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マツダ、“チャレプロ”3期生が「マツ耐」に続き、富士スピードウェイ初開催の「メデ耐」にCar Watchロードスターで参戦

2025年10月4日 開催
マツダのチャレンジプログラム3期生の「マツ耐」参戦シーン

 マツダのシニアフェロー デザイン・ブランドスタイル監修を務める前田育男氏が、2022年4月に、“モータースポーツをより身近に、仲間とつながり、共にスピードスポーツを楽しむコミュニティ”として「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING」を設立。

 倶楽部MAZDA SPIRIT RACINGでは、eSPORTSの世界で活躍する選手にリアルモータースポーツを体験する機会を提供する「バーチャルからリアルへの道」と、ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズで優秀な成績を収めたドライバーから選抜し、スーパー耐久シリーズに挑戦する「スーパー耐久シリーズへの道」と、2つのチャレンジプログラム(以下、チャレプロ)を用意している。

「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING」の発起人マツダ株式会社 シニアフェロー デザイン・ブランドスタイル監修 前田育男氏
倶楽部MAZDA SPIRIT RACINGが展開しているチャレンジプログラムは2つある

 その「バーチャルからリアルへの道」の1期生である加藤達彦選手は、2024年にロードスターのパーティレースIIIジャパンツアーシリーズで年間チャンピオンを獲得し、見事2025年からはスーパー耐久シリーズST-5クラスに参戦している。

 そこで、加藤選手以外のチャレプロ生について、マツダ ブランド体験推進本部 ブランド体験ビジネス企画部 モータースポーツ体験グルーブ 主幹の後藤憲吾氏に聞いてみた。

──1期生の加藤選手は見事スーパー耐久へとステップアップしていきましたが、そのほかの1期生や2期生の選手の動向を教えてください。

後藤氏:加藤選手以外の1期生、2期生の方も、チャレプロが終了したら、「はい、活動終了」ではなくて、モータースポーツと長く関わっていけるように考えて動いています。実際に現在は多くの選手が、チャレプロの後輩の指導や、マツダファン・エンデュランス(通称:マツ耐)といった実戦のサポートに入ってくれたり、個々に作業量は異なりますが、モータースポーツに関わる活動を一緒にしてくれています。

マツダ株式会社 ブランド体験推進本部 ブランド体験ビジネス企画部 モータースポーツ体験グルーブ 主幹の後藤憲吾氏

──2期生からスーパー耐久に参戦するような選手は出てこないのでしょうか?

後藤氏:実は意図した訳ではありませんが、1期生は比較的リアルのモータースポーツをすでに体験した人がやや多かったので、「リアル→バーチャル→リアル」となっていたため、他の期よりも運転レベルが高かった感じがします。もちろんチャレプロの参加資格は、リアルモータースポーツ体験者NGではないのですが、2期生と3期生は少しリアルモータースポーツ経験のない人を優先的に選んでいます。

 1期生の加藤選手のようにどんどんステップアップしてほしいのは当然ですが、プログラムの目的は、リアルモータースポーツ経験のない人に体験してもらい、その体験を周囲に拡散しつつ、モータースポーツ活動を長く継続してもらうこと。このグラスルーツ(草の根)モータースポーツ活動を少しでも広めることも、チャレプロ選手の大きな役割の1つだととらえています。

チャレプロのピットには3期生だけでなく、1期生や2期生の大勢の先輩がサポートにきていた

 また、2期生を含めこれからの参加者も、今後ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズで優秀な成績を収めれば、スーパー耐久に参戦できるチャンスが巡ってくるかもしれません。たった1年でその選手のモータースポーツ活動が終わる訳ではありません。

いよいよチャレプロ3期生が「マツ耐」に挑戦

 Car Watchでは、2025年3月の筑波サーキット体験、5月にSPKで実施されたドライビングシミュレータ体験、6月末のジムカーナ エクスペリエンス参加、マツダミュージアム見学、メカニカル座学など、ドライビング技術やメンタル、モータースポーツの楽しさや向き合い方を学んできたチャレプロ3期生に密着してきた。

チャレプロのチーフインストラクターを務めるTCRジャパン代表の加藤彰彬氏。数々のリアルレースに参加するほか、ドライビングシミュレータ「iRacing」では世界チャンピオンを獲得するなど、リアルとバーチャルの2刀流を成功させている1人

