ふうん、と月火は、よくわからないと言ったように頷いた。
そうして首を傾げている様を見ると、本当に陽気な、
のんびりさんに見えるんだけどなあ。
たれ目だし、ゆるい表情してるし。
撫で肩だし、猫背だし。
なんかもうたれぱんだみたいだもんな、こいつ。
しかし見た目に騙されてはならない。
今朝、僕と火憐を千枚通しで串刺しにしようとした事実からもわかるように、
阿良々木月火は決して暢気でも、のんびりさんでもない。
まったくたれていない。
たれないぱんだ、つまり熊だ。
火憐のような格闘スキルを持ち合わせているわけではなく、
ファイヤーシスターズとしてはあくまでも参謀担当だけれど―
そのヒステリックでピーキーな攻撃性は、我が妹ながら怪物じみている。
素直な気持ちを率直に言わせてもらえば、
火憐は猪突猛進型の馬鹿なのでまだ御しやすいが、
月火は紆余曲折型の馬鹿なので、僕としては手に負えないところがある。
火憐が赤い炎なら、月火は青い炎だ。
迂闊に手を出せば火傷する。
皮膚どころか、肉まで焼ける。
そうして首を傾げている様を見ると、本当に陽気な、
のんびりさんに見えるんだけどなあ。
たれ目だし、ゆるい表情してるし。
撫で肩だし、猫背だし。
なんかもうたれぱんだみたいだもんな、こいつ。
しかし見た目に騙されてはならない。
今朝、僕と火憐を千枚通しで串刺しにしようとした事実からもわかるように、
阿良々木月火は決して暢気でも、のんびりさんでもない。
まったくたれていない。
たれないぱんだ、つまり熊だ。
火憐のような格闘スキルを持ち合わせているわけではなく、
ファイヤーシスターズとしてはあくまでも参謀担当だけれど―
そのヒステリックでピーキーな攻撃性は、我が妹ながら怪物じみている。
素直な気持ちを率直に言わせてもらえば、
火憐は猪突猛進型の馬鹿なのでまだ御しやすいが、
月火は紆余曲折型の馬鹿なので、僕としては手に負えないところがある。
火憐が赤い炎なら、月火は青い炎だ。
迂闊に手を出せば火傷する。
皮膚どころか、肉まで焼ける。
「お前様よ。実は折り入って相談したいことがあるのじゃが、どうじゃ、ここはひとつ、腹を割って話さんか」
僕の影からにゅうっと現れた金髪金眼、幼き風貌の少女―忍野忍に声をかけられた。
「お前様よ。儂が極秘ルートから入手した情報によると、ミスタードーナツが今、全品百円セールを行っておるらしいのじゃ」
忍のわがままを聞き入れ、ミスドに向かおうとしたところで、僕は月火ちゃんとバッティングした。
「きっと私って火憐ちゃんほど、情熱的に正義を信仰しているわけじゃないんだよね」
「私の信じる私の正義は―火憐ちゃんの正義であり、そしてお兄ちゃんの正義なんだよねえ」
「その意味では、お兄ちゃんの言うことは正しいよ。私は正義を名乗るには、周りの意見に左右されやす過ぎるもん」
音楽性の違いによるファイヤーシスターズの解散も有り得るのか。
女子中学生がいっぱい呼ばれるなら、解散パーティには参加してやるよ。
みだりにみだらなはだけた浴衣姿の月火ちゃんとそんな話をしていた僕は、ふと見えた月火ちゃんの胸元が気になった。
「それ、脱がすぞ」
医者から一生消えないと折り紙付きで太鼓判を押された傷が消えている。
そう言えば、それ以外にも身体に全然傷が残っていない。
ま、傷がより多く残ったってんならまだしも、傷が消えてなくなったってんなら、むしろめでたい話なのか。
そんな風に納得して、行きがけの駄賃的にぷよぷよと胸を揉んでから、僕は月火ちゃんの上からどいてやった。
「もうお兄ちゃん、妹のおっぱい触り過ぎ!」
そこだけ切り取って聞くと、なんだかものすごいキャラだな……
「帰ってくんなー。お兄ちゃんの帰る家はないー」
いいや、僕は必ず帰ってくるぜ……お前のその胸の中にな!
