まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

妹=絶滅したのです

妹=絶滅したのです (ファンタジア文庫)

妹=絶滅したのです (ファンタジア文庫)

ストーリー
男→女の順で子供が生まれなくなった世界。
地球上で唯一の「お兄ちゃん」となった勇巳は、実妹の伊織と二人、平穏な日々を過ごしていた。
そんな勇巳のもとに、お兄ちゃんというものに憧れていた美少女が次々に襲来してきて……。



世界で唯一の「お兄ちゃん」になった主人公を求めてトンデモな肩書きを持った美少女たちがやってくるドタバタ妹ラブコメ!
男→女の順で子供が生まれなくなったから世界で唯一の「お兄ちゃん」と「妹」です、って設定、ちょっと天才すぎるでしょ……。
押しかけヒロインたちも日本最強の剣豪やら大財閥の総帥やら外国の王女様やら、頭悪くてサイコーである。脳みそカラッポにしてゲラゲラ笑って読むべし!


実は数十年前からなぜか男児の次に女児が生まれなくなっており、何らかのイレギュラーによって地球上で最後の「お兄ちゃん」であることが判明した主人公・勇巳と、同じく地球最後の「妹」・伊織。
そんな至って普通の兄妹のもとに押しかけてきたのは、全国区の剣道道場の総師範・久遠、世界に名を轟かす巨大財閥の総帥・瀬理、ヨーロッパのトライヤード王国王女・テレサの3人。
普段から皆をまとめたり、大人っぽく振る舞ったりすることを強いられている彼女たちは、伝説に聞く「お兄ちゃん」なら自分を甘えさせてくれるだろうという期待のため! なるほど、それなら美少女がいきなりやってきて「頭なでなでして」とか言ってくるのも納得だな!(?)
「お兄ちゃん」に甘えるためならば、学校も買収するし外交で圧力もかけるし、かと思いきや一緒にお風呂に入ることも辞さないし、もうやりたい放題の彼女たち。その無茶苦茶な暴走っぷりに笑いが止まりません。


そんなご新規「妹」たちに対して打って出たのは、世界唯一の真の「妹」こと伊織(8歳)。
お兄ちゃんに甘えるっていうのはこうやるんだよ! とばかりに、「妹」としてのベテラン甘えスキルをシロート妹たちに存分に見せつけていくのだ! こ、これが……本物の「妹」の力というものか……ッ!
しかし肝心のお兄ちゃんときたら、持ち前のお兄ちゃんスキルが発動しすぎて、結局みんなを甘やかしちゃうもんだから伊織としてはたまらない。
実の妹 vs 妹希望の美少女3人……。謎の構図がお兄ちゃんをどんどん追い詰めていく。妹を持つお兄ちゃんは大変なのです。
現状、あくまで「妹」になりたいだけであって、恋愛関係は微塵も求めていない様子のヒロインたち。果たしてずっとこのままなのか、それとも「妹」から逸脱してしまう女の子が現れるのか? 個人的にはぜひとも瀬理にひと肌脱いでほしいところですが……続刊に期待です。


イラストはちこたむさん。テレサのキャラデザが特に好きですね。
あのコスプレはちょっと反則なのでは……!


ですです口調の伊織ちゃんが可愛いのです。