2012年3月23日、原子力安全委員会が大飯原発のストレステスト1次審査を妥当だとみなしたという報道があった。
実は僕ちょい熱が出ていて報道を追いきれていなかったのだけれども、違和感があった。なぜなら、それ以前から班目氏は、ストレステスト1次審査によって大飯原発が安全であるとは到底言えないとしていたからだ。
この班目会見について、下村健一氏が、興味深いツイートをしていた。
これまでの経緯から考えると、下村氏のツイートの内容には違和感はない。まだ体調が本調子ではなく、動画も確認出来ていないのだけれども、取り急ぎ共有したいと思います。
▼
一昨日、原子力安全委が大飯原発の安全審査を“妥当と認めた”と大報道された件。やっと昨日深夜、ニコ動でその委員会直後の斑目委員長の会見をノーカット動画で見て唖然。報道から受ける印象と、実際に斑目氏が言ってる事が、殆ど真逆! 一切の私見を挟まず、ただ同氏の発言内容だけを採録する。
— 下村健一さん (@ken1shimomura) 3月 25, 2012
▼
斑目会見発言①「妥当という書き方は、この中には一切していない。妥当性に関して白黒つけるものではない」「安全性の確認ということに関して、我々は何も発言していません。あくまでも、総合的安全評価としては、1次評価では不十分ですと申し上げています」
— 下村健一さん (@ken1shimomura) 3月 25, 2012
▼
斑目会見発言②「総合的安全評価はあくまで1次・2次評価をあわせてやるもの。非常に簡略的な方法で1次評価が出て来たので、それに対しては2次評価に向け色々と意見を付けさせてもらった。ある意味で全てYes, but。もうちょっと現実的な評価をやって下さいよというのが、後ろにくっつく」
— 下村健一さん (@ken1shimomura) 3月 25, 2012
▼
斑目会見発言③「やはり総合的安全評価という意味では、もっと踏み込んだ現実的評価をやって頂きたい。これではまだちゃんとした評価になってないな、と思うところは多々ございます。例えば、4頁の…[略]…このシナリオ以外のことも考えて頂きたい、というのが裏にあります」
— 下村健一さん (@ken1shimomura) 3月 25, 2012
▼
斑目会見発言④「現実的評価をぜひお願いしたいと思っているのは、これで出来たシナリオというのは、『本当はそんな事は無いよ。そんな値では決して壊れないよ』と現場の人が思いこんでしまう可能性がある。そうすると、また変な安全神話が生まれかねない」
— 下村健一さん (@ken1shimomura) 3月 25, 2012
▼
斑目会見発言⑤「ストレステストと再稼働を結び付けている国はない。それはそれで1つの政治判断としてなされること。今まで1次評価を保安院でやられたが、それではやっぱり世界的に納得を得られるものではないでしょう、ぜひこういう深さまでやって頂きたい、ということを提案した」【了】
— 下村健一さん (@ken1shimomura) 3月 25, 2012
ということだ。
つまりは、やはり班目氏はストレステスト1次審査だけでは、不十分であることを表している。
だが、報道やジャーナリストの人のブログのタイトルでは、班目氏が安全性を「妥当」としたとうけとれるものが多い気がする。
まんぞくに情報収集を出来ていない僕が感覚で言うのもあれだけれども、このようでは、班目氏が発する正確な発言が共有されないのではないかと不安にも思う。
班目氏の責任追及も当然行なわなければいけないのだが、当面暴走しているのは、保安院であり、内閣だろう。
メディアもそうかも知れない。
班目氏を悪者にしたい気持ちもわからなくはないが、この局面では、それは効果的ではない気がする。
とりいそぎこれから動画を探して見ようと思う。
いくつか、体調を案じてくださる内容のメールを頂いた。どうもありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (7)
予想どおりと言いますか、推進派(関西テレビ)による露骨な斑目潰しが始まりました。
http://www.dailymotion.com/video/xpqws4_20120328-yyyyyyyy-yyyyyyyyyyyy_news
例によって、班目氏が「妥当」とは言ってないのに「妥当」と言ったと捏造して。
笑えるのは、安全委員会のサイトから、安全委員会が「強い権限を持っています」という文言を引用しているところで、その権限は番組では「中略」とされていますが、原文を読むと「内閣総理大臣を通じた関係行政機関への勧告権を有する」程度の権限でしかありません。
http://www.nsc.go.jp/annai/tsuite.htm
最大の権限が総理への勧告ですから、原子力政策を推進する上では相当の権限であったとしても、脱原発や規制強化の側に立った勧告をして総理に聞き入れられなければ、すごすご引き下がるしかない。
安全委員会の権限はこの法令(特に十三条の2、二十四条、二十五条)に定められています。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hourei/1.pdf
総理への勧告の他には、関係機関に協力と報告を求め、調査する権限がある、というだけのことです。
今後、班目潰しの勢いと大飯原発再稼動の勢いは正比例していくと思います。
私はニコ生で会議とその中断、その後の記者会見を見ていたので、安全委員会が大飯原発再稼動を妥当と看做したという報道には咄嗟に捏造を感じました。
そもそも斑目氏は先の国会事故調において事業者と官僚の無責任を痛烈に批判しました。これは斑目氏自身の過去の言動を棚上げしたものと、多くの人をあきれさせました。しかし、これは原発推進の当事者である事業者・東電と官僚・保安院に対して対決姿勢を鮮明にしたということです。おそらく斑目氏は原発事故に直面して、反省したのでしょう。脱原発を掲げてはいないにしても。とにかく、東電と保安院から見れば、斑目氏が敵に回ったことは明らかです。彼らは斑目氏にさっさと辞めてもらいたいことでしょう。ただ残念なのは、もともと御用機関として設立された安全委員会の権限が実は非常に乏しい、限られたものにすぎないという点です。せいぜい保安院に対して Yes... but... と控えめな注文をつけることしかできない。とはいえ今後、規制庁が立ち上がるまでの間、安全委員会潰しや斑目降ろしに加担することは、東電・保安院を利することに他ならないと思います。
長文、失礼いたしました。
若いから「験を担ぐ」って知らねえんだろうな。
それとことわっとくが俺は菅礼賛なんかしてねえからな。
古い記事みたら、「菅も枝野も死刑にしろ」と書いてあった(笑)!
しかし「世界の終わり」をよく平気で生きてられるな。
ストレスでだけは死ぬな。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv86409111
……やはり、日本は脱原発に移行するね。
全基止まる4月が勝負だが、3月末で決着はつく気がする。
菅からはじまって、民主党政権にいい意味でだまされてたんだろうね。
当たってくれますように……m(_ _)m
やっぱり祈ってる(笑!)