iPhone に対する不満 - Home 画面編
引き続いて(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20090719#p2)。Home 画面について。まあ簡単にいうと「Windows Mobile の Today 画面は、あれはあれで優秀だった」という話になるかと思う。
- というか iPhone の Home 画面て Home じゃないだろ。スタート画面っていうんだよこういうのは。常時クイックランチャで画面が塞がってる状態。
- 立ち上げた途端に「ユーザになにかをやらせよう」とする画面が待ち構えている。「さあ何やる?どれやる?選んで選んで!はやくタップして!」みたいなかんじ。そしてこれが肝心なことだが、iPhone の Home 画面は、なにかを入力しないと細かいことが確認できないようになっている。とにかく誘い受け。
- iPhone には時計もカレンダーもあるし ToDo だのメモアプリだの色々あるけど、それらを基本機能として一覧できない。個別のアプリ扱いになってるので。全部まとめて操作できるべきとまでは思わんけど、表示だけは全部まとめましたみたいな仕組みが Home 画面に準備されていれば、随分いいと思うんだよなー。
- OS 3.0 で期待していた Spotlight 検索画面の追加も、ほんと検索に使えるってだけで、Home 画面利便性向上には何の足しにもならんかった。「入力したら返ってくる」じゃなくて「入力しなくてもある程度表示してある」って仕組みが要るだろう。ストローク数的にも。
- 「来週の木曜って何日だっけ?」と思ったときにカレンダーアプリを起動しないと確認できない、のはまだいい。けど、「あれ、今日は何日の何曜だっけ?」と思ったときに、カレンダーアプリがあるページまで移動しないと日付すらわかんないのは、かなりアレだ(←まあ実際には「わからなくなった時点でスリープボタン押す」「再度押す」「起動画面で日付と曜日を確認」「アウェイクして操作続行」が最速操作なんだが)。
- iPhone は標準アプリに関してはマルチタスクに動作しつつも、オペレーションとしてはシングルタスクを要求するハードなので、とにかく「別のことやろうとしたら、一旦アプリから出て Home に戻って、別のアプリを立ち上げて操作して、また Home に戻って、もとのアプリを立ち上げなおす」というかんじで、いろいろやってる間に何度も Home 画面を挟む設計になっている。これ自体が WM 機からの移行ユーザからしてみるとダルいわけなんだけど(←タスクバー表示させてれば画面 1 タップで複数のアプリを切り替えつつ作業できる)、まあメモリ少ないんだし、どのみちモデジタルガジェットはお人形にはなりえてもソファにはなりえぬのだと、ある程度割り切りは必要と諦めている。きっと iPhone も 4.1 か 5.1 になる頃には便利になるだろう。
- でもまあその「何かやるたび通過しなきゃいけないバックヤード」としての Home 画面の落ち着きのなさは、どうも透明なメディウム感が低くてオサレから遠いんじゃないか。コンベンションセンターをイメージすると、あっちこっちの部屋に出入りするため毎回ロビーを通ってるってよりは、厨房とか貨物用エレベータとかで出入りしてるかんじだ。出先でいろいろやったあとで戻ってきてホッと一息して、じゃあ次は何しようかとボンヤリできる数瞬が提供される、そういう Home 感って望みようもないほど高級なものか?
- …というあたりで「いやそれ iPhone だけの話じゃなくて。Mac OS にも Dock てのがあるやん。あれもマウスのっけるとズームするあたりの挙動が、よかれと思ってやってんだろうけど、急かされてるようで落ち着かん。何かやりたくなったら勝手にはじめるから黙って待ってろやボケと思う」みたいな話を聞いて、あーと思った。
なんかこー、こっちから何かアクション起こさなくても、とりあえず淡々と情報を表示してくれる待機画面ってのはダメかね。予定表や ToDo を使いこなしたり、通信端末として使いたおしたりする用途だと、受身に「いま必要な情報」を適切に摂取できるのって、けっこうありがたいんですけど。
iPhone に対する不満 - スリープ画面ストーリー
前回(http://d.hatena.ne.jp/matakimika/20090719#p2)の不満に関して、おれが考えた脳内 iPhone 開発バックストーリー。
- 開発者「ウェイクアップ画面についてですが、カレンダーと新着情報表示機能を仮実装してみま…」
- Jobs「すざけんなてやんでえべらぼうめ何年うちの釜のメシ食ってんだああhrぅrgるrヴbヴぉ3r?!(ドガシャーン)」
- 開発者「!!」
- Jobs「…お前携帯電話知ってる?携帯電話をご存知ですかァ?」
- 開発者「…?」
- Jobs「知ってるかつってんの。知ってるかって訊いてんの」
- 開発者「知ってます」
- Jobs「(携帯電話を取り出し)これ便利だよねえ。こう、ポケットから取り出すよね?そんでボタン押すとさ、新着とかすぐわかるの。あー電話あったなーって。メール着てたなーって。わかる?」
- 開発者「ええ、便利だとおもいます。ですから…」
- Jobs「fhw路魏wrgぼ;びえべひfrしおいうぇ(ズドゴシャー)!!!!」
- おしゃれライフスタイルコーディネーター(以下 OLSC)「(手を挙げて)…宜しいです?」
- 開発者「はい」
- OLSC「あのー、新着情報の確認が手早くできてしまうと、ポケットからスッと取り出してパッと確認して、すぐ iPhone を仕舞っちゃうことだよね」
- 開発者「はあ」
- OLSC「逆に考えるんだ。「手早く確認できなくてもいいな」って考えるんだ。確認を面倒にすれば、みんな iPhone を一回取り出したら、しばらく持ったままいじり続けるようになるだろ?」
- 開発者「ええ」
- OLSC「さらに窓口を分散させてしまえば、あれやこれやと確認してるあいだに Home 画面を見ながら「ああ、これもやっとこう」「ついでにこれも見とくか」みたいに、どんどん使ってもらえるよね」
- 開発者「なるほど」
- OLSC「そうすると、街中で iPhone 持ってるひとは、ほかの携帯電話を持ってるひとよりも、端末を取り出していじっている時間が長くなるから…」
- 開発者「バズマーケティング大勝利につながると」
- OLSC「エグザクトリー(その通りでございます)。せっかく目立つ端末を作って、目立つイヤホンを付属させても、本体露出時間が短ければ意味がないからね。それが本当のデザインってものなのさ」
- 開発者「じゃあ、Home 画面から画面を下方向にスライドして呼び出せる、電話もメールもショートメッセージも RSS もミニブログも一括で管理できる超便利なダッシュボード機能も、必要かなと思って一応作っといたんですけど、ナシにしときましょうかね」
- Jobs「うん、だんだんわかってきたじゃないの。その調子で頼むよ」
とかなんとか。