オバマはSNSでキャズムを超えた

  1. 自分のサイトにSNSを導入。(「オバマを応援する」という名目で集まった人たちが地域ごとに交流できるように。)
  2. サイトから簡単に寄付できるようにして支援金1億ドルを獲得(最小として一口5ドルまで用意して小額の寄付を大量に集めた)
  3. 集まった支援金を元に各地に大量に選挙事務所を設立(ネット特有の浮ついた意思が現実的にちゃんと票になるように活動)

これらの3段活動によりオバマ候補は
票が絶対に揺るがない完全な支持者を大量に獲得することに成功した。

2ちゃんねるの書き込みなので「本当かな」と思ったけど、次の記事には同じことがもっとしっかり書いてあった。

選挙運動でとくに駆使されたのはソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)のmy.barackobama.com(マイ.バラックオバマ.コム、略称:MyBO)。バラック・オバマはSNSが選挙戦に「大きな貢献をした」といい、自らも携帯情報端末のブラックベリーを選挙戦中、活用していた。

SNS、MyBOの立ち上げには、インターネット世代の旗手、クリス・ヒューズが先頭に立って参画。ヒューズはSNS大手、Facebook(フェースブック)の共同設立者で、オバマと同じハーバード大卒だ。アフガン進攻やイラク戦争を起こしたブッシュ政権に疑問も持ち、オバマ候補に意義を感じたヒューズは、高給だったFacebookを辞めて、オバマ陣営に加わった。

なんとFacebookの設立者の一人が参謀として加わっていたようだ→オバマ氏を支えた「Facebook」の元ファウンダー at ブログヘラルド

ヒューズを初めとする選挙本部では、ヒューズと同世代の若者たちを初めとするインターネット世代に、選挙のボランティア活動参加を呼びかけ、親にも説得するよう訴えていった。つまり、ネットを扱い慣れた若い世代を、選挙運動のマーケッテイング要員と化し、効率的に選挙選を展開していった。

ネットを使ったオバマ選挙戦のグループ会合は、なんと15万回以上行われ、若者たちはさらに選挙運動に参加していった。オバマが大統領選に勝った時、投票権を得たばかりの18歳以上の若者たちが「自分たちでも社会を変えることが出来たんだ」と、大騒ぎで喜んだのである。

また、この仕組みなら、金銭的にそれほどゆとりのない若い有権者でも、1回10ドルなど無理のない額で献金できる。オバマ陣営は約100万人の個人献金者を集めた。既に献金してくれた人に、メールで追加の献金を依頼したり、インターネットで彼らの友人たちにも献金を促していった。こうしてオバマは6億ドルという巨額な献金を集めたのだ。選挙選直前になるほど献金額は劇的に増えていき、今年9月には1億5000万ドルを集め、ゴールデンタイムにオバマの選挙選コマーシャルを全米7大ネットワークで流すことができたのである。

これは、バナー広告、検索連動型広告、AdSenceのような、ネットのビジネスモデルにおける革新ではないだろうか。

もちろん政治はビジネスではないけど、「ネットの中のアテンションを現実世界におけるパワーに転換する仕組み」と広義にとらえれば、「SNS+小口献金+集会」というモデルは、汎用性のあるビジネスモデルと言ってもよいと思う。

「オバマはネットをよくわかってる」「ネットをうまく使ったね」と上から目線で見てしまいがちだけど、そういうレベルの話じゃなくて、チーム・オバマはこれまで誰も気がつかなかった創造的なやり方でネットを使ったと見るべきじゃないだろうか。

ただ、アメリカの政治では、歴史的に「小規模の地区単位の集会」の意味が大きい。オバマのビジネスモデルはそこにうまくはまったという面はあると思う。集会は特殊要因として除外して、「SNS+小口献金+α」と理解した方がいいかもしれない。

ネットの中には手弁当でもいいから何かをしたい(けどその意欲の行き場を見つけられない)人がうじゃうじゃいて、そういう人を動員できれば凄いパワーになる。それが+αということだろう。


一日一チベットリンク→La democrazia con gli occhi del Buddha » Orientalia4All(なんだかわからないけどあの人と一緒に写ってる)