武器を捨てて手を上げろ/武装少女マキャヴェリズム1話感想
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鬼瓦輪役の高田憂希は前シーズンのメイドラゴンのエルマ役ですね。イメージがスムーズに繋がる声だ。
武装少女マキャヴェリズム 第1話「素晴らしき刃「鬼瓦輪」」
© 2017 黒神遊夜・神崎かるな / KADOKAWA / 「武装少女マキャヴェリズム」製作委員会
元はお嬢様学校、今は自衛のため武装した女子の闊歩する私立愛地共生学園。不良学生の更生機関のようにもなったこの学園に新たに現れた転校生とは……? 原作・黒神遊夜、作画・神崎かるなによる武術漫画のアニメ化です。
転校生と言えば最初が肝心、転校生の最初と言えばホームルーム……という事で、アバンとCパートに挟まれた本編がまるごとホームルーム(の時間)という構成がすっきりしていて心地良い。言ってみれば今回は学園全生徒、引いては視聴者に対する納村不道の自己紹介なわけです。
一見するとただの軽薄男の納村は、視聴者の共感を集めるタイプの主人公ではありません。むしろ何を秘め、何を考えているのかを想像させるタイプ。それは冒頭で「外敵」として議題に上がり、何の武術をやっているかは不明とされることからも見て取ることができます。だから謎は解いていかねばならない。鬼瓦輪が納村の動きにひたむきさや剣術の知識を見出した事に象徴されるように、彼女の攻撃は外的には納村が何者であるかに迫るアプローチでもあるのです。それに勝利しながらも「伝説の不良」「著名な剣豪の息子」みたいなしっぽを掴ませず、必殺の「魔弾」も更なる謎を提示するものでもあるのが本作の一筋縄ではいかないところですね。
また、自己紹介するのは納村だけと言うわけではありません。現実に存在する剣術流派を土台とする本作において、どの武術を使うかというのはバトルキャラクターとしての何よりの個性の提示になる。そう言う意味でも、メインヒロインたる輪が最初の相手になるのは必然なのでしょう。「戦うことで分かり合う」というのはバトル漫画の1つの会話術ですが、それがよくよく全体に行き渡った初回であったと思います。キスと共に仮面の半分が割れ、女の子の瞳が露出する……と言うのも、輪がクール女子という仮面を外すのに良い段取りでした。
しかしアニメで改めて見ると本作、言葉遊びをかけている部分が結構あるのですね。共生と矯正と去勢はもちろんですが、女子側は「武装女子」で男子側は「女装男子」というのが駄洒落てもいればねじれてもいる。「女装男子」の対は本来「男装女子」であるはずですがそうではなく、噛み合わない故にマツコ……もとい増子寺達は逆らうことができない。「武装女子」に相対するのは「非武装男子」です。だから納村だけが抗することができるし、彼は武器を持たず拳で戦う。
武術ウンチクも今回見る分には良く収まっていたし、1話は作品全体の「自己紹介」としては十分。これからのお話がアニメになるのを見るのが楽しみです。まずは期待に応えてくれて第1話でした。
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