性暴力に関する司法制度についての入門書

 私は法学専攻ではないので、いつも司法制度について勉強するのには苦労しています。判例集なども見ますが、性暴力事例は残念ながら、あくまでも「法律の専門家」によって書かれており、「性暴力の専門家」がコメントしているものは稀です。
 同じく、司法に関心ある方のために参考になった本を挙げておきます。(他にもあれば教えて下さい)

大阪弁護士会人権擁護委員会性暴力被害検討プロジェクトチーム『性暴力と刑事司法』

性暴力と刑事司法

性暴力と刑事司法

 弁護士、研究者、カウンセラーなどが共同執筆した入門書。判例の分析や、性暴力に関する法律・制度の問題点、各国の状況がまとめられている。2014年に刊行されており、入門書に良いと思う。

吉川真美『女子のための「性犯罪」講義ーーその現実と法律知識』

女子のための「性犯罪」講義―その現実と法律知識 (Social Compass Series)

女子のための「性犯罪」講義―その現実と法律知識 (Social Compass Series)

 刑事司法手続きをコンパクトにまとめてある。具体的な判例の検討が多く、「学生からの質問」という形で、司法関係者以外にもわかりやすく解説している。

第二東京弁護士会 両性の平等に関する委員会 司法におけるジェンダー問題諮問会議編『事例で学ぶ司法におけるジェンダー・バイアス』改訂版

事例で学ぶ 司法におけるジェンダー・バイアス【改訂版】

事例で学ぶ 司法におけるジェンダー・バイアス【改訂版】

 家事事件(離婚等)、性暴力、労働裁判、DV、セクハラ、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(中絶等)、外国人問題(人身取引等)などの問題を、ジェンダーの視点から取り上げた一冊。具体的な事例が豊富に挙げられている。