35)

「一定の」という言葉に岸本英雄氏の見苦しい言い訳が含まれています。彼は自分で言っているように正直な嘘つきです。

さて、玄海原発の再稼働について調べていたら、多くのことがわかりましたのでお伝えいたします。非常に長文のエントリーですが、重要なことを全て記しましたのでお読みください。プリントアウトしてチェックしたほうが良い分量かもしれません。

玄海原発再稼働を、玄海町長岸本英雄氏が了解したことが昨日2011年7月4日大きく報じられた。昨日の報道から、今後の玄海原発稼働までのスケジュールを割り出した。

6月末から7月の玄海原発の政治スケジュール

6月末からの玄海原発に関する政治スケジュールは以下のとおり。

=====

6月29日、海江田万里経済産業大臣が玄海町、佐賀県知事を訪問。

7月1日、県議会、原子力安全対策等特別委員会

(※菅首相に来県を要請したことが明らかとなった。)

7月4日、岸本英雄(玄海町長)、岩下孝嗣(玄海町議会議長)が九州電力社長眞部利應(まなべとしお)と玄海町役場にて会談。

(※玄海町が玄海発電所の再稼働を了解した)

7月5日、今ココ。

7月8日、佐賀県主催住民説明会

7月11日、県議会、原子力安全対策等特別委員会

未定、菅直人内閣総理大臣の佐賀県知事訪問

未定、古川知事の再稼働同意

未定、玄海原発2号機の立ち上げ着手

未定、送電線に電気を流し影響運転開始(古川知事同意の1ヶ月後、おそらく早くて8月中旬)

=====

住民が声を直接届けられるのは、

●7月8日、佐賀県主催住民説明会

しか残されていないことになります。

ここで玄海原発稼働がOKだとみなされれれば、菅首相が佐賀県入りしてGOサインを出し、佐賀県知事も同意して、その1ヶ月後に実際に玄海原発が稼働することになります。

相当数の工作員(言葉は悪いですが)が説明会の会場に集まることが想定されます。

『九電が“やらせ”メール/玄海原発再稼働求める投稿/関係会社に依頼/国主催の説明会(しんぶん赤旗)2011年07月02日09時31分

  九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開に向け、経済産業省が主催した佐賀県民への「説明番組」で、九電が関係会社の社員らに運転 再開を支持する文言の電子メールを番組に投稿するよう組織していたことが、1日までに関係者の証言や内部文書などでわかりました。県民の原発への疑問や不 安に答える番組で、九電が“やらせ”メールを組織することは県民の世論をゆがめることになり、重大な問題です。

 地元ケーブルテレビやイン ターネットで視聴できる説明番組「しっかり聞きたい、玄海原発」は6月26日に生中継で行われました。番組は、同省原子力安全・保安院や資源エネルギー庁 の職員4人と大学教授が、国側が選んだ県民代表7人に安全性の説明や疑問に回答するというもの。

 関係者の証言などによると、番組前の23、24日に九電の関係会社の社内ミーティングや社内文書で、「九州電力から、このようなお願いが来ている」として、「(原発の)運転再開に賛成する電子メールを放送時間中に番組に送れ」と指示が出されました。

 その際、関係会社の管理職は「自宅からインターネットに接続して、番組の流れにあわせて運転再開を容認するメールを送るように」と方法を説明。文言について「一国民の立場で意見や質問を書くように」と、求めたといいます。

  26日の放送では、放送中に届いた視聴者からの11通の電子メールやファクスが読み上げられました。その中では、「福島の事故の収束見通しがつかない中 で、運転再開すべきでない」とする反対意見がある一方、「原発廃止で産業が海外流出し、子どもたちがどうなるのか、次の世代のことが心配」などといった容 認論も目立ちました。

 資源エネルギー庁によると、同番組にはメールが473件、ファクスが116件よせられたといいます。九電の関係会社は福岡など九州各地にあります。ファクスでは、佐賀県外からの投稿が発覚してしまうため、電子メールでの投稿を呼びかけたものとみられます。

