
走れ!みっちゃん、走れ!!
みっちゃんの鼻水により唯一の通信手段である電話が破壊されてしまった以上、誰かが警察に駆け込まないといけないのですが、ふたばは喋れずひとはは熱で譫妄状態なのでみっちゃんが走る他はないのです。いつも草次郎パパには飴にたかるありんこの様に集まる警官(代表:緒方一郎太)がこんな時に限って捕まらなかったり。警官を求めて上尾の街をみっちゃんパンダが駆け抜ける!! お隣さんに通報して貰ってもいいかもしれませんが、そう言えばお隣さんってこれまで一度も描写された事は無かったかも。
基本的に平和な上尾の街ですが、時折マジな犯罪者が出没します。ふたばに全力で背中をハグされた変態さんしかり、今回の空き巣しかり。街の平和を守るはずの警官が妹の事で頭が一杯だったりするのでこういう時に心配です。普段ならふたばの怪力とひとはの頭脳とみっちゃんの食欲が丸井家を外敵から守ってくれるはずですが、今回はあいにく3人揃ってかぜでダウン。このピンチ、いかに切り抜けるか。
3人揃ってダウンしたものの、3人それぞれ主症状が異なります。みっちゃんは鼻水、ふたばは喉、ひとはは高熱。たいてい同じウイルスで似たような症状になりそうなものですが、3人別々に貰ってきたと言われてもありそうに思える丸井3姉妹です。熱は3人ともありそうです。ふたばは以前も声が出なくなっていたので喉が弱いのかも。ひとはは懐かしい設定「かぜをひくと美少女になる」を再現。しかし今回は熱で頭の働きが明後日の方向に向いてしまっております。みっちゃんはダイナミックな鼻水。欠席の連絡をしながら受話器のみならず本体まで鼻水まみれにしてついに電話を破壊してしまいます。
かぜでも食欲の衰えないみっちゃん。普段はひとはが食卓を引き受けているのですが、こういう時はパパが料理担当らしく、お粥を作ってくれたようです。しかし、とめどなく溢れるみっちゃんの鼻水はお粥すら食べさせてくれません。みっちゃん大ピンチ。さりげなく見守る猫のチブサが久しぶりです。
ここで鳴る玄関のチャイム。ピザ屋だと主張するひとははさておき、とりあえず応対せねばなりませんが、今その元気があるのはみっちゃんのみ。鼻水を押しとどめようとしますがまさかのティッシュ全滅。そうこうしている間に玄関先の訪問者の姿が見えなくなります。食べたい一心のみっちゃんは譫妄ひとはのアドバイスを入れて逆立ちして鼻水が垂れないように。みっちゃんを支える悪寒が始まったふたばにみっちゃんごとコートを着せるひとは。降ろせと言われてみっちゃんのパジャマズボンを抜き取るふたば。出来上がったのは上下に足が4本生えて、股間から粘性の液体を垂らす顔色の悪いブレーメンの音楽隊的なクリーチャーでした。
この時侵入者はすでに包丁を構えてリビングにまで入り込んでいました。絶体絶命のピンチながら、判断力の残っていたみっちゃんはコートで目隠しの上、ピザの二文字に理性が溶けきった状態。ふたば・ひとはは言わずもがな。空き巣にじりじり迫る怪物とちょっと訳が分からなくなっている系の美少女。これは恐ろしい。じりじり押された上に包丁を奪われた空き巣はみっちゃんの鼻水トラップに追い込まれて転倒。頭を強打して気絶します。みつどもえの十八番である勘違いコンボがこの上なく美しく決まった瞬間です。
ふたばとの結合から抜け出したみっちゃんが見たのは目出し帽のいかにもな空き巣男と包丁をピザの一ピースのように口に運ぼうとするひとは。この後みっちゃんは全力でひとはから包丁を奪って空き巣男をとりあえず縛り上げ、壊れた電話に見切りを付けて警察に通報に走ったのではないか、と予想してます。丸井家の周囲がこれくらい物騒なら携帯くらいあってもいいのかも。
今回はリビングのみを舞台にしてじっくり勘違いコンボを完成させていく結構実験的な話でした。最後に草次郎パパが言うように、みつごの意図しないチームワークが完璧でした。勘違いを組み合わせて話を作っていくのは相当難しそうです。これまでもみんなが1人ずつかぜをひく話はありましたが、3人そろってというのは珍しい。杉ちゃんが仮病を疑うのも無理は無い所です。今までの経緯からするとチーム杉崎は放課後に見舞いにやってきていると思われるので、みっちゃんの空き巣撃退武勇伝を聞かされたのだろうと思います。