ニュース

マツダ、2.0リッターエンジン搭載モデル「MAZDA SPIRIT RACING ロードスター」「MAZDA SPIRIT RACING ロードスター 12R」発表 価格526万5700円から

2025年10月24日 受注開始
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER:526万5700円(限定2200台)
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R:761万2000円(限定200台)
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(左)、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R(右)、2024年のスーパー耐久参戦車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」(奥)

 マツダは、モータースポーツ活動のサブブランド「MAZDA SPIRIT RACING」から「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(マツダ スピリットレーシング ロードスター)」と「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R(イチニアール)」の予約受注を10月24日より開始すると発表した。価格と販売台数は、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERが526万5700円で限定2200台。MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rが761万2000円で限定200台。

12Rは抽選販売、MAZDA SPIRIT RACINGは先着順

 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERとMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rは、2025年1月に千葉県の幕張メッセで開催された「東京オートサロン2025」で発表し、秋に受注を開始すると予告されていたモデル。

MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R(左)とMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(右)、奥はMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept
発表されたMAZDA SPIRIT RACINGの2車種の価格
発表されたMAZDA SPIRIT RACINGの2車種の限定台数

 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERは、10月24日から全国のマツダ販売店で先着順販売となるが、12Rは抽選となり、10月5日14時から倶楽部 MAZDA SPIRIT RACINGの公式アプリで10月20日の23時59分まで申し込みすると、10月23日に当選者の200名に連絡があり、その後マツダ販売店で商談をする運びとなる。

申し込みのスケジュール。12Rは抽選

 それぞれをマツダ販売店での契約後は、契約の早い順から2026年1月上旬から順次納車を開始する。

2.0リッターエンジンを搭載する幌付きモデルは国内初、12Rはさらに特別仕様

 今回発売するMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERとMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rは、「MAZDA SPIRIT RACING」の初の市販車。ロードスターRFと同じ2.0リッターエンジンを搭載したもの。MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERは184PSだが、12Rは200PSまで出力を向上させている。

 ただし、パワーアップしているだけではなく、安全と環境性能を犠牲にせず現行のロードスターRFと同等の排ガス基準を守りながら200PSを実現していることが大きな特徴。吸気ポートの形状変更と匠エンジニアの研磨、フレッシュエアダクト大型化とカム形状の変更、エキゾーストマニホールドを現行の4-2-1レイアウトから4-1化を実施、ガラス繊維のバンテージを巻いてステンレスメッシュで固定する方法を採用している。

12Rのエンジンの特徴

 また、ビルシュタインダンパーも現行のロードスターのモータースポーツベース車「NR-A」と部品そのものは同じだが、エンジニアがさらなるチューニングを施した仕様。

 そのほか、専用のストラットタワーバー、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERとすぐに分かるエアロパーツも採用。エアロパーツはリフトバランスを最適に造りこんでいるという。

 さらに、ダイレクトなトルク伝達と高負荷使用での耐久性を重視して、フライホイールをシングルマスフライホイールに変更。ラジエータの大容量化、サーモスタットの開弁タイミングの早期化、S耐参戦車と同じ低抵抗のピストンとピストンリングの採用、レカロと共同開発したバケットシートと、アルカンターラ内装、レイズと共同開発の専用鍛造アルミホイールなどを装備する。

 加えて、サーキット走行を楽しむ機能として、ヒールアンドトゥ操作時の回転上昇をアシストする制御を新採用し、スピードリミッターとブレーキオーバーライドシステム解除機能を搭載した。解除はある操作をすると解除でき、エンジンを切るまで有効。そのため、サーキットなどで解除操作を受けたとしても、一度エンジンを止めればもとに戻り、リミッター解除したままサーキット外に出ることはないという。なお、この仕組みはGPSを用いたものではない。

製造時にはマツダ初となる1G締め(地面に降ろした1G状態でボルトを締めること)を採用。エンジニアがアライメントも調整

 また、製造時にはマツダ初となる1G締めを採用。これは、通常のラインからサブラインに移し、エンジニアが1G締めとアライメントを調整してまたラインに戻すという、手間と時間のかかる方法で実現している。

専用エアロパーツはMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERとMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rの両方に装備

 12RではないMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERについても、2.0リッターエンジンを搭載するだけでなく、専用鍛造アルミホイール、アルカンターラ内装、エアロパーツなどを装備する。