 本紙の取材にたいし九州電力は「そのようなことを関係会社に依頼するようなことは一切しておりません」としています。

 玄海原発2、3号機は定期検査のため現在、停止中です。

許せない誘導

  日本共産党の武藤明美県議の話 県民の率直な疑問に答えるべき番組が、運転再開の容認のために、九電関係者の声で誘導しようとするのはとんでもないことで す。実際に番組を見た県民から不満もあがっています。この番組が県民への説明にならなかったことは明らかだと思います。』

九電が“やらせ”メール/玄海原発再稼働求める投稿/関係会社に依頼/国主催の説明会(しんぶん赤旗) - livedoor ニュース
九州電力はこれくらいのことを平気で行うわけですから、当然7月8日の住民説明会にも工作員が大挙してくるでしょう。
工作員たちは会場で何をするかというと、主に拍手と質問です。推進側の意見が出たときに威勢良く彼等は拍手してムードをもり立てます。そして原発推進側にたった質問を行い、反対派が意見する時間を減らそうと努力します。
こ れはこれまでもしょっちゅう行なわれてきたことなのです。その拍手に負けないように頑張ることが大事です。何をして頑張るのか。鋭い質問を投げかけること です。ちなみにこれまでの原発立地の際の住民説明会ではどれだけ住民が頑張っても最終的に原発立地が行なわれてきました。同様な住民説明会が行なわれると 想定するとどれだけ鋭い意見を言って抵抗したところで原発は再稼働するという決定になるでしょう。これまでと違うのは福島原発以後の世論の盛り上がり方で す。この世論をバックに戦えるか。より具体的に言うならば、玄海町だけの問題ではなく周囲の隣接地域が共に抵抗できるか。佐賀県主催ですから、県民は少な くとも参加できるでしょう。他県からの参加ができるのかは不明ですが調べてみる価値はありそうです。

その後、7月11日以降1週間以内に菅 首相が佐賀県入りすれば、8月中旬から玄海原発は再稼働するという段取りです。ここまでのシナリオはすでに菅直人首相の手元に渡っているでしょう。つま り、すでに再稼働することは99%決まっているということになります。基本的にこの国では首相に情報が渡った時点で手はずは整えられているのです。

7月4日原発町長岸本英雄氏が再稼働了承した時点の関係者の発言まとめ

さて、本日が7月5日ですから、7月4日の玄海町での九州電力と玄海町側の会談まで終了しています。登場人物と7月4日の時点の発言をおさらいしましょう。

=====【玄海町の人物】

●玄海町長・・・岸本英雄

「電源車の配備などの津波対策で外部電源の確保が確認できた」(4月中旬)

「運転再開を了解したい」(7月4日)

「移動式電源車の配備など緊急安全対策が講じられ、玄海原発の安全性に町民の一定の理解が得られた」(7月4日)

●玄海町議会議長・・・岩下孝嗣

●九州電力社長・・・眞部利應

「街の皆さんの判断に感謝したい」(7月4日)

=====【佐賀県の人物】

●佐賀県知事・・・古川康

「安全性の問題はクリアされたと考える」(6月29日海江田大臣との会談後)

「首相の真意を確認したい気持ちが高まっている」(7月4日)

=====【政府の人物】

●経産省大臣・・・海江田万里

「町長は大変な苦渋の決断だったと思う。さらにしっかりと町民の理解が得られるよう安全性を説明していきたい」(7月4日)

●原子力安全保安院・・・森山善範

「保安院の(安全対策に対する)説明に、一定の評価を頂いたと思う。短期的な(安全)対策で万が一、津波で全交流電源が喪失しても十分対応できる」(7月4日)

●原子力安全委員会委員長・・・班目春樹

「保安院が『いろんな安全対策を幾十にもめぐらしたという総合評価』を行い、『説明性を高める努力』をもっと行うように注文づけた。」(7月4日報道より引用)