「あーもうわかっちゃったもん!食べるまでもない、いや食べるけども!
ぱないの!」
ロリ少女にして元吸血鬼の忍は、念願のミスタードーナツへ入店してキャラが崩壊していた。
どうにか忍にドーナツを選ばせ、店内で一息ついたところで、僕は訊きたいことについて切り出した。
「京都弁のお姉ちゃんと、キメ顔のお嬢ちゃん。あいつら、お前から見て―どうだった?」
影縫余弦と斧乃木余接。
キメ顔の小娘、つまり余接ちゃんは、余弦さんの使い魔、あるいは式神。
人間ではなく怪異。
そして僕は更に詳しい話を、同じ店にいた貝木泥舟からも聞いたのだった。
あれだけ大見得を切って、勝ち逃げみたいな感じで去っていっといて、なんでドーナツ食ってんだよ。
情報料として財布ごと奪われたが、僕は貝木から二人の話を聞いた。
「あいつらは専門家だよ。俺と同じ、ゴーストバスターだ」
「もっとも、俺が偽物であるのに対して―あいつらは本物だ。俺が詐欺師なら、あいつらは陰陽師だ」
厳密には陰陽師は影縫の方で、斧乃木はあくまで式神。
そして彼女たちの専門は、不死身の怪異だと言う。
不死身の怪異を専門にする陰陽師、か。
なら標的は僕と忍なんだろうなあ。
しかし考えてみれば、僕の周囲には怪異を体内に宿しながら生きている人間が何人かいる。
たとえば左手に猿を宿した神原駿河がそうだし。
たとえば精神に猫を宿した羽川翼がそうだ。
戦場ヶ原は蟹、千石撫子は蛇、阿良々木火憐は蜂の怪異に行き会い、
そして八九寺真宵は彼女自体が蝸牛の怪異である。
そう考えれば、他にも体内に怪異を宿した人間がいても不思議じゃないし、影縫さんたちの標的が僕と忍であるとは限らないのかもしれない。
そんなことをつらつら考え、自転車を漕ぎ漕ぎ、家に到着してみると、門扉のところに、まさにその問題の二人組―影縫余弦さんと斧乃木余接ちゃんがいて、インターホンを連打していた。
「その……すみません。はっきりさせておきたいことがあるんですけれど」
「あなた達二人は、僕と忍を退治するためにこの町に来たんですよね―この世にあるまじき不死者とその眷族として」
「僕達を―殺しに来たんですよね。二人続けて道を訊いてきたのも、偶然なんかじゃなくて―あれは様子見みたいなものだった」
「鬼畜なお兄やん。なーんや知らん、おどれ、勘違いしとるみたいやな」
勘違い?
狙いは僕と忍じゃない?
「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼―怪異殺しの怪異の王、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに関する諸問題は既に解決したことになっとる。ちょっと後遺症が残っとる程度の普通の人間に対して、リソースを割けるほどうち共の業界も閑古鳥が鳴いてぇへんわ」
「それはでも、言うたら忍野くんの世話焼き、お得意十八番のお節介のお陰ちゅうことになるんやろけどな―」
貝木は彼女達を『そいつら』ではなく『あいつら』と、知っているような口ぶりで話していた。
そして影縫さんは、僕達の恩人―軽佻浮薄なアロハ男、忍野メメを知っている、だと?
「余計なことを思考するでない。今お前様には、他に考えねばならんことがあるじゃろうが」
そうだ。
彼女達は、狙いは僕らではないと言った。
しかし彼女達は阿良々木家の前にいて、余接ちゃんはずっとインターホンを連打している。
僕は緊張感を取り戻し、警戒心もあらわに身構えようとした、その直前―
「あーもううるさし!うるさしうるさしうるさし!一体いつまでインターホン鳴らしてるのよ!居留守を使ってんのがわっかんないのお!?」
そんな絹を引き裂くようなヒステリックな怒鳴り声と共に、月火ちゃんが飛び出してきた。
そして。
斧乃木余接が動いた。
「『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』―僕はキメ顔でそう言った」
巨大なハンマーのように、斧乃木余接の指が鈍器と化し、そしてそれは僕の家の門柱を破壊して、そしてそのまま…
そしてそのまま、月火ちゃんの上半身を破壊した。
僕は何が起きたか、眼前の光景を理解できなかった。
しかし理解できないままに、僕の肉体は衝動のままに稼動する。
「―落ち着きいや、鬼畜なお兄やん。そうかっかすんなや」
だが僕の身体は、影縫さんによって折り畳まれていた。
「それともこういうとき、忍野くんならこない言うんかな?
