この1巻で完結する、35歳の漫画アシスタントが実体験した闘病記。
ある日突然、自覚症状も無いのに精巣腫瘍(がん)になっていたことが判明する。
しかも、がんは肺にまで転移していた。
副作用のキツイ抗がん剤と戦う日々が作者に訪れる。
入院中に直面する様々な出来事。ともに闘病する人たちとの出会い。
献身的に介護してくれる奥さんや、職場の人たちに支えられながら、
作者は「生きる」という現実に否が応でも向き合うことになっていく。

内容としてはとても重いテーマなんだけれども、絵のタッチが柔らかく、
お話の描き方も肩に力の入っていない自然体なので、驚くほど読みやすい。
病気との向き合い方を変えれば、重い病気ですら、
とてもありがたいものに思えるのかもしれない。
そう思わせてくれる力があります。
 
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