=====

皆さんは上記のコメントをどのように捉えましたでしょうか。

筆者の見解は以下のとおりです。

●全交流電源が喪失したことを想定した安全対策しか講じていないことを国をあげて認めた。だがその安全対策すら不十分である。

つまり、福島原発事故以降、ろくな安全対策をしてこなかったということになります。

玄海原発の福島原発事故以降の安全対策に絞って発言を読む

住民を含め私たちが注目しているのは安全対策だ。安全対策に関する、原発立地町、原発立地件、国、のコメントを注意深くみてみる。

玄海町長・岸本秀雄「電源車の配備などの津波対策で外部電源の確保が確認できた」(4月中旬)

4月に玄海原発で行なわれた津波対策で「外部電源の確保」が確認できたことを伝えている。「外部電源の確保」は全電源喪失したときにどのように電源を確保するかについて述べている。つまりは

●全電源喪失した際の「外部電源の確保」

が最重要安全対策とされている。つまり、全電源喪失した際の「外部電源の確保」以外の安全対策は確認出来ていないことが読み取れる。

福 島原発事故の最大の原因が全電源喪失した際に外部電源を確保できなかったから、この対策を行なっている、ということだろう。この外部電源確保が100%可 能であるという確信がどこから来るのか知らないが、これ以外の原因から起きるシビアアクシデントへの対策は新たに講じていない、わけだ。

その証明に、原子力安全保安院の森山善範氏はこう述べている。

森山「保安院の(安全対策に対する)説明に、一定の評価を頂いたと思う。短期的な(安全)対策で万が一、津波で全交流電源が喪失しても十分対応できる」(7月4日)

短期的な安全対策を講じたので、全交流電源喪失という状況が起きても十分対応できると述べている。これは、

●短期間では、最低限、全交流電源が喪失したことを想定した安全対策しか講じていない

ということを意味する。

これに対して、原子力安全委員会の班目春樹氏は警鐘を鳴らしている。

斑目「保安院が『いろんな安全対策を幾十にもめぐらしたという総合評価』を行い、『説明性を高める努力』をもっと行うように注文づけた。」(7月4日報道より引用)

1つの安全対策を行ったという評価では足りない、ということを意味している。登場人物の中で警鐘を鳴らしているのは、この班目春樹氏の発言のみである。

つまり玄海原発は、福島原発後に、

●短期間では、最低限、全交流電源が喪失したことを想定した安全対策しか講じていない

ということになる。そしてこの1点のみで、玄海原発の再稼働を行う根拠としていることになる。

先述で玄海町庁の岸本英雄氏の発言を引用したとおり、この全電源喪失を想定した安全対策を行ったことは4月中旬だ。ではこの4月中旬までにどのような安全対策を行ったのだろうか。

4月12日に玄海原発で行なわれた全電源喪失想定訓練の酷さ

玄海原発の全電源喪失の想定訓練が、まるでコント。酷すぎる。

これは九州の報道番組で伝えられていたことを筆者が開設したエントリーだ。電源車によって電源を確保してポンプを用いた冷却をおこなう非常訓練を行ったとのことだ。

■筆者が考えるこの訓練の問題点

●全電源喪失が何によって起きるのかという想定がない。

もし津波や地震で起きるならば、とうぜん事故直後に作業員たちとの連絡は取れなくなる。連絡をどう取るのかについて、想定して訓練していないように思える。

●防護服を着て訓練していない。

全 電源喪失を想定したならば、メルトダウンが進行することを想定する必要がある。また、上記のように地震や津波が起きて全電源喪失が起きたと想定するなら ば、当然原子炉圧力容器、格納容器に思わぬトラブルが起きていると想定する必要がある。その時作業員は防護服を着て任務に当たる必要がある。

●電源車が1km位内に保管されている

津 波や地震が全電源喪失をもたらしたと想定した場合、当然1キロ圏内に保管されている電源車そのものが機能しなくなる場合を想定しなくてはならない。また、 インフラが破壊され道路を電源車が移動して来れなくなる場合がある。その時自衛隊による電源車の空輸が必要になるが、4月に行なわれた訓練に自衛隊が参加 して、電源車を空輸したということは伝えられていない。つまり自衛隊が参加していない。

