世界の終わりと、ピントチェック・ノイローゼ

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デジタル一眼レフカメラを使うようになって、もっぱら使用シーンが特定主催者の撮影会ばかり。その撮影会に最適化した機材を準備するようになり、情報はフォトテクニックデジタルという雑誌に頼りきり、他のインプットには目が向かず、ダラダラと順番に、有名な撮影方法などの知識を積むようにしてきた。
 
 
20110612t05
オリンパスのE-P1、パナソニックのDMC-G2、それからニコンのD40を使っている。一時はG2も4台ぐらい持っていたし、カメラの台数は増減が激しい。大勢がレフ係さんに引率されてみんなで囲んで撮る撮影会に最適化、どうしても今は単焦点レンズをいろいろ使いたい、レンズ交換をその場でいちいちしたくない、ということで台数が増える。レンズもありえないほど増える。クリップオンストロボも山ほど、ということだが、それでも基本的な手法をそれなりに満足に駆使できるようになかなかならない。
とくに苦労するのはピントだ。マイクロフォーサーズを使用しているときは、コントラスト・オートフォーカスに任せておけばそれで良い。マニュアルフォーカスレンズを使うならば、背面液晶を拡大して、自分で合わせることは、とくにDMC-G2を使えば、難しくない。しかし、高速シャッターでストロボが使えるという利点のために他にあまり選択肢のないCCD仕様のデジタル一眼レフ、Nikon D40 を使いだすと、これはピント合わせでかなり悩まされるのだ。
 
 
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どこのネジをひねればどうなるか、の大雑把な知識はあっても、それで他のレンズとの相性が悪くなっても困る。実際に、ニコンの50mm単焦点、AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G のレンズを使用していて、あまりにもピントをはずすため、銀座のニコン・サービスセンターへ持ち込んでみた。自分でチェックした限り、ほかにシグマの30mm F1.4 EX DC HSMを使用していても、前ピンがひどい傾向があった。Tamron SP AF90mmF/2.8 Di でも合わない。これはD40のボディに問題があるのだろう、と。
しかし結果は、ボディにも多少の問題があるが、根本原因はレンズの前ピンだと言われてしまった。サービスセンターではボディ側の調整は無料でしてくれるのだが、レンズ側の調整はできない。工場送りにすると、2万前後かかる場合もある。それは困る。なので、手持ちの4台のD40のピント傾向にバラつきがあるので、これをオタクの基準レンズでピントが合うように、すべて揃えてくれろと頼んで、それを持ち帰ってきたのだ。が。
 
 
20110612t07
それでも満足のいく写真にならない。ので、自分で精密なピントチェックをしたいと思っていた。
参考にしたのは、こちらのブログ様・・・http://towave.net/otherside/?p=610
チェックシートは、こちら様・・・フォーカスチェックチャートとチェック用ソフト: 【にけの独り言】 -にけ@横浜-のものを使った。
PDFをダウンロードし、セブンイレブンに転送。セブンイレブンに行き、30円でプリントアウト。それからダイソーで厚紙を購入。貼り付けて、立てかけた。、
 
 

D40 1号機 で、各レンズを試す

01_1号機でNIKON50mm1.4
Nikon D40 1号機 + Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G の絞り開放。
これは、もともとD40の1号機を使っているときは良いのだが、2号機でピンズレを頻発していた。そして、自分はたいてい2号機で単焦点を使っていたのがまずかった。青いグラフが振れているところがピントの合っているところとなる。中央にピントを合わせているため、左右の山が均等であるほど良い。右の山が大きければ前ピン、左の山が大きければ後ピンだ。
 
 
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手持ちレンズの中でもっとも被写界深度が薄い。よくボケる。のだが、瞳にピントが合わないと、ポートレートとしてはほぼ確実に失敗写真になる。悩ましいところだ。
 
 
02_1号機でSIGMA30mm1.4
Nikon D40 1号機 + SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
これはかなりの前ピン。このレンズはもともとクセ玉ではあるのだが、中央でピントを合わせると、そこは大変シャープに写る。ニコン純正の単焦点でも開放でここまでシャープにはならんよ、とハッキリ分かるほどシャープになる。のだが、前ピンではなかなか当たりSHOTとはならない。
 
