マイブコメ&フェミニスト村上隆子の出世

この数日、村上隆関連のニュースやTogetterが次々お気に入りに上がってくるのをどんどんブクマしてコメントつけていたら、自分でもウザったいほどの数になったので並べてみた。最後に短いまとめを付記。


● 貴族社会の象徴たる場所と顧客はセレブの現代アート。案外通じていると思うがそういう話ではないのか。
  ベルサイユ宮殿での村上隆作品展に反対運動=フランス(時事通信) - Yahoo!ニュース


● 極東の根無し草の不良が由緒正しいおフランスの箱入り娘を強姦しようとして拒否されてる図ですか
  痛いニュース(ノ∀`) : 「歴史遺産への冒涜だ!」 ベルサイユ宮殿での村上隆氏の作品展に反対運動起こる…仏 - ライブドアブログ


● 世界はスーパーフラットじゃないよねということがわかるtogetter/ハイコンテクストのオタク文化を別のハイコンテクストの現代アートで翻訳ってアクロバティックすぎやしないか。両方の素養高い人がどんだけいるかとか
  Togetter - 「村上隆批判に対する村上隆自身および東浩紀による反論」


● 非アートをアートに繰り込んで領域拡大と芸術の名の更新をしてきたのが近代以降のアートだから村上はオーソドキシー。ただアートの自律した領域と根拠の不在という底の抜けた中での議論は空中戦にしかならない徒労感
  Togetter - 「なぜ村上隆がヲタクに叩かれるのか」


● 2008年はジェフ・クーンズだったのか。場とのギャップで刺激の絶対値を高めるというセレクト傾向は同じ/チチョリーナとファックしてる彫刻は作品古いせいかなかったみたい‥‥さすがに
  ベルサイユ宮殿の天井から巨大ロブスター、米現代芸術家クーンズ展で 写真7枚 国際ニュース : AFPBB News


● 翻訳は建前。My Lonesome Cowboyは、戦後ヤンキー文化にヤラれた日本の若者カルチャーの鬼っ子としてのオタク造形(疑似)でもって、今のアメリカをルサンチ混じりに嘲笑う屈折した作品。http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20080518/1211117730
  村上隆をぶん殴りたい理由 - 脳髄にアイスピック


● 村上隆はたぶんオタク文化に愛憎半ば。そういう分裂は作品に出ていると思う。ただアートの客層拡大のためにオタクに理解を求めたのは読みが甘かった。嫌われて当然の態度を貫けないのは啓蒙に走り過ぎてるためかと。
  はてなブックマーク - 村上隆をぶん殴りたい理由 - 脳髄にアイスピック


● 欧米から見ればアジア人作家は常にサシミのツマ。デュシャン以降の現代アートもそれ以前の芸術の歴史から見るとサシミのツマ‥‥
  フランス人にはまったく無視されていた! 芸術家・村上隆作品展をめぐる反対運動 - 日刊サイゾー


● 大浦信行から村上隆に至る自虐的セルフ・オリエンタリズム。「欧米の優越と偏見」が支配するアート・ワールドで非欧米人が評価される隘路/「故遠野芳明氏」←故東野芳明氏?
  大浦信行と村上隆/オリエンタリズムをめぐって:彦坂尚嘉の〈第41次元〉アート:So-net blog


● 欧米に対してコンプを抱かなくていいと思われてた文化をアート文脈で使って確信犯的に自虐やったのと「翻訳」がオタクの人の反発買ってる中で、ついに本人オタク宣言しちゃったか。http://twitter.com/takashipom/status/22783140860
  Togetter - 「村上隆とセルフオリエンタリズム」


● 3年前の記事。大塚英志と浅田彰の村上隆批判/大塚は「原爆を落とされた国の代表面してアメ公に受けやがって」、浅田は「アートが難解だからってバカに受けそうなもんばかり作りやがって」的な。
  〈少女〉幻想記録 | 原爆と「おたく」を接続する村上隆と、彼を称える斎藤環


フェミニスト村上隆子の出世

ジャポニスムで浮上した浮世絵やマダム・バタフライの昔から、西洋にとって日本は「女」だった。西洋=世界=「男」が行き詰まった時に、癒してくれたり解放してくれたり思わぬヒントをくれたりするのが「女」=日本(東洋)。「男」はそれで活力を得、ますます「男」の地位を不動のものとする。だから「女」は常に「男」のサシミのツマ、「男」の完全性を補完するものでしかなかった。
こうした中で、「いつまで惨めな立場に甘んじてるの「女」は。「男」に全部いいとこ持っていかれて悔しくないの?」と言い出したのが、フェミニスト村上隆子である。
しかし「男」社会で出世するためには、ひとまず「男」のルール、コンテクストに乗っからないことには相手にされない。同時に、「女」を売らないと注目もされない。生き馬の目を抜く「男」の世界では、枕営業あっての「女」の出世。
いいさ、これしか売るものないんだからじゃんじゃん売っちゃえとばかりに、隆子はレイプされたこと(原爆を落とされたこと)まで自虐ネタにして「男」の関心を引いた。もちろんそれだけだとバカにされるので、ややこしい「男」の仕事も懸命に覚えた。
血の出るような努力が功を奏し、バリバリのキャリアウーマンになり年収も大幅アップ、取り巻きも増え、「男」達に「あいつ、「女」ながらなかなかやるじゃないか」と言われ始めた矢先、他の「女」達が文句を言い出した。「貴女は「女」を売って地位を得た上に「女」の代表面して名誉男性に収まっている」と。
「これは「女」のためにやってることなの。私は貴女達の声を翻訳して「男」に伝えているの。貴女達にも回り回って得になることなんだから」と隆子は抗弁。隆子の取り巻きも一緒になって「「男」社会のルールがわかってない人は黙ってて」。
他の「女」達はますます反発した。
ある「女」は「あいつのファッションもメイクも「男」ウケのためだけ。真のお洒落心を知らない」と。
ある「女」は「専業がいいんだから、「女」のためとか余計なことしないでほしい」と。
ある「女」は「レイプをネタに自分を売るなんて許せない!」と。
ある「女」は「お局様のくせにギャルぶってんじゃねーよ見苦しい」と。
そして「女」の苦労を味わってきたずっと年上の「女」は「「女」って、いつまでたってもこれなのね(嘆息)」と。
そんな中で隆子は業界最大手のベルサイユ社からヘッドハンティングされた。「会社の名前に傷がつく」という一部古参株主の不満の声を押さえての大抜擢。「なにがフェミニストだ!」という「女」の罵声をあとに、まもなく彼女は「男」の中の「男」の国フランスへと旅立つ。フェミニスト村上隆子の道のりは険しい。