7倍だったことがわかった。都は3月の報告公表時に、この事実を把握しながら明らかにしていなかった。

 豊洲地区では2008年に環境基準の4万3千倍のベンゼンなどが見つかった。有害物質を除去できることを確かめるため、都は今年1月から豊洲地区で実験を開始。3月の中間報告では、4万3千倍のベンゼンが検出された地点を含む周辺の土壌を加熱処理した結果、無害化できたとした。

 しかし、実験開始時の汚染濃度(初期値)は環境基準の2.7倍だった。複数地点で採取した土壌をまぜて測定したため、汚染濃度が低くなった可能性があるという。

 ベンゼンの初期値が低かったため、都は豊洲での実験とは別に、環境基準の20万倍の汚染土壌を人工的につくり、加熱で除去できることを確認したという。

 都は「20万倍の汚染も除去できたことから、対策の効果は確実。初期値は隠したわけではなく、専門家に意見を聴いた上で、最終報告にあわせて公表する予定だった」としている。

を読んで危機感感じるなんてナンセンスなんです。工期(場合によっては規模)に影響はあるだろうけど、それだけの話。

東京都もさ!
初期値は、馬鹿が騒いで実験の邪魔だから公表しませんでした。って正直に言えばいいのに…


最初、マスコミってわざと煽って記事書いているのだと思っていたけど…
こういう取材現場見ちゃうとさ…
え、マジで理解していなかったとか…?

そんな感想をw


あれ?
化学的に駄目記事書いているのは、あの現築地市場前にそびえ立つ、捏造博物館…いやいや…朝日新聞様じゃありませんかw
なんだ、それだけの事だったのか…



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