IBM Personal Computer
1981年に発売された、IBM最初のパーソナルコンピュータ。正式な型番はIBM 5150。
また、その後継機種に使われたブランド。(IBM PC/XT、IBM PC/AT、IBM PCjr.など)
当初のスペックはCPU i8088・RAM 16KB・FDD 160KB・別売りビデオカードはモノクロ表示が標準(MDA)というものだった。(ただしすぐにマイナーチェンジされRAM 64KB・FDD 320KBに増強、640*200の低解像度ながらカラー表示可能なCGAが一般化した)。
それまでパーソナルコンピュータを無視していたIBMが急遽参入を決定したため、IBMの伝統である独自アーキテクチャを捨ててハードウェアにはIntel製のCPUや周辺IC、OSにはMicrosoftからのOEMであるPC-DOS(MS-DOS)を採用した。また周辺機器やアプリケーションの自社開発も間に合わなかったため*1、システムバスの仕様などを公開し、サードパーティーの参入を促した。
ある意味でのオープンアーキテクチャ戦略は成功し、Apple IIやCP/Mマシンが主流だったPC市場を一時期は席巻したが、安価で高性能な互換機が数多く生み出され、やがてIBMの支配力は低下していくことになる。しかしIBM PCのアーキテクチャ自体は実質標準になり、現在のWindowsマシンにまで続いている。
*1:たとえば、純正として売り出されたディスプレイやプリンタは、それぞれ松下電器・エプソンからのOEMだった。