モブキャラ代表として(諸説あります)のりお先生展に単身乗り込んだ峰さん。まずは会場に充満するのりお粒子を肺いっぱいに吸い込んでしまい、冒頭からみねねへの変身不可避!あやうく正気に戻って何とか変身を解き、努めて平静を保ちながら見学を続行!最高の展覧会だったけれど、ダンスシーンのコマプレートスタンドが思ったより小さくて、ちょっぴり残念に思う峰さんなのでした。
のりお先生作品読者の夢の祭典、「桜井のりお画業20周年記念展 ひすとりーすくーる」に行って参りました!行ってすぐに記事にすべきでしたが、ネタバレとなるのは許されない行為・・・と思っているうちにこんな時期になってしまいました。3ヶ月たった今、備忘録として書き記しておきます。
のりお先生の画業20周年を記念するにふさわしい、2会場での2ヶ月に渡る堂々たる大展示となりました。このブログを見て下さっている方は足を運ばれたかと思います。
東京会場:2024年5月10日(金)~6月10日(月)アニメイト池袋本店8F Space Galleria
大阪会場:2024年7月12日(金)~8月12日(月)アニメイト大阪日本橋別館3F Space Gratus
西日本在住者としてありがたく大阪会場へ詣でてきました。本当はみつどもえ同志の方々と合流してキャッキャウフフしながら観覧の予定でしたが、ちょうどコロナに感染してしまい、時期を遅らせてのソロでの訪問となりました。土日だと立錐の余地もないくらいの混雑が予想されたので、7月末の平日の午前/午後に行ってきました。
会場は想像していたより大きく、配置図を見ると大きな部屋を半分に分けて回遊する形での展示でした。作品の読者数を反映してか、前半2/5が子供学級・みつどもえ・ロロッロ!、残りが僕ヤバという配分でした。投稿時代はのりお先生の年表の一部という形で展示されていましたが、原稿の一部がコピーで展示されるなど、20年間の全てに敬意が払われた展示となっていてファンとして好ましく感じました。
学校っぽい設えになっていたのは僕ヤバのみで、それまでの作品は絵を並べたオーソドックスな展示でした。今回の目的はとにかくのりお先生の生絵を見ることだったので、集中して絵を見れる普通の展示の方がむしろ有り難く感じました。
みつどもえゾーンはカラー原稿が多めだったのが嬉しかったです。やはり生原稿には作者の息遣いのようなものが籠もっている感じがして、見ていてドキドキしますね。印刷には出ない原稿用紙(チャンピオン特製原稿用紙)や水色色鉛筆の指定などが生々しくて、来た甲斐があったと嬉しくなりました。意外だったのは、カラー原稿もチャンピオン特製原稿用紙に直接彩色されていること。カラーだと原稿用紙自体の薄い水色の枠線その他が印刷に出そうなものですが、この頃ののりお先生のクッキリした色使い(コピック?)だと問題無かったのでしょうか。この時期の塗り方が一番好きですね。そして今見直してみると、画面の中のキャラの多さと密度に驚きます。今昔物語やPOST SCRIPTの原稿と、ほぼ週刊みつどもえの下絵があったのも嬉しい展示でした。みつどもえ人気投票のリアルハガキの展示も熱かった。のりお先生的にはみっちゃん→さっちゃん→おがちんが3トップだったのですね。ちらっと本誌にも載っていた気もしますが、これは拝んでしまう。雑誌連載当時のさまざまなノベルティも展示があり、何ならグッズとしてこれらを売って欲しいくらいでした。
みつどもえゾーンはアニメみつどもえのキャラソンがエンドレスでかかっていました。某背の高い人のキャラソンが割と耳に優しくなくて・・・あとどんなに経っても吉岡さんのキャラソンがかかりませんでしたね。
ロロッロ!からは基本的に作画がデジタルになったのか、生原稿の展示ではなくプリントアウトが多くて生原稿フェティシズムの観点からはちょっと残念でした。特筆すべきはVer.11のネームと実際の作品との並列展示。何とネームの方が2P多い、つまり幻の展開を垣間見る事ができるという実にナイスな内容でした。イチカが男化したところ、ちとせをはじめ周囲の女子女性がひたすら性的に見えてしまう、というロロッロ!らしい回ですが、ネームではさらに濃厚に描写されていたんですね。のりお先生の鉛筆によるネームも、イチカが反応してしまっている部分が強調して描かれており、イチカ視点への没入感が半端ありません。展示スペースは森重製作所のログハウス風の壁紙になっていて、博士のラボのドアなどもありましたが、一番笑ったのはさりげなく貼られていた美ボ会の入会募集ポスターでした。これは壁に貼っておきたい。
僕ヤバ展示では、のりお先生のひたすらな山田愛に圧倒されました。Twitter絵もこのペースで描き続けていたんですね。展示のスクール部分は、もう少しフェチ度を上げても良かったのではという気がしました。どうせやるなら1/1ジオラマの覚悟で学校の感じをもう少し出せたような。
予め撮影可能との告知があったので、梅雨明けの猛暑でしたがフルサイズの一眼レフを持っていきました。ただ、いざ会場に入ったら圧倒されてしまい、写真ばかり撮っていると見る方が疎かになると自制してしまって、今見返すと思った程写真が撮れていなかった事が悔やまれます。
入場特典のミニ色紙は午前/午後ともみつどもえでした。ロロッロ!も欲しかった・・・グッズは楽しみにしていたコマプレートスタンドが割と小さかったのですが、峰さんは比較的前列にいたのでちゃんと判別が可能でした。複製原稿風セットは本当に「風」だったのが残念。普通に複製原画ではいけなかったのかと・・・大学ノート風の図録には、年表にインタビューとちゃんと内容があって良いのですが、展示すべてをみっちり掲載した美術展の図録的なボリュームは無く、今後の画集の発売が待たれる内容でありました。
あと、山田像を守るためか、作品を保護するためか平日にも関わらず複数のスタッフが会場を巡回していたのが印象的でした。あの空間にずっと身を浸していられるのはうらやましい・・・と思いましたが、実際にやっていた方の感想はちょっと違っていたかもしれませんね。
見終わって数ヶ月経った今の感想ですが、のりお先生の原稿をいつでも見学できる常設の展示が必要なのではないかと心の底から思います。上尾市立桜井のりお漫画博物館が建設されることを心から願ってやみません。