年金の運用を行う「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」の発表によると、2014年1月から3月で、年金運用により、1兆15億円を失っている。
年金運用にはリスクがある。政府は今後、リスクの高い「国内株式」への投資ウエイトを高めようとしている。
▼GPIF:1-3月運用収益、株安でマイナス-13年度8.64% - Bloomberg
『 7月4日(ブルームバーグ):世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF )の1-3月期の運用収益は、国内株安 ・円高を背景に約2年ぶりのマイナスとなった。2013年度通年の収益率は8.64%と過去3番目の高さだった。
GPIFが4日公表した13年度の運用状況によると、第4四半期(14年1-3月期)の収益率はマイナス0.8%、収益額はマイナス1兆15億円。マイナスの運用成績は安倍晋三内閣発足前の12年4-6月期以来となる。資産別の収益率は、国内債券が金利低下 を受けて0.74%、国内株式はマイナス7.05%、外国債券は0.51%、外国株式はマイナス0.13%だった。』
- 2013年度の収益は過去3番目の高さ
- 2014年1月~3月は、マイナス1兆15億円
- 国内株式の収益率 マイナス7.05%
年度でみると収益は過去3番目だが、3ヶ月で1兆15億円減らしていることには注意しておくと良いだろう。運用には必ずリスクが有る。
『運用資産額は3月末時点で126兆5771億円。前身の年金資金運用基金として積立金の自主運用を始めた01年度以降で最高を記録した昨年末の128兆5790億円を下回った。運用資産に占める国内債の割合は55.43%に上昇し、国内株は16.47%に低下。昨年末には国内債が55.22%と06年4月の設立以降で最低となる一方、国内株は17.22%と07年12月末以来の高水準を記録していた。』
2014年3月末
- 国内債 55.43%
- 国内株 16.47%
2013年末
- 国内債 55.22%
- 国内株 17.22%
おそらくリスクを回避して13年末から国内株比率を下げたところ、1兆15億円のマイナスで済んだということだろう。
『一方、13年度の収益額は過去最高だった12年度に次ぐ10兆2207億円。国内外の株式・債券の4資産全てでプラスの収益を確保した。資産別の収益率は国内債0.60%、国内株18.09%、外債14.93%、外株32.00%。01年度以降の累積収益額は35兆4415億円となった。』
国内債の収益率が低いため、国内株式への投資比率をあげようとしているわけだ。
『アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は「1-3月期は日本株は下がったし、為替も円高にも行ったので別に違和感はない」と指摘。「今後どんなアセットのリターンを目指すのがふさわしいかというのが大事。リスクは何をやってもあるが、どうすればリターンとの兼ね合いで一番いいかということで、それを考えると国内債の6割というのは多いので減らすのは妥当な判断だと思う」と語った。 』
というわけで、今後、年金の運用のウエイトをリスクの高い「国内株式」に移していくわけだ。
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