電源車を空輸するためには自衛隊の協力が必要だという根拠がある。

経済産業省 原子力安全・保安院 九州産業保安監督部|メールマガジン

これには以下の記述がある。

『【こんな訓練も行われている。】

今 年5月25日の宮崎県総合防災訓練では、自衛隊の大型ヘリコプターに発電機車を吊り下げて、孤立した被災地へ運ぶ訓練(懸吊空輸訓練)が行われました。こ の発電機車は先程紹介した出力300kVAのものですが、ヘリコプターに吊り下げられるように開発されたもので、軽量化されています。
また、形状もヘリコプター上昇時の抵抗を和らげるため天井部が丸くなっているのがわかると思います。フック付きのワイヤーで車体を引っかけ、吊り下げて運ぶという単純なものではないようです。輸送するのにも色々な技術が必要なものですね。』

43)

万が一津波や地震が起きても電源車が無事だった場合でも、自衛隊の空輸がなければ原発に辿りつけないおそれが十分にある。だが4月の全電源想定訓練では自衛隊は参加していない。

=====

以上が4月12日に、玄海原発で行なわれた全電源喪失想定訓練が不十分であった箇所だ。この訓練を受け、海江田万里経済産業大臣と玄海町長岸本秀雄氏は、安全対策が十分だとみなしているのだ。

●短期間では、最低限、全交流電源が喪失したことを想定した安全対策しか講じていない

これについて国も、県も、地方自治体も認めているが、安全対策が十分だと主張しているのだ。

だが玄海原発には、別の危険性が主張されている。

玄海1号機の原子炉圧力容器は急な冷却で壊れるおそれ

=====

『【解説】玄海1号機の劣化問題 危険性の指標上昇

■脆性遷移(ぜいせい・せんい)温度の上昇が問題

運 転開始から36年がたった九州電力玄海原発1 件1号機の原子炉圧力容器の劣化問題。劣化を判断する指標となる脆性遷移温度が予測値を大幅に超えたことを、研究者らは一様に問題視し、原因を究明するた めに九電の情報開示の必要性を指摘する。4人の研究者の見解を紹介し、脆性遷移温度について説明する。

関連記事「玄海原発1 件1号機 想定以上に劣化進行か」(佐賀新聞)

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1968174.article.html

【脆性(ぜいせい)遷移温度とは?】

鋼鉄製の原子炉圧力容器は核燃料が分裂する際に放出される中性子を浴びて次第に劣化する。鋼鉄はそもそも高温では柔らかくて粘り強いが、低温だと硬く割れやすくなる。脆性遷移温度はその境目の温度で、劣化するほど上昇し、この温度を下回るともろくなる。

原発事故で圧力容器を冷やす必要が出た場合、原子炉に水をかけて冷やす緊急冷却装置(ECCS)が作動する。脆性遷移温度が高いと、急激な温度差による圧力に耐えられず破損する危険性が指摘されている。

玄海1号機の圧力容器は高さ約11・5メートル、鋼鉄の厚さは約18センチ。脆性遷移温度を確認するための試験片は数十個ずつ六つのカプセルに入れ、圧力容器の内壁と原子炉の間に置かれている。

脆性遷移温度の数値は運転管理にも使う。そのため、カプセルは容器の壁につけるのではなく、あえて壁よりも10センチ燃料に近い場所に置いて中性子の照射量を増やす。試験片の数値から圧力容器が今後、どの程度もろくなるか予測するという。

試 験片は数年から十数年ごとに1カプセルずつ取り出し、原子炉製造会社の研究施設で検査する。それぞれ違う温度で温めて衝撃を加え、もろく壊れた温度を脆性 遷移温度として推定する。試験片の脆性遷移温度を元に、日本電気協会の予測式から今後の温度推移や容器本体の脆性遷移温度を割り出す。

