上島竜兵という生き方①「英雄にあこがれて」

「自分より絶対バカだと思うヤツに、「あいつバカだよ」って笑われたい」    (ダチョウ倶楽部)

竜ちゃんこと太陽さま・上島竜兵が関西出身ということはあまり知られていない(?)。
関西弁を話す竜ちゃん……。全く想像ができない。
さらに彼は、実は役者志望だったのだ!


映画『パピオン』のパンフレットに「主演スティーブ・マックィーンのギャラ3億」と書いてあるのを見て役者になりたいと思う。
三國連太郎、山崎努、田中邦衛、西田敏行など渋い演技派に憧れ、三國連太郎のような眼になりたくて、爪楊枝で眼の下をプチプチ刺していた。
専門学校を中退し上京。
西田敏行、竹中直人らを輩出した青年座に入団。
が、1年後、母親が倒れたため一旦神戸に戻る。
再び上京し、青年座の入団テストを受けるが
声を出してパントマイムをしてしまい落選。
その後、野田秀樹の「夢の遊眠社」「文学座」なども受けるが落選。
結果、「テアトルエコー」の夜間部に入る。
ここで寺門ジモンに出会う。
そして「お笑いやらないか?」と誘われる。
が、「俺はお笑いには自信がない」と当初は断っていた。
しかし、劇団からも残れそうもないことになり
寺門が強引に切り開き、「テアトルエコー」の先輩渡辺正行に会うことに。
が、その直前「やっぱり芝居がやりたい」と
寺門には内緒で、劇団どらに入団する。
が、「絶対に表に出ず、アングラ劇団として本当の演劇を貫く」
という主催者の言葉を聞いて、即退団。
お笑いの世界へ。
渡辺から「ストリップ劇場で仕事しろ」と言われるが
当時まだ演劇指向のプライドから、何と拒否。
六本木のショーパブ「バナナパワー」で「ダイナマイトボーン!」という
コンビ名で活動を始めた。
その後、渡辺から「南部って奴が、若い奴集めてやってるから」と紹介され、
新宿のタイムズと言う喫茶店で南部虎弾*1と肥後克広に出会い、総勢20人の
パフォーマンス集団「キムチクラブ」が結成される。
「東京乾電池」のようなものを目指していたが、結局人が抜けていき
南部、肥後、寺門、上島だけが残り「ダチョウ倶楽部」が誕生する。
そして以前出演していた「バナナパワー」でネタを披露することになる。
この頃は南部が大ボケで、他の3人が普通のコントを作るという構成。
南部が方向性の違いで抜ける*2と、上島がツッコミ役に。
それが中々上手くいかず行き詰ると、ものまね番組で一緒になった
笑福亭笑瓶に相談。
「ボケやったら竜ちゃんやな!」
といわれ、即変更。
この頃は、「ダチョウ倶楽部はネタは面白いけど、トーク番組や
バラエティ出たらダメ」という評価だった。
そして転機となるのが伝説の番組「お笑いウルトラクイズ」だった。
当時まだセンスやトークで笑わしたいという理想を強く持っていた3人は、番組になじめず1回目は、ただただ他の出演者を見て笑っていただけだった。
「2度と出たくない」と思っていたが他に仕事もなかったため数合わせでブッキングされていた。
途中まで何も出来なかったが「熱湯イントロクイズ」の時、たけしが
井出らっきょを呼び、裸になるように指示してるのを見て
「これだ」と思い、海パンを脱ぐと、マイクをお尻の穴に突っ込まれ大爆笑。
これが、リアクション芸人上島竜兵の誕生した瞬間だった。

世の中に冷たくされて 一人ボッチで泣いた夜
もうだめだと思うことは 今まで何度でもあった
真実(ホント)の瞬間はいつも 死ぬほど怖いものだから
逃げ出したくなったことは 今まで何度でもあった


終わらない歌を歌おう クソッタレの世界のため
終わらない歌を歌おう 全てのクズ共のために
終わらない歌を歌おう 僕や君や彼等のため
終わらない歌を歌おう 明日には笑えるように


終わらない歌を歌おう 一人ボッチで泣いた夜
終わらない歌を歌おう キチガイあつかいされた日々
     (ザ・ブルーハーツ「終わらない歌」真島昌利)

*1:現・電撃ネットワーク=東京ショックボーイズ

*2:直接の原因は「ひょうきん予備校」に出演した際に、スタッフから「面白いから先輩を怒らせろ。」と言われたのをいいことに、大先輩であったハナ肇に対し「あなたは本当に面白くないですね。」と言い、ハナ肇を本当に怒らせてしまったため、事務所から追放されたらしい