元気ええなあ、なんぞええことでもあったんけ―」
ざっけんな!
てめえ……てめえら!
妹を!
僕の妹を……月火ちゃんを!
許さねえ!
しかし。
周囲の破壊された様相と反比例するかのように、消し飛んだはずの彼女の上半身は、下半身に引っ付いた状態でそこにあった。
気を失ってはいるし、はだけ気味の浴衣や髪飾りなどは焼き付けられた記憶通りに破壊され、消し飛んだままではあったが、先程の悲劇的な画がただの目の錯覚だったかのように、月火ちゃんはごく普通に生きていた。
再生だ。
治癒であり、回復だ。
そして―不死だ。
「あなたの妹は不死身の怪鳥に犯されている。
あれは端っからあなたの妹であってあなたの妹ではなく、阿良々木月火さんであって阿良々木月火さんではなく、人間であって人間でない。
あそこのあれは世にも珍しい火の鳥、邪悪なるフェニックスだよ―僕はキメ顔でそう言った」
「やめい―うぬら。それ以上の狼藉は許さぬ。
うぬらとて、ここでこれ以上の騒ぎを起こすことを、望んでおるわけではなかろうよ」
「まあええやろ―お言葉の通り、一旦退くわ。退かしてもらいましょ。
時と場合に無頓着ゆうても、さすがのうちも、まさか兄の前で妹を退治する気はあれへんかったからな―ゆうても、はは、ほんまの妹やないんやけど?」
忍のハッタリを聞き入れた影縫さんはそう言って、僕の家を後にする。
「なんで」
僕は辛うじて問う。
「なんで月火ちゃんを……狙うんだ」
月火ちゃんが狙われる理由があるのか?
「あるやん。ありゃあ怪異やで、バケモンや」
「化物の偽物が、人間の家族に混じって人間の振りして、人間を騙して生きとんやで―そういうのを指してな、うちらは『悪』、ゆうねん」
☆☆☆☆☆☆☆
月火ちゃんを守るために余弦と余接と対決する暦お兄ちゃん。
あと1話で月火の怪異の話~ラストバトル~オチまで纏めるのかな?かな?
今回のエンドカードはブリキさん。
これがオーラと言うものか!!
ドーナツを前にしてはしゃぐ忍たんや、エロロギさんに裸に剥かれる月火ちゃんなど、幼女物語としてのブヒブヒ展開もさることながら、バトルパートも圧巻の一言に尽きます。
『Another』みたいに、月火ちゃんの上半身が吹っ飛ぶシーンをもっとグロくしても良かったかも、なんて思うのは毒されすぎだと思うけどww
『偽物語』公式サイト
http://www.nisemonogatari-anime.com/
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僕の影からにゅうっと現れた金髪金眼、幼き風貌の少女―忍野忍に声をかけられた。
「お前様よ。儂が極秘ルートから入手した情報によると、ミスタードーナツが今、全品百円セールを行っておるらしいのじゃ」
忍のわがままを聞き入れ、ミスドに向かおうとしたところで、僕は月火ちゃんとバッティングした。
「きっと私って火憐ちゃんほど、情熱的に正義を信仰しているわけじゃないんだよね」
「私の信じる私の正義は―火憐ちゃんの正義であり、そしてお兄ちゃんの正義なんだよねえ」
「その意味では、お兄ちゃんの言うことは正しいよ。私は正義を名乗るには、周りの意見に左右されやす過ぎるもん」
音楽性の違いによるファイヤーシスターズの解散も有り得るのか。
女子中学生がいっぱい呼ばれるなら、解散パーティには参加してやるよ。
みだりにみだらなはだけた浴衣姿の月火ちゃんとそんな話をしていた僕は、ふと見えた月火ちゃんの胸元が気になった。
「それ、脱がすぞ」
医者から一生消えないと折り紙付きで太鼓判を押された傷が消えている。
そう言えば、それ以外にも身体に全然傷が残っていない。
ま、傷がより多く残ったってんならまだしも、傷が消えてなくなったってんなら、むしろめでたい話なのか。
そんな風に納得して、行きがけの駄賃的にぷよぷよと胸を揉んでから、僕は月火ちゃんの上からどいてやった。
「もうお兄ちゃん、妹のおっぱい触り過ぎ!」
そこだけ切り取って聞くと、なんだかものすごいキャラだな……
「帰ってくんなー。お兄ちゃんの帰る家はないー」
いいや、僕は必ず帰ってくるぜ……お前のその胸の中にな!
