2012年7月4日(水)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。
4号機の使用済燃料プールの冷却装置が故障した件について言及しています。
▼20120704 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
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※「原子力規制委員会メンバー選定ガイドライン発表「国がやると決めてる以上、誰がなっても同じ。結局は引きずられる」小出裕章7/4(1)」からの続きです。
水野「それでは、もう1つ、福島第一原発4号機のプールについて伺いたいと思います。」
水野「え…この4号機プールの冷却装置が、6月30日の朝、自動停止しました。」
小出「はい」
水野「原因はまだ明らかになっておりません」
小出「はい」
水野「ま、何らかの理由で故障したってことですよね」
小出「はい」
水野「で、今度、その時に、必要なのは予備として、設置されている別の系統の冷却装置なんですが。この冷やす装置も起動、しませんでした。できませんでした。」
小出「はい」
水野「またこの原因も、わからない」
小出「はい」
水野「のです。えーそして7月1日、まあ応急的な復旧作業が行われて、冷却を再開したと東電、発表いたしました。で、気になるのはですね、温度です。水温が変化しました。え…この冷却装置が、停止したときは、33.3度だったんですって」
小出「はい」
水野「それがですね、翌日7月1日の午後に冷却再開した時の水温は、10度ほど上がって42.9度。こんな状況なんですけど。これ、もしもですよ、冷却が再開できてなかったらどうなるんですか」
小出「どんどん温度があがります。」
水野「となるとどうなるんですか」
小出「え…もし100度を超えてしまいますと、」
水野「はい」
小出「水は蒸発していってしまいますので、プールの水の量が減っていくということになると思います」
水野「そうすると、その、中に眠っている、燃料、核燃料、使用済み核燃料は……溶け出すわけですよね」
小出「はい。ええっとまあ、プールの深さが10数メートルありますので、そこまで水がどんどん蒸発してなくなるまでにはまた時間がかかると思います。」
水野「はい。これ…私たちはじゃあ、まあまあ、あの、次の日に、ちゃんと冷却再開されたんだから、安心だわと思っていいんですか」
小出「ええっと、まず冷却をしなければいけないわけですから。ええ……ポンプが回らなかった原因を突き止めて、きちっとまた回るようにするということをやらなければいけなかったわけで。まあ、1日の間にできたから、良かったということですね。それが1週間出来なければ多分水はもう、100度を超えて沸騰するような状態になったはずだと思います」
水野「はぁ、1週間という、それぐらいの単位なんですね」
小出「要するに1日で約10度上がってる、んですね。」
水野「ん~ん、はい」
小出「それでもう40度になってるわけですから。あと5,6日経てばもう100度になってしまうということです」
水野「はあー。これ4号機のプールでは6月4日から6日にかけても、循環水ポンプの故障で冷却が停止、したと」
小出「はい」
水野「そのとき水温が42度まで上がったという事実も、あったばっかりなんですけど」
小出「はい」
水野「これ私たちはどう受け止めたらいいんですか」
小出「まあ…冷却するということは1番大切なことなわけですから。そこにふげ…不具合が生じないように東京電力が本当はちゃんともっと、ちゃんとやっておかなければいけないのだと私は思いますが。え…まあ猛烈な被曝環境…なわけですし。作業員の方々は被曝しながら作業してるわけですから。まあ、こんなことはあると覚悟するしかないと思います。」
水野「だけど4号機のプールはもう、プール自体がですね地震で相当傷んでいると。」
小出「はい」
水野「で、その中にはたくさん核燃料が入っているっておっしゃいましたよね、たしか」
小出「そうです。はい」
水野「これ、セシウムの量で言うと広島原爆の何発分とおっしゃいましたか」
小出「え、5000発分だと思います」
水野「はあ…広島原爆の5000発分のセシウムの量が、中にある」
小出「はい」
水野「だけどこれ、地震でなくとも、こうやって冷却装置が、傷むっていう恐れって、あるんですね? 平時でも」
小出「まあ、あったんですね。ただ、それが、え…1日ぐらいで直るということ…今回はまぁ直ったわけですし。そういう範囲でとどまっているならば大丈夫ということですね」
水野「…はい。でもこれが、ゆったら全国の原子炉、にあるわけですよね、プールって」
小出「そうです」
水野「…はい。どうもありがとうございます」
小出「はい。ありがとうございました」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました」
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