九電が1993年に検査した時点では、60年運転した場合の圧力容器の脆性遷移温度を72度と予測していたが、今回の検査結果を受け91度に上方修正した。九電は「業界基準の93度以下で問題ない」とする。

■劣化、現状の危険性について識者4人の分析

運 転開始から36年がたった九州電力玄海原発1 件1号機の原子炉圧力容器1 件の劣化問題。劣化を判断する指標となる脆性(ぜいせい)遷移温度が予測値を大幅に超えたことを、研究者らは一様に問題視し、原因を究明するために九電の 情報開示の必要性を指摘する。4人の研究者の見解を紹介する。

【渡邉英雄・九州大応用力学研究所(照射材料工学)】

試験片の 脆性遷移温度は過去の実測値に基づく予測から大きくずれており、誤差の範囲で済むレベルではない。詳細な検査データはわれわれにも公表されず、中性子照射 の影響が研究者間で100%解明できているわけでない。国内外の専門家に試験片を開示するなどして学問的議論に広げなければ、地域の安心と安全には寄与し ない。

容器本体は構造物としての荷重や過去の地震による影響なども受けており、どんなメカニズムで上昇したのか、原子レベルでの詳細な解明が必要だ。

【井野博満・東大名誉教授(金属材料学)】

精度が上がった最新の予測式で脆性遷移温度を推定すれば70度程度になるはずで、実測値は全く異なる。想定以上の劣化と考えるのが自然だ。衝撃試験で試験片がどのように壊れたのかなどの検査結果公表が不可欠だ。

圧 力容器の材質にばらつきがあり、一部が想定外にもろくなっている可能性もある。事故などで緊急冷却装置が作動して一気に水が注入された場合、運が悪ければ 温度差による応力に耐えきれず破損する。原発管理を運に任せることは許されず、98度を容器本体の数値と見て対策を考えるべき。

【長谷川雅幸・東北大名誉教授(原子炉材料学)】

運転期間が長くなれば脆性遷移温度の上昇カーブは緩やかになるのが一般的で、急上昇は非常に不可解だ。直ちに危険な状況ではないが、原因を確かめなければ安全とは言えない。

国 内の電力会社が研究機関に試験片を提供することはなく、ベルギーの原発から取り寄せた日本製の試験片で研究しているのが現状だ。原子炉の本来の運転想定は 30年。高経年化評価して運転を続けておりそもそもリスクがある。情報を公開しない電力会社の体質をあらためなければ、国民の信頼は得られない。

【義家敏正・京都大原子炉実験所教授(原子力材料学)】

圧力容器1 件の厚さは20センチ近くあり、重量も約500トンある。仮に緊急冷却装置の水が入ったとしても破損は考えにくい。ただ98度はあまりに唐突。容器の材質に何が起きているのか、詳しく調べる必要がある。

電力会社の試験片の検査は言わば内輪でやっている状況。原子炉の安全性は研究者のだれもが追求すべきと感じている。破壊検査した試験片の破断面はどうなっているのか、中性子照射の影響を受けやすい銅やリンなどの不純物はどの程度含まれているのか、資料を示してほしい。 

転載元:【解説】玄海1号機の劣化問題 危険性の指標上昇/佐賀のニュース :佐賀新聞の情報コミュニティサイト ひびの

小出裕章氏がこれについてラジオで述べた見解は以下のエントリーから読めます。

7月4日 玄海原発の圧力容器の脆さについて 小出裕章(MBS) « 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ

つまり、全電源喪失が起きて、万が一急激に圧力容器を冷やさなくてはいけない状態になったとき、水を注入して冷やすと圧力容器が簡単に壊れるおそれがあるということです。つまり、全電源喪失訓練では不十分であるということです。