「あーもうわかっちゃったもん!食べるまでもない、いや食べるけども!
ぱないの!」
ロリ少女にして元吸血鬼の忍は、念願のミスタードーナツへ入店してキャラが崩壊していた。
どうにか忍にドーナツを選ばせ、店内で一息ついたところで、僕は訊きたいことについて切り出した。
「京都弁のお姉ちゃんと、キメ顔のお嬢ちゃん。あいつら、お前から見て―どうだった?」
影縫余弦と斧乃木余接。
キメ顔の小娘、つまり余接ちゃんは、余弦さんの使い魔、あるいは式神。
人間ではなく怪異。
そして僕は更に詳しい話を、同じ店にいた貝木泥舟からも聞いたのだった。
あれだけ大見得を切って、勝ち逃げみたいな感じで去っていっといて、なんでドーナツ食ってんだよ。
情報料として財布ごと奪われたが、僕は貝木から二人の話を聞いた。
「あいつらは専門家だよ。俺と同じ、ゴーストバスターだ」
「もっとも、俺が偽物であるのに対して―あいつらは本物だ。俺が詐欺師なら、あいつらは陰陽師だ」
厳密には陰陽師は影縫の方で、斧乃木はあくまで式神。
そして彼女たちの専門は、不死身の怪異だと言う。
不死身の怪異を専門にする陰陽師、か。
なら標的は僕と忍なんだろうなあ。
しかし考えてみれば、僕の周囲には怪異を体内に宿しながら生きている人間が何人かいる。
たとえば左手に猿を宿した神原駿河がそうだし。
たとえば精神に猫を宿した羽川翼がそうだ。
戦場ヶ原は蟹、千石撫子は蛇、阿良々木火憐は蜂の怪異に行き会い、
そして八九寺真宵は彼女自体が蝸牛の怪異である。
そう考えれば、他にも体内に怪異を宿した人間がいても不思議じゃないし、影縫さんたちの標的が僕と忍であるとは限らないのかもしれない。
そんなことをつらつら考え、自転車を漕ぎ漕ぎ、家に到着してみると、門扉のところに、まさにその問題の二人組―影縫余弦さんと斧乃木余接ちゃんがいて、インターホンを連打していた。
「その……すみません。はっきりさせておきたいことがあるんですけれど」
「あなた達二人は、僕と忍を退治するためにこの町に来たんですよね―この世にあるまじき不死者とその眷族として」
「僕達を―殺しに来たんですよね。二人続けて道を訊いてきたのも、偶然なんかじゃなくて―あれは様子見みたいなものだった」
「鬼畜なお兄やん。なーんや知らん、おどれ、勘違いしとるみたいやな」
勘違い?
狙いは僕と忍じゃない?
「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼―怪異殺しの怪異の王、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに関する諸問題は既に解決したことになっとる。ちょっと後遺症が残っとる程度の普通の人間に対して、リソースを割けるほどうち共の業界も閑古鳥が鳴いてぇへんわ」
「それはでも、言うたら忍野くんの世話焼き、お得意十八番のお節介のお陰ちゅうことになるんやろけどな―」
貝木は彼女達を『そいつら』ではなく『あいつら』と、知っているような口ぶりで話していた。
そして影縫さんは、僕達の恩人―軽佻浮薄なアロハ男、忍野メメを知っている、だと?