 そしてチャレプロ3期生の最初の大舞台となるのが、「マツダファン・エンデュランス(通称:マツ耐)」での実戦デビュー。チャレプロのチーフインストラクターを務めるTCRジャパン代表の加藤彰彬氏は、テクニックだけでなく、リーダー資質、情熱、コミュニケーション能力など、さまざまな角度から総合的に分析し、43号車のチャレプロロードスター1号車に、中村匠都選手、市原拓真選手、瀬川彰斗選手。44号車のチャレプロロードスター2号車に大原悠暉選手、佐藤真太朗選手、能條裕貴選手と、2チームを編成。

43号車 チャレプロロードスター1号車(中村匠都選手、市原拓真選手、瀬川彰斗選手)
44号車 チャレプロロードスター2号車(大原悠暉選手、佐藤真太朗選手、能條裕貴選手)

 車両は2024年のチャレプロ2期生も使用した、「MAZDA SPIRIT RACING LIVERY DESIGN CONTEST」で選ばれた2つのデザインでフルラッピングした、赤色×黒色と緑色×黒色の2台のロードスター(ND5RE)を使用。

44号車 チャレプロロードスター2号車

 予選では43号車 チャレプロロードスター1号車が、1'12.888をマークして、総合6位(5クラス2位)と好位置につけ、44号車 チャレプロロードスター2号車も、1'13.846と総合9位(5クラス5位)僅差につけた。ちなみに5クラスは出走16台と激戦クラスでもある。

2時間30分の耐久レース「マツ耐」は、セーフティカーによる先導走行からローリングスタート(走りながらレースが開始される)方式。止まった状態から発進するグリッドスタートよりも安全性が高いとされている
1期生や2期生の先輩たちは、作戦を考えたり運転アドバイスのほか、ドライバー交代作業やレース前の緊張をほぐしなど、さまざまな面でサポートを行なっていた

 決勝では、予選で好位置につけた43号車 チャレプロロードスター1号車が、スタートでメカニカルトラブルに見舞われ、ピットスタートとなってしまい最後尾と大きく出遅れた。その後は2台は淡々と周回数を重ねていき、44号車 チャレプロロードスター2号車は、2時間31分4秒291でゴール。トップから5周遅れとなる106周を走り切り、総合結果は11位(5クラス7位)となった。

 最後尾スタートとなった43号車 チャレプロロードスター1号車は、2時間31分0秒968でチェッカー。ただし2周減算のペナルティも課せられ、トップから8周遅れの103周の17位でレースを終えた。

43号車 チャレプロロードスター1号車

 2台とも単独でタイムアタックを行なう予選の結果がよかっただけに、逆に2時間30分という長丁場の耐久(燃費)レースの難しさを体感できたレースとなり、各々もたくさんの収穫と反省点があったという。今後11月に岡山国際サーキットで開催されるマツ耐にも参戦予定となっている。それまで各自で振り返りの反省と練習を行なうという。

見事に2台とも2時間30分の耐久レースを走り切り無事にゴール。仲間もピットからゴールの瞬間を見守っていた
チャレプロ3期生はマツ耐を終え、さらなる飛躍を誓った
【MAZDAドキュメンタリー】レースゲーマーが、リアルレースに参戦。ー共に挑む、スタートラインー

メディア対抗ロードスター耐久レース(メデ耐)に3期生の瀬川彰斗選手が参戦

メディア対抗ロードスター耐久レース(メデ耐)で走るCar Watchロードスター

 なお、3期生の瀬川彰斗選手は、10月4日に富士スピードウェイで初開催される「メディア対抗ロードスター耐久レース」に、チームCar Watchのロードスターのステアリングを握ることが決定。現地に足を運ぶ方には、ぜひ応援していただきたい。また、現地に来られない場合も、メデ耐はYouTubeにてlive配信されるので、お楽しみいただきたい。

チャレンジプログラム「バーチャルからリアルへの道」3期生、瀬川彰斗選手がCar Watchロードスターでメデ耐を一緒に戦ってくれることになった
第36回メディア対抗ロードスター耐久レース LIVE配信