法律違反?
法律を知らないリゴリスト - 玄倉川の岸辺
私もこの件で、「法律違反」だの「憲法違反」だのと言う人たちを見て、ほとほと呆れてしまった一人である。
玄倉川さんはお優しいから「少し落ち着いてほしい」と呼びかけていらっしゃるが(つまり、ある種のそそっかしさの問題であるとソフトな眼差しを与えていらっしゃるが)、私の眼差しはもっと厳しい。
ネットでは言葉を発している人の素性は必ずしも明らかではない。
だから、小中学生あたりがそう言うのであれば、まあ、仕方が無いかと思う。
高校生くらいなら、もはや軽蔑を感じる。
大学生や社会人ならば論外だ。
社会知識の絶望的な欠如、その自覚のなさ、鈍感さ、それに問題意識を持たない独善的な性格、ため息が出るばかりだ。
車を運転しようとするならば、免許がとれる程度の操作知識、交通知識を得ようとするのは当然である。
政治経済を論じる、口出しをしようとするならば、ともかくも常識程度の知識は得ようとするのは当然ではないか。
無免許運転や酔っ払い運転が法律違反であるのみならず、道徳的な鈍感さ、罪悪の表れであるように、この程度のことも知らない、調べようともせずに政治を語るのは、無免許運転をするがごとしである。
私がこの件で感じたのは、無知な愛国者なるものは存在し得るかということだ。
とは言え、ここまで書いて思ったのだが、私や、おそらく玄倉川さんもそうだろうが、私から見て、「こんなことも知らないのか」と呆れ返るようなことでも、彼らから見れば「無駄に専門的な知識で煙に巻いている」ように見えてしまうのかも知れない。
第何条が何々で、判例がこうこうで、というのが私からすれば専門的な話に相当するのだが、彼らからすれば、既にこのレベルでそれに相当してしまうのかも知れない。
この話は、司法の機能、入管における法務大臣の権限の大きさという一般的な知識を持っていれば、感覚的にそれが法律違反とするのは無理筋だと分かるものだが(つまりそれが私が要求する程度の常識である)、もう既に、そのレベルで、無駄に知識をもてあそんでいるかのように見えてしまうのかも知れない。