 
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過去このレンズで撮った写真を見ると、やはりピンボケが多い。残念なことだ。この写真はF1.6で少しだけ絞っている。
 
 
03_1号機でSIGMA50mm1.4
Nikon D40 1号機 + SIGMA 50mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
同じ50mmF1.4でも、こちらはシグマ。大きくて重たい分、開放のシャープネスが高い。オートフォーカスも早い。1号機でならば使えそうである。しかし、このレンズは絞るとピントがズレるという欠点を持っている。APS-Cカメラで単焦点など、ほとんど開放で使うのだが、しかし、この欠点ゆえに少し安く売られているレンズだ。(ニコン純製のほうは、AFが遅く、F1.8〜F2.4あたりで口径食があり、ボケが汚く、開放付近の絵がソフティ)
 
 
04_1号機でSIGMA50mmF14
シグマの50mmを、1号機でピント許容範囲となったF1.4から、徐々に絞っていくとどうなるか。まずはF1.4。
 
 
05_1号機でSIGMA50mmF20
F2.0。うーむ、後ピン傾向である。
 
 
06_1号機でSIGMA50mmF28
F2.8。でもまぁ、使えないレベルではないかもしれない。1号機ならば。
 
 
07_1号機でSIGMA50mmF40
F4.0。後ピン傾向が加速している。
 
 
08_1号機でSIGMA50mmF56
F5.6。ここまで絞るくらいなら、キットのズームレンズのほうが良く写る?のか?
 
 
09_1号機でSIGMA50mmF80
F8.0。こうなるともう、よく分からない。F2.8〜F4.0で影響大か。
 
 
10_1号機でTamronF28
Nikon D40 1号機 + Tamron SP 90mm f/2.8 の絞り開放。
今までさほど気にしていなかった、タムキューを調べて見て悶絶である。めっちゃ後ピンやんけ。。。
 
 
11_1号機でTamronF40
F4.0まで絞ってみた。このレンズは焦点移動があるという話はないので、そのままズレとる。
 
 
12_1号機でTamronF56
F5.6。悲しい。タムキューを1号機で使ったことがないので、気づかなかった。
 
 
13_1号機Tamronで寄りF28
こいつはマクロレンズなので、寄りのF2.8で撮ってみたところ、後ピンは解消した。遠景で発生するようだ。
 
 
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2号機で使うことがほとんどだったけど、どちらかというと前ピン傾向だったような気がするのだが。よく分からない。合っていないのは確か。
 
 

D40 3号機 で、タムキューを試す

14_3号機のT28_04
Nikon D40 3号機 + Tamron SP 90mm f/2.8 の絞り開放。
これは同じレンズを、比較的新しい3号機で試した場合。かわらず後ピン。
 
 
15_3号機のT28_05
3号機で寄り。この距離だと大丈夫だ。
 
 

各レンズを、1〜4号機でそれぞれ試し、相性を調べる

21_1号機のTamron90mm(17088)
Nikon D40 1号機 + Tamron SP 90mm f/2.8 の絞り開放。
ニコンのサービスセンターで調整してもらったのだから、ボディごとの違いはないつもりでいたのだが、いろいろ試していると、そうでもないようなので、もう一度確認しようと思った。まず、1号機は距離が離れるにつれて、後ピン。
 
 
22_2号機のTamron90mm(13127)
Nikon D40 2号機 + Tamron SP 90mm f/2.8 の絞り開放。
2号機は後ピンが顕著。てことは、2号機ボディも後ピン傾向残ってる?
 
 
23_3号機のTamron90mm(4922)
Nikon D40 3号機 + Tamron SP 90mm f/2.8 の絞り開放。
3号機も後ピン傾向。1号機と同等レベルなので、距離を離すとピンボケ濃厚。
 
 
24_4号機のTamron90mm(16559)
Nikon D40 4号機 + Tamron SP 90mm f/2.8 の絞り開放。
4号機は、どうやら一番まともなようだ。タムキューは4号機で使おう。
 
 
25_1号機のSIGMA30mm(17086)
Nikon D40 1号機 + SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
シグマはどうか。1号機はやはり前ピンが再現した。
 
 
26_2号機のSIGMA30mm(13126)
Nikon D40 2号機 + SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
2号機。タムキューで後ピン加速してたので、こちらでは逆に合うのでは?と期待したがダメだった。
 
 
27_3号機のSIGMA30mm(4921)
Nikon D40 3号機 + SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
3号機。ダメですなあ。。。
 
 
28_4号機のSIGMA30mm(16558)
Nikon D40 4号機 + SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
4号機。このレンズは4号機でも前ピン。どうしようもないな。。。DMC-G2にアダプタ挟んで使うしかない。中央のシャープネスはF1.4でもタムキューに匹敵するカリカリ具合で、とても個性あるレンズなのだが。
 
 
29_1号機のSIGMA50mm(17085)
Nikon D40 1号機 + SIGMA 50mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
さて。シグマ50mm開放。1号機では使えそうである。
 
 
29_2号機のSIGMA50mm(17085)
Nikon D40 2号機 + SIGMA 50mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
ほええ。2号機でも使えそうですな。
 
 
31_3号機のSIGMA50mm(4920)
Nikon D40 3号機 + SIGMA 50mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
3号機で前ピン発生。たまたまかな。。。
 
 
32_4号機のSIGMA50mm(16557)
Nikon D40 4号機 + SIGMA 50mm F1.4 EX DC HSM の絞り開放
4号機でもやや前ピン。
やはりシグ50は1号機、タムキューは4号機が良いようだ。
 
 
 
もう一度試したら再現するのかどうか、とか、距離をもっと離したらどうか(このチャートは使えなくなるけど)とか、被写界深度の深いほかのレンズはどうか、などもいずれ試さないといられない。。。
 
 
 
カメラ、としては、小型軽量さとAFの正確さでマイクロフォーサーズを引き続き持つつもり。日常撮ることがあるとか、旅カメラとか、マクロとか強い。E-P1 + 20mmF1.7なら夜もそこそこ。レンズは大幅削減したのだが。
APS-Cサイズでは、日中シンクロ脳なので、D40を使う。夜も強い(が、ほどよいレンズがないかも)
20110521t05
レフ板を自分で使えるシーンならばいらないけれども、そうでなければ、ストロボを使いたいシーンが多い。(ストロボなきゃ真っ黒ですよ写真)
 
フルサイズは、悩ましい。
EOS5DMarkIIは、測距点が中央に集中していることが嫌だ。ストロボシンクロ速度も遅い。けどセンサー、画像は素晴らしい。ゆったり撮れる場所では最強だが、戦場カメラマン的にはちと。
D700は、デカくて重い。画素が少ないことのデメリットがどれくらいあるか。ファインダーの視野率が低い。
D3sは高い。


モデル
1枚目:坂上麻美@葛西臨海公園 2011.06.05
2枚目:桜田栞@秋葉原スタジオ 2011.04.30
3枚目:土田紗友実@お台場潮騒公園 2011.05.01
4枚目:坂巻唯@葛西臨海公園 2011.05.21
 
 
 
【追記】
念のため、Panasonic DMC-G2 + LEICA DG MACRO=ELMARIT 1:2.8/45mm でもやってみた。
コントラストAFなんだから、完璧の結果になるに決まっていると思っている。
 
 
 
LUMIX
ほほぉ、という感じ。
右側の波が乱れているのは、チャートシートの貼り付け時に糊が盛り上がって歪んでいるからだと思われ。
 
 
【さらに追記】
眠れないので、その後もいろいろ試していた。
分かったことなど。
チェックシートが平行でない場合の結果は、とくに前ピン、後ピンの根っこのふくらみには影響せず。
標準レンズは、VRがやや前ピン。ED2はS1で前ピン、B1で前ピン、B2のNEWがジャスピン。(4号機と3号機で確認)
超広角は、許容範囲と思われ。枠に入らないと前ピン。枠内でやや後ピンかも。
超望遠は、許容範囲。やや前ピンか。
 
3号機とシグマ50mmの組み合わせで前ピンになる件について、再確認したら再現した。orz
 
4号機とタムQの組み合わせで後ピンになる件について、再確認したら前ピンになった。タムQは不安定な気もする。