2016年10月10日
ネタバレ注意
シン・ゴジラが公開されてから時間が経過し、時系列、侵攻ルートや被害額等に関する考察が出揃ってきた感がある。そこでそれらの成果をまとめて一つのビジュアライゼーションにしてみた。
筆者のような地方出身者にとっては、地名が出てきてもそれがどこにあるのか位置関係はどうなっているのか今ひとつピンとこない。時系列に従い地図上にまとめてみることで、ゴジラがどのように移動したのか、それに対する政府・自衛隊の対応はどのようになっていたのかを把握することができる。
ビジュアライゼーションの作成にあたっては次のサイトにおける考察を取り入れさせて頂いた。
シン・ゴジラが公開されてから時間が経過し、時系列、侵攻ルートや被害額等に関する考察が出揃ってきた感がある。そこでそれらの成果をまとめて一つのビジュアライゼーションにしてみた。
筆者のような地方出身者にとっては、地名が出てきてもそれがどこにあるのか位置関係はどうなっているのか今ひとつピンとこない。時系列に従い地図上にまとめてみることで、ゴジラがどのように移動したのか、それに対する政府・自衛隊の対応はどのようになっていたのかを把握することができる。
ビジュアライゼーションの作成にあたっては次のサイトにおける考察を取り入れさせて頂いた。
- シン・ゴジラの行動ルートに関する個人的な考察:音楽と城と時々アニメ - ブロマガ: 考察2、考察3。画面に映る風景からゴジラの侵攻ルートを考察されている。考察にあるように厳密にはゴジラが同じ場所を何度も行き来する謎の行動をしないと説明できない箇所があるが、ビジュアライゼーションにおいてはその部分は省略している。
- シン・ゴジラ 劇中の時刻まとめと考察 - ふくらみ: 画面に映る時計の情報から時系列をまとめられている。考察では第2次上陸の日付が特定されていないが、Wikipediaに11月7日とあるのでビジュアライゼーションではそれを採用した。ヤシオリ作戦の決行日は11月末~12月頭となるがこちらは日付を特定できる情報がないようだ。
- 大ヒット『シン・ゴジラ』 ゴジラ襲来による日本の被害額はどれくらい? 試算してみた - ITmedia ビジネスオンライン: 首都直下地震の被害想定をベースにゴジラによる被害想定額を81.4兆円と算出。ビジュアライゼーションでは直接被害額の9兆円と各種作戦費用1.4兆円の合計10.4兆円を適当に按分している。
上部のプルダウンメニュー、スライダーで時系列を制御できる(Tableau Serverはアニメーションしない)。ゴジラによる被害があるエリアをヘックスで示しているが、自衛隊・米軍による攻撃が展開されたエリアはオレンジとした。各駐屯地、基地からの兵器群の移動は緑色の矢印で示している。最下段に累積被害額を記載しているが、単位はBillion円すなわち10億円となっている。
ビジュアライゼーションを見れば、映画における位置関係をより明確に把握できるだろう。少なくとも筆者はこれをまとめることで初めて位置関係を把握した(方向音痴なので)。
第二次上陸の侵攻ルートを見ると、絶対防衛戦を多摩川という東京都に近い所に配置した判断は正しかったのかと思う。神奈川県内の長駆をゴジラに許すぐらいなら、攻撃タイミングを早めることはできなかったのだろうか。神奈川県内で叩いておけば、最悪熱核攻撃がなされた場合でも損害額はずっと小さくなるはずだ。タバ作戦を実行できそうな開けた場所が多摩川河川敷しかなかったのかも知れない。
さて、ITmediaの試算によれば、上記ビジュアライゼーションで示した10.4兆円は被害額のごく一部であり、間接被害が45兆円、首都移転に12兆円、被災者支援金に14兆円の総額81.4兆円もの被害が想定されている。日本の国家予算に相当する被害がゴジラ1匹によってもたらされるのだ(下図上)。
しかし我々にはより現実的な脅威が存在する。それがゴジラ被害額算出のベースともなった首都直下地震である。 平成16年に内閣府がまとめた首都直下地震の被害想定によれば、首都直下地震の経済被害額は総額約112兆円となっている(上図下)。ゴジラ1.4匹分だ。想定される避難者は最大700万人、帰宅困難者は650万人。シン・ゴジラでは360万人を疎開させるという一見非現実的な対応が取られたが、それよりも遥かに大きい数字が想定されているのだ。
ゴジラは架空の災害だが、大地震は今後30年に高い確率で日本を襲う現実の脅威だ。我々はその現実の脅威に備え、乗り越えねばならない。
芝村裕吏@siva_yuriシン・ゴジラをアメリカ人がどう評価するなんて、そりゃまあ色々あるわけだけど。
2016/10/06 10:51:20
”モンスターパニック映画を期待してはいけない。この映画は地震や台風の被害に度々あっている国で、モンスターがやってきたらどうなるのかというシミュレーションだ”という書評があって、よくご存じで感あった。