「余計なことを思考するでない。今お前様には、他に考えねばならんことがあるじゃろうが」
そうだ。
彼女達は、狙いは僕らではないと言った。
しかし彼女達は阿良々木家の前にいて、余接ちゃんはずっとインターホンを連打している。
僕は緊張感を取り戻し、警戒心もあらわに身構えようとした、その直前―
「あーもううるさし!うるさしうるさしうるさし!一体いつまでインターホン鳴らしてるのよ!居留守を使ってんのがわっかんないのお!?」
そんな絹を引き裂くようなヒステリックな怒鳴り声と共に、月火ちゃんが飛び出してきた。
そして。
斧乃木余接が動いた。
「『例外のほうが多い規則(アンリミテッド・ルールブック)』―僕はキメ顔でそう言った」
巨大なハンマーのように、斧乃木余接の指が鈍器と化し、そしてそれは僕の家の門柱を破壊して、そしてそのまま…
そしてそのまま、月火ちゃんの上半身を破壊した。
僕は何が起きたか、眼前の光景を理解できなかった。
しかし理解できないままに、僕の肉体は衝動のままに稼動する。
「―落ち着きいや、鬼畜なお兄やん。そうかっかすんなや」
だが僕の身体は、影縫さんによって折り畳まれていた。
「それともこういうとき、忍野くんならこない言うんかな?
元気ええなあ、なんぞええことでもあったんけ―」
ざっけんな!
てめえ……てめえら!
妹を!
僕の妹を……月火ちゃんを!
許さねえ!
しかし。
周囲の破壊された様相と反比例するかのように、消し飛んだはずの彼女の上半身は、下半身に引っ付いた状態でそこにあった。
気を失ってはいるし、はだけ気味の浴衣や髪飾りなどは焼き付けられた記憶通りに破壊され、消し飛んだままではあったが、先程の悲劇的な画がただの目の錯覚だったかのように、月火ちゃんはごく普通に生きていた。
再生だ。
治癒であり、回復だ。
そして―不死だ。
「あなたの妹は不死身の怪鳥に犯されている。
あれは端っからあなたの妹であってあなたの妹ではなく、阿良々木月火さんであって阿良々木月火さんではなく、人間であって人間でない。
あそこのあれは世にも珍しい火の鳥、邪悪なるフェニックスだよ―僕はキメ顔でそう言った」
「やめい―うぬら。それ以上の狼藉は許さぬ。
うぬらとて、ここでこれ以上の騒ぎを起こすことを、望んでおるわけではなかろうよ」
「まあええやろ―お言葉の通り、一旦退くわ。退かしてもらいましょ。
時と場合に無頓着ゆうても、さすがのうちも、まさか兄の前で妹を退治する気はあれへんかったからな―ゆうても、はは、ほんまの妹やないんやけど?」
忍のハッタリを聞き入れた影縫さんはそう言って、僕の家を後にする。
「なんで」
僕は辛うじて問う。
「なんで月火ちゃんを……狙うんだ」
月火ちゃんが狙われる理由があるのか?
「あるやん。ありゃあ怪異やで、バケモンや」
「化物の偽物が、人間の家族に混じって人間の振りして、人間を騙して生きとんやで―そういうのを指してな、うちらは『悪』、ゆうねん」
☆☆☆☆☆☆☆
月火ちゃんを守るために余弦と余接と対決する暦お兄ちゃん。
あと1話で月火の怪異の話~ラストバトル~オチまで纏めるのかな?かな?
今回のエンドカードはブリキさん。
これがオーラと言うものか!!
ドーナツを前にしてはしゃぐ忍たんや、エロロギさんに裸に剥かれる月火ちゃんなど、幼女物語としてのブヒブヒ展開もさることながら、バトルパートも圧巻の一言に尽きます。
『Another』みたいに、月火ちゃんの上半身が吹っ飛ぶシーンをもっとグロくしても良かったかも、なんて思うのは毒されすぎだと思うけどww
『偽物語』公式サイト
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