推奨アフターパーツ「MAZDA SPIRIT RACING SPORTS PACKAGE」

 また、純正ではないが一部を除くマツダ販売店で購入可能となるアフターパーツ「MAZDA SPIRIT RACING SPORTS PACKAGE」も設定した。

推奨アフターパーツ「MAZDA SPIRIT RACING SPORTS PACKAGE」

 藤壺技研工業のチタン製スポーツマフラー、横浜ゴムのスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD09」、ブレンボのブレーキセット、OS技研のLSD&専用オイルなどがあり、これらはロードスターのエキスパートが「最適である」と評価して推薦している。

オーナー向けのイベント「MAZDA SPIRIT RACING OWNERS' RECEPTION」

 今回2車種を契約した将来のオーナー向けに、特別イベント「MAZDA SPIRIT RACING OWNERS' RECEPTION」を12月に実施。さらに、それだけではなく各種イベントを「MAZDA SPIRIT RACING EXPERIENCE」として、継続的に実施することも予定しているという。

オーナー向けのイベント「MAZDA SPIRIT RACING OWNERS' RECEPTION」を開催

MAZDA FAN FESTA 2025 at FUJI SPEEDWAYで発表

 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERの発表は、マツダファンフェスタが開催されている富士スピードウェイにて行なわれ、MAZDA SPIRIT RACING代表の前田育男氏、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER主査の齋藤茂樹氏、国内ブランドビジネス統括本部商品戦略チームリーダーの齋藤圭介氏が説明を行なった。

MAZDA SPIRIT RACING代表の前田育男氏

 前田氏は、現在手がけるスーパー耐久のST-Qクラスでの取り組みを紹介、技術を鍛えるMAZDA SPIRIT RACINGの活動の成果として、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERの受注開始があるとし、いろいろな苦労があったと振り返った。

MAZDA SPIRIT RACINGでは「共に挑む」
サーキットで磨き上げたマツダの技術と情熱を注ぎ込んだモデル

 主査の齋藤氏は今回、これまで国内の幌付きのロードスターに2.0リッターエンジンが載っていなかったことについて、搭乗時に「国内では1.5リッターがいちばんいいクルマ、2.0リッターは不要、重くなるだけと、NDロードスターの搭乗時に宣言してしまったことを理由の1つとして説明。

MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER主査の齋藤茂樹氏

 そして、スーパー耐久にマツダが参戦し、その技術を量産車にフィードバックするかたちで、ロードスターでスペシャルバージョンのクルマを作ろうという声が社内にあったことから、「MAZDA SPIRIT RACING」というブランドのもとに2.0リッターを搭載して出せば、(搭載しない宣言は)ウソにもならない」ということから企画を開始したことを明らかにした。

国内ブランドビジネス統括本部商品戦略チームリーダーの齋藤圭介氏

 また、商品戦略チームリーダーの齋藤氏は、今回の2車種の販売数について、部品の調達や生産上の都合とし、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERが2200台という数字になったのは当初2000台だったものを社内調整して2200台に引き上げたとした。また、今後のロードスターを含めたMAZDA SPIRIT RACING の車種については、「次のモデルの企画は具体的にまだ始まっていない」と説明するにとどめた。

実車を富士スピードウェイで公開

 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERとMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rの実車が、富士スピードウェイに展示された。

MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R
12Rはリアにエンブレムが装着される
ボディ中央のデカールも12Rの装備
レイズと共同開発の専用鍛造アルミホイール。12Rは外周にブランドネームをあしらう。タイヤは標準でブリヂストン POTENZA S001だが、これはMAZDA SPIRIT RACING SPORTS PACKAGEで推奨するさADVAN NEOVA AD09を装着
リアのマフラーエンド
12Rのリアまわり
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rの2.0リッターエンジン。見た目では黒いヘッドカバーを装着
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rの2.0リッターエンジン
アルカンターラでまとめられたインテリア
専用のバケットシート。ハーネスはオプションではMAZDA SPIRIT RACING SPORTS PACKAGEで推奨されたサベルトとのダブルブランド製品
12Rのタコメーターは200PSを発揮する7200回転のところに「▲」マークを配している
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERの2.0リッターエンジン
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERのインテリア。アンカンターラがふんだんに使われるのは12Rと同じ
シートはセミバケットタイプ
センターコンソールやシフトレバーまわりもアルカンターラ。ちなみに6速MTのみ
専用マットが装備される。ペダルは通常と同じだがヒールアンドトゥ操作時の回転上昇をアシストする機能が加わる
MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERのメーターまわり
2024年のスーパー耐久参戦車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」
2024年のスーパー耐久参戦車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」
2024年のスーパー耐久参戦車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」
富士スピードウェイに並ぶMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept