<動画>
http://youtu.be/Dl-7mIUqr28
※初稿です。誤字脱字は随時修正いたします。
=====(文字おこし、ここから)
吉田「おはようございます。吉田照美です。」
唐橋「おはようございます。唐橋ユミです。」
吉田「そして今朝のコメンテーターは詩人のアーサー・ビナードさんです。」
※一同「おはようございます」
吉田「早速ニュースをお伝えします。」
※音楽
唐橋「福島市内の農家が清算したコシヒカリの玄米から、初めて国の暫定基準値を超える1キログラムあたり、630ベクレルの放射性セシウムが検出されました。この農家が生産したコメは出荷前で市場には流通していません。政府はこの農家がある大波地区で今年収穫されたコメの出荷停止を支持する方向で検討を始めました。(※後に出荷停止が支持された)。また、福島県も福島市を通じて、大波地区からのコメの出荷を自粛するよう要請したほか、およそ150戸の全ての稲作農家を対象に調査する方針です。
野田総理大臣は昨日の参議院予算委員会で、TPP、環太平洋経済連携協定の交渉参加の是非を争点とした衆議院の解散総選挙を行わない考えを示しました。
野田総理「TPP、ほんと大きな問題であります。私は今、濃くなんとも言うべきいろんな課題を書か会えてる時に民意を問うという視点は大事だと思いますけれども。(声「何いってんだ?」)民意をシッカリ踏まえた充分な議論をしながら、合意形成をしていくことが私は大事だというふうに思います」
唐橋「野党側からの厳しい追及に明快さを書く答弁を繰り返す野田総理でしたが。TPP参加交渉には改めて、意欲を示した上で、政府の強力な体制を整備したいと強調しました。」
野田「前例にとらわれることなく、外交交渉や情報提供をシッカリとやって行くための強力な体制を整備をしていきたいと思っています」
唐橋「政府は近く関係省庁にまたがる交渉チームを設置。重要政策の立案を担う内閣官房の国家戦略室に統括させる方針です」
福島第一発電所の事故を受け、政府は、来年1月から本格的に行う、原発周辺区域の除染に向けて、来月にも陸上自衛隊を派遣して拠点となる町役場の除染を行う方向で調整に入りました。放射線量を低くする除染の対象となる町役場は、福島県双葉町など3箇所で、派遣される自衛隊員は300人規模を想定してます。」
吉田「アーサー・ビナードさんにニュースを取り上げていただきます。え、福島市内の農家が生産したコメから、セシウムが検出されたといういうニュースですね」
アーサー「ですね。あの、630ベクレルっていうと、あの、国が原発事故の後に、あの、まあ現実に合わせる形で決めた暫定基準を、えー上回るんですね。500ベクレルまでですね。」
吉田「500ベクレル。それもたかーい数字ですね」
アーサー「高ーいすね。世界的に見ても、とっても高くて。でも、そうなるとえーっと、490は出荷できる。でも630は出荷できない。そうすると大波地区、福島、ね、大波地区が駄目だってことで出荷停止になる。で、大波地区何が悪かった? で、ちょっとそれが気になるんだよね。あの、400のとこと、ここと、その明暗を、分けるってなんなのかって。風、風、風向きだよね。」
吉田「そうですね。完全に風向きですね」
アーサー「で、それでこう、決まってくわけだよね。その暫定基準で。でもこの暫定基準は、国民のその本当の健康を守って放射性物質から子供たちを守る暫定基準にはなってなくて。今のこの、危機的状況で、どうしようもない手の施しようもない原発事故の現実に合わせて作った、ものだ。だからそれを忘れちゃいけないんだよね。
だけど、同時にその、コメを作ってる福島の農家の方々の側に立って、この問題を見る必要もあると思うんだよね。
あの、都会にいると、なんか、こう……生き物としての人間の生活を忘れてしまうんだけど。福島の南相馬にいる、僕の友人知人は、あの……それは他の、他の、田舎に住んでる里山で暮らしてる友達もそうなんだけど。その……毎日毎日外の山、川、海と繋がって畑と繋がって生活してるわけ。
だから、んー、お腹すいたら、山に取りに行ったり、まあお腹空く前に取りに行くほうがタイミングのほうがいいんだけど。その山菜も今だったら山に食べたいものがいっぱいあるんだよね。で、海にも。海に行って、その、海藻類とか採ってくることが出来るんですね。
東京ではなかなかそれ、あの……ちょっと東京湾に行ってとってくるとか、できない。ベランダで作ると、その、少しその感覚がわかるんだけど。規模もその、根の深ーいところでの繋がりは、やっぱり東京で暮らしてるとわかんなくなっちゃうような気がするんだよね。ね。
だけど毎日毎日そうやって暮らしてると、ああ、今、今日も、自分は南相馬で生活してるんだ。今日も自分はいわきにいてよかったって。それは意識して、こう、考えてこう……暮らすわけじゃなくて。それそのものが、里山の暮らしなんですね。
で、今日はニュースに上がってるのはコメだけなんだけど。全てにおいて、その放射能汚染が影響してるわけ。全てがこれをかぶっちゃってて、山のものとっちゃいけないんです。海のものもとっちゃいけないんです」
吉田「そうなっちゃいましたね」
アーサー「で、測ったらどのぐらいなのかってそれを考えながら山を見て、周りの動物たちもそういう目で見るわけ。だから、もう、あのー外から見て、あーあそこは高そうだって言って避けるっていうのとは違って。もう、宇宙が全てそういうこう、人工的に作られた毒素の基準で。そうするともう、あの、自分がこう南相馬なら南相馬にいるっていう実感も得られなくなっちゃうんですよ。」
吉田「そうかも知れないですね。」
アーサー「都会の人は半分それもうすでに、捨てた形で生活してるかもしんないけど」
吉田「そうですね」
アーサー「そうじゃないんだよね。山と畑と田んぼと、海とつながってる人と暮らしは違うんだ。だからそれが今奪われてるってことがどれほどの損失か。それをちゃんと。
で、国は何やってるかっていうとTPP。更に里山を壊す政策。それがあの、実は繋がってる問題であって。この、コシヒカリ高い値が出たって聞いたときには、ううう、もっとこのコメを作った人たちの思いを、受け止めて、それで僕らが行動しないと。あの、打開できないと思うんですね」
吉田「そうですね。ありがとうございました」
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唐橋「時刻は6時50分です」
吉田「さて、今朝のアーサー・ビナードさんのキーワードは『永田村』という言葉を白板に書いていただいてます」
アーサー「永田村って色んな動きがあってねえ。あのー、あんまり大きくニュースでは伝えられてないんですけど。派遣法成立……の動きがあって。民主党が、社民党と国民党と、さん、国民新党と3党で、まとめた法案があったでしょ。そこから、あの、派遣関係の部分を全部削除するって。で削除して成立させようって。で、これは何に隠れて、何に、どういうニュースによって隠されている勝手いうと、TPPなんだよね。」
=====(文字おこし、続く)
続き:アーサー・ビナードが語る、TPPの陰で進行する「派遣法の魂抜き修正」と「日本政治のアメリカ化」 11/17(2)
=====(管理人が考えていること)
農村の暮らしについて、知ることは、実は都会で暮らすことを知ることではないかと僕は思っています。
僕は東京に住んでいます。都会の暮らしをしているわけです。僕が享受している都会のよさというのはなんだろうと考えます。
会社に勤めているわけでもないし、都会でしか得られない情報があるわけでもないし、いったい都会には何があるんだろう。
便利な暮らし? いやいやインターネットに1日を費やす僕は、おそらくどこに行っても受け取る情報量はあまり変わらないでしょう。だったらいったいなんで僕は今、都会に住んでいるんだろうか。
多分だけど、僕がいても誰も文句を言わなそうだから、というのが僕にとっての都会のよさです。
そして同時に、なんか都会にいなければ、時代についていけなくなる、という焦燥感も心の何処かにあると思います。でもそれほんと? と自分に質問しても、ちゃんと明確な根拠を示せるわけではないわけです。
都会に住んでいる人は実はカテゴライズをしにくい人たちなんじゃないかとも思います。今は田舎に住んでいると、「どうして田舎に住んでるの? 都会に出ればいいじゃん」というそういった無根拠な誘いをしてしまうムードがあります。つまり田舎に住んでいるというカテゴリーがあるんじゃないかと。このカテゴリーは都会に住んでいるというカテゴリーよりも今や特殊なのではないかと。
と考えている僕は田舎で生まれ、田舎で育っているわけで。その時の僕も自分の中にいて、今の僕のこんな考え方に対して、「それなんかすごく変な気がする」と言っています。
今僕は、実は親と大げんかをしましたので、家を探しています。色々なところの家賃を調べています。母親を少しでも助けたいので実家の近くに部屋を借りたいとは思っていますが、家賃が高いせいもあって、ぜんぜん違う遠く離れた場所の家賃も調べています。
部屋を調べるとき、その場所でどんな暮らしができるんだろうと想像します。福島の家賃も調べてみました。東京よりすごく安い。この安さは一体なんなのだろうか。もともと安かったのか、それとも3.11の影響で下がっているのだろうか。
田舎の人はどういう生活なのか、と想像するより、部屋を探すという手段のほうが具体的に考えられるかもしれません。ちょっととりとめがなくなりましたのでこのへんで。
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