そして、最後に、玄海原発再稼働を了承した玄海町長と九州電力の癒着疑惑です。

玄海町長ファミリー企業、国と県の天下り先だった~原発利権めぐる癒着の実態~|政治ニュース|HUNTER(ハンター)|政治・行政の調査報道サイト

玄海町政「癒着の構造」九電軸にうごめく政・業~玄海原発運転再開への疑問~

この2つのエントリーはプリントアウトすることをおすすめします。ペンを入れたほうが理解が深まるからです。

この中で玄海町長岸本英雄氏とゼネコン「岸本組」、玄海町町議会議員の癒着疑惑について記されています。10分程度目を通せばわかりますが、箇条書きにしてみます。

●岸本英雄氏は平成7年に佐賀県議会議員に。平成18年に玄海町長に。

●岸本英雄玄海町長の実弟(佐賀県系OB)が岸本組の社長

●岸本英雄玄海町長が岸本組の下部を7520株以上保有。第3位の大株主。

●岸本英雄氏が佐賀県議会議員の時、建設省の人物が天下り。

●平成13年4月末、建設省九州地方建設局(現・国土交通省九州地方整備局)を退職した人物が同年5月1日には岸本組技術部長に就任。平成17年取締役に昇格。
●平成15年3月末に佐賀県を退職した人物が同年5月に企画部長として岸本組に入社、平成17年に取締役。
●岸本町長の自宅住所の土地は岸本組創始者の名義のまま
●敷地内にある2棟の事務所建設の所有権者は、登記簿上「岸本組」
●「岸本組」の民間企業の取引先は、「九州電力」とその子会社「西日本プラント工業」だけ。
●玄海町議会の定数12のうち講演会など政治団体の届出をしているのは6名。
●届出をしている6団体のうち、4団体は、設立以来、収入、支出とも「0」
●平成21年の玄海町議選では、ほとんどの町議会議員が政治団体を持たないまま政治活動を行っていたことになる。
●個々の議員の政治資金の流れが見えない。
●岸本英雄講演会は19年に解散。22年に復活。22年の政治資金収支報告書が未公表。
●つまり玄海町議会議員の政治活動の実態が資金面からはほとんど不透明
●異常な玄海町政治。
●政治倫理条例が制定されておらず、岸本英雄氏が大株主を務める「岸本組」による玄海町発注工事の受注がまかり通っている。
●情報公開の請求権が限定的。「町内に住所を有する者」「町内に事務所又は事業所を有する個人及び邦人その他の団体」「町内に存する事務所又は事業所に勤務する者」「町内に存する学校に在学する者」に限られ、町外から情報を請求できない。
●平成22年7月の玄海町長選挙の際に、町議会議員5名に現金報酬。平成18年にも同様に行なっていた。これは公職選挙法で禁じる「公務員の地位利用による選挙活動」に当たる可能性が浮上。事実だけを見れば買収に等しい行為。
●玄海原発の運転再開は、原発町議会議員12人で構成される「原子力対策特別委員会」で委員長を含む8名が運転再開を容認。そのうち5名が上記の現金報酬を受けた町議会議員。
●上記の原子力対策特別委員会の委員長も報酬を受け取っていたうちの1名。
これらの疑惑を簡単に整理すると以下のようになります。
『玄海町長岸本英雄氏は、大株主であるところの「岸本組」を利用して九州電力からの仕事を受注。株式配当で利益を受けている可能性がある。また岸本英雄氏は、玄海町議会議員たちが買収し、玄海原発再稼働を容認させたおそれがある。またはそのように見ることもできる』
玄海原発の再稼働を岸本英雄氏が了解した裏側には、玄海町特有の事情があるようです。これらの事情は、ひょっとすると全国の原発立地市町村に存在するのかもしれません。

最後におさらいです。

7.8佐賀県主催住民説明会で追求すべきこと

  • 4月12日の全電源喪失想定訓練が不十分であったこと
  • 玄海原発の圧力容器の脆性破壊の危険性
  • 玄海町長と九州電力の癒着疑惑

興味のあるジャーナリストの皆さん、マスメディアの皆さん、残り僅かの時間しか残されていませんがほじってみてはいかがでしょうか。


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