体と中身。どっちが大事?


青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない
青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない
著者:鴨志田一
イラスト:溝口ケージ
電撃文庫


あらすじ:
麻衣さんの中身がシスコンなアイドル妹に?
フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ、絶好調の第4弾!

二学期。麻衣先輩との久々の逢瀬に浮かれる咲太を待っていたのは、非情にも「あんた、誰?」という麻衣の言葉だった。
どうやら思春期症候群により、麻衣の中身が誰かと入れ替わってしまったらしい。
その相手とは、金髪ギャルメイクの新人アイドル豊浜のどか。彼女は麻衣の異母妹で、母親と喧嘩をして家出し、麻衣のマンションに転がり込んできたのだという。
元に戻れない二人は、お互いの振りをして生活を送ることに。麻衣は入れ替わってしまった原因に心当たりがあり、のどかも麻衣に言いたいことがあるようで――?
ちょっと待て、もしかして解決しないと麻衣さんとのいちゃいちゃはおあずけ!? けどまあ、中身が麻衣さんならアイドルと付き合うってのもありかもなあ……。

フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ、「お姉ちゃんの体をエロい目で見んな!」なシリーズ第4弾!



ネタバレ具合:低
 青春ブタ野郎シリーズの第4弾です!
 個人的にも、すっかりお馴染みのシリーズになりまして、リリースが待ち遠しい作品になりました。



 さて、今回はというか、今回も“思春期症候群”が巻き起こり、主人公を波乱の日々に誘っています。
 今回の思春期症候群は、主人公・咲太の恋人、桜島麻衣の人格が入れ替わってしまう! というもの。
 その入れ替わった相手というのが、麻衣の妹・のどか。今巻で初登場のキャラです。



 思えば、1巻で、バニーガール姿で町を闊歩する麻衣と出会った咲太。
 思春期症候群で誰にも認識されなくなった、元人気タレントの麻衣。それを唯一認識出来た咲太の奮闘により、無事思春期症候群を乗り切り、芸能界に復帰した麻衣。
 2巻では、恋人のふりをして欲しい! と懇願する後輩・朋絵。
 それにしぶしぶ応じる咲太。しかし、それをきっかけに同じ日が何度も繰り返される、ループ現象の思春期症候群に見舞われてしまいます…。
 それも何とか乗り切った咲太。
 晴れて麻衣と恋人同士になれた咲太。
 浮かれる咲太に今度は女友達が二人になってしまうという思春期症候群が襲いかかった3巻。
 学校生活も夏休みに入り、麻衣といちゃらぶな日々を楽しみにしていた咲太。しかし、現実は厳しく、日々忙しく仕事に追われる麻衣。
 そして女友達・理央の分裂…。
 それも何とか解決し、夏休みも終了。
 二学期はタレント業をセーブし、咲太をかまってくれると約束した麻衣だったが、二学期の初日出会った麻衣は中身が替わっていて・・・。
 というのがこの4巻。


 内容を書いてしまうわけにはいかないので、濁しながらの感想にしますが、率直に、今回も面白かったです!
 まぁ、最初から内容が自分にマッチしているというのが大きいのですが、それ以上にストーリーが面白い!
 冷静に見てみれば、毎回同じ事の繰り返しではあるのですが、そこに恋愛要素は絡んでいるという所が、自分を飽きさせてない要素だと勝手に思ってます。
 毎巻、違うキャラにスポットを当てて展開しているのですが、今回は1巻以来のヒロインがメインになっています。でも、それだけだと面白みに欠けるというところでしょうか? 新キャラである、麻衣の妹・のどかが登場します。
 こののどかというキャラクターも、最後は主人公に好意を抱くんだろうなぁ…と想像して読んだのですが…。

 しかし、この付かず離れず、というか、まったく付かないのに、絶対離れない、二人の恋愛関係が良いですね。
 中高生をメインに据えているラノベならではの恋愛関係だと思います。
 読んでいるこっちは若干ヤキモキしますが(笑)
 今回はその関係の間に、体が入れ替わってしまった、恋人の妹が入っての展開。
 それ故にまったく進展しない二人の関係。この恋愛要素はいつになったら進むんでしょうか? まぁ、色々現実ではありえない経験を乗り越えている二人ですから、コミニケーション的に前に進んでいなくても、感情的には大きく前進しているのですが。



 なるべく内容に触れないように書いていたら、結局何が言いたいのか判らない感想文になってしまったので、今回はこの辺で。
 とにかく、今巻も楽しめたということだけは書いておきます。
 帯とあとがきに、この作品のコミカライズが決定したと書かれています。
 ということは、この作品のアニメ化も近いと期待して良いということですねよね。
 そうなると楽しみな半面、不安も生まれますが。

 ともかく、次巻もあるということなので、秋の発売を待ちたいと思います!