半分の中国製使い捨て食器は毒
先日、大腸菌や結核菌、エイズウィルスなどが中国製紙ナプキンや爪楊枝から検出され、中国製品はもはや怖くて使えないというエントリを書いたところだが、それから1週間もしないうちに、厚生労働省が、中国から輸入販売された練り歯磨きから、毒性のあるジエチレングリコール(DEG)が検出された発表、輸入販売元は商品の自主回収を始めた。検出量は微量で毎日使ったとしても健康に直ちに害が出ることは無いと言うが、毒物を摂取させられていると考えるとぞっとする。
米国政府は中国製練り歯みがき廃棄を米国民に呼びかけており、有毒物質を含有する中国製製品の問題がクローズアップされている。DEGが混入した中国製練り歯磨きはパナマ、ドミニカ共和国、オーストラリア、米国、そして今回、日本で発見されたように、世界中に流通しているようだ。FDAによると、中毒患者の報告例はないが、混入したDEGの濃度は3〜4%で、腎臓や肝臓に疾患がある消費者には発病のリスクがあるという。
そして中国国家品質監督検験検疫総局(質検総局)はこのほど、使い捨て食器の半数以上で品質が不合格だったとの調査結果を発表した。
特に問題が深刻なのはプラスチック製の弁当箱、椀やトレーで、原料に廃棄プラスチックが使われていたり、薬品が添加されているために、熱い食品や油を入れた際に有害物質が溶け出し、急性あるいは慢性中毒の原因になるという。胎児に奇形を生じさせる催奇性物質や発がん性物質も指摘された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070622-00000007-scn-cn
半数もの製品に問題が発見されたという事実は極めて衝撃的である。日本に輸入されている中国製製品が残りの安全な半数である保証はどこにもなく、それらも高い割合で有毒物質を含有していると考えた方がよい。日本では製造コストの安い中国産の紙コップや割り箸などの使い捨て容器・食器が大量に流通しているが、それらを継続的に利用することで体の中に有毒物質が少しずつ蓄積されている可能性がある。
ただし、2ちゃんねるの書き込みによれば、現状のスーパー、コンビニエンスストアなどで利用されている食品容器の大半は国産で、中間に再生材を利用することはあっても、食品に接触する表面にはバージン材(再生材ではない材料)を利用しているようだ。これは、原反シート成型時に出る端材を粉砕したものを再溶融したものであり、密閉された製造建屋において200〜300℃で成形されるため、雑菌や危険物質混入の可能性は低い。ただし、最近原材料が高騰しており、産廃品や一般廃材料を使用した再生材の利用の増加が見込まれることから、本当に容器が安全かどうかは分からない。
一方、ダイソーなどの100円ショップで売っている使い捨て容器は、純然たる中国産であり、まともな衛生管理が行われているか疑わしい。ダイソーの紙コップ*1に記載されている注意書きを読むと「食品衛生法に準じて飲料用簡易コップとして製造されております」と記載がある。食品衛生法の対応する規定は次の通りだ。
第15条 営業上使用する器具及び容器包装は、清潔で衛生的でなければならない。
http://www.houko.com/00/01/S22/233.HTM
第16条 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着して人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装又は食品若しくは添加物に接触してこれらに有害な影響を与えることにより人の健康を損なうおそれがある器具若しくは容器包装は、これを販売し、販売の用に供するために製造し、若しくは輸入し、又は営業上使用してはならない。
もちろん、これらが本当に守られているのならば問題ない。しかし、半数の容器に問題が見つかる中国の外注工場において製造されている容器が、本当に食品衛生法に準じて製造されているかどうかをどのような手順で確かめているのか。社内規定はどうなっているのか。そもそもまともな社内規定が存在するのか。これだけ問題になっているのにダイソーは一切何の表明も行っていない。もちろん、ダイソーの製品でなにか問題が出たわけでもないが、顧客の安全を第一に考えるのならば、自社の扱っている中国製製品の安全性確保に対する施策と現状などを説明するべきだろう。
中国政府関連部門は今後2年内に金属、紙、陶器製の食品包装、容器などに対して許可制を導入する方針だというが、それではあまりに遅すぎる。日本を含む全世界で中毒症状を訴える患者が急増、奇形児が続々と誕生し、癌患者数も増加、そんな地獄絵図を回避するには中国製製品の利用を控えるのが一番のようだ。
*1:材質はバージンパルプ100%とあり、得体の知れない再生材が使われていることはなさそうだ