2017年読んでよかった本たち
買ったものに続いて、読んでよかった本をまとめます。
ちるらん(漫画)
- 作者: 橋本エイジ,梅村真也
- 出版社/メーカー: ノース・スターズ・ピクチャーズ
- 発売日: 2015/06/08
- メディア: Kindle版
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今年に限っていうと、17、18、19巻。
ネタバレになるのであまり言えないですが、まぁ〜〜〜。。。よかった!
20巻が1月20日に発売されるのを心待ちにしております。
- 作者: 橋本エイジ,梅村真也
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2018/01/20
- メディア: コミック
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- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/12/12
- メディア: Kindle版
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インベスターZ(漫画)
- 作者: 三田紀房
- 出版社/メーカー: コルク
- 発売日: 2013/09/20
- メディア: Kindle版
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これをただの漫画と思ったら大間違い、結構、いやかなり勉強になります。
株について学ぶというより、捉え方によってはもっとビジネスの本質まで語っていると感じました。
ビジネスマン必読の一冊。
人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?
人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質
- 作者: 山本一成
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/05/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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将棋ソフト最強のポナンザを開発した山本さんのAI本。
将棋AIの理論についてはもちろん一般的なAIの話、さらにはAIにおける倫理感なども織り込んでおります。
序盤にAIを語る上で欠かせない知能の定義についてあるのですが、それを知っておくと人工知能を紐解くのに便利になります。
今後、AIについて触れる方については充分おすすめできます。
ゼロから作るDeep Learning
ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
- 作者: 斎藤康毅
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/09/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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バズワードであるDeep Learningの仕組みをわかりやすく丁寧に作りながら説明している本。
これを読むとDeep Learningが実際に何をやっているかというのがわかります。
前述の人工知能はどのように~と併せて読むとより面白いかと思います。
今後、AIについて触れる方については充分おすすめできます。(2冊目)
Black Box
- 作者: 伊藤詩織
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/10/18
- メディア: 単行本
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今話題のmetooの先駆けとも取れますが、この実態はもっと根深いものだと感じます。
一般的にはいわゆるデートドラッグと呼ばれる問題に切り込んだテーマですが、
それを受けた本人が経験を元に記述していくことでさらに重いテーマとなっています。
さて、もう一方の問題である、その行為の先の判決についても個人的には考えるべきかと。
タブーの正体!: マスコミが「あのこと」に触れない理由 (ちくま新書)
- 作者: 川端幹人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/01/05
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 117回
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こういった問題に取り組むジャーナリストは本当に尊敬します。
リー・クアンユー、世界を語る 完全版
- 作者: グラハムアリソン,ロバートD ブラックウィル,アリウィン
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2013/10/15
- メディア: Kindle版
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様々な政治家が彼の行動・言動から学ぶだけあって、その独自の視点からは色々な学びがあります。
世界の各国について切り込んでいますが、特に中国については新しい学びと自分の答え合わせ的なこともできました。
一つ驚いた点はこのインタビューが色々な年代で行われており、古いものだと1993年のものもあります。
なのに、なのにまるで最近回答されているかのように感じられるところもありました。
それはつまり、その国の本質が20年以上変わっていないことを示しています。
別の視点で置き換えた時、本質さえとらえていれば新たな知識を得ずともやっていけるということを感じました。
以上、2017年読んでよかった本でした。
実際この10倍くらい本読んでますが(特に漫画)、抜粋するとこんな感じです。
2017年買ってよかったものたち
2017年色々なものを買ったのでその振り返りを兼ねて色々紹介していきます。
他の人も同じことやっていたので平たくゆうとパクリ企画です。
スマートスピーカー(Google home, Echo)
- 出版社/メーカー: Amazon
- 発売日: 2017/11/15
- メディア: エレクトロニクス
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Amazon echo dotとGoogle homeを買いました。
メイン使用はGoogle homeで、開発用にecho dotも買いました。
それぞれの評価はFacebookに載せたのでみていただければと思います。
ここではどのように使っているかを説明します。
1. 音楽を聴く
Google musicに課金をして使っています。
「OK、Google、〇〇(アーティスト名)の〇〇(曲名)を再生して」というと、再生されます。
特に嬉しいのは指定したわけではないのに、そのアーティスト周辺の曲が流れることです。
「JUDY AND MARYのBrand new wave upper groundを再生して」というとジュディマリをはじめとした90年代のアーティストが再生されます。
ジュディマリ=>ブリグリ=>globeの流れの時は思わず「こやつ、デキる!」と言いました。
2. 電気のオン/オフをする
後述しますが、部屋の電気にはhueを使っています。
「OK、Google、電気をつけて」
で電気がつくのが便利。
3. テレビのオン/オフをする
電気同様「OK、Google、テレビをつけて」というとつきます。
ただし、チャンネル選択はできないのでオフ時の方が力は発揮されます。
スマート電気(hue)
Philips Hue(ヒュー) スターターセット v2 929001156101 【AmazonAlexa認定取得製品】
- 出版社/メーカー: Philips(フィリップス)
- 発売日: 2016/04/06
- メディア: Personal Computers
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もし購入を考えているのであれば、Google homeもしくはEchoと併用して買うのが良いかと思います。
バックパック(incase)
今年は海外に5回福岡に2回いきました。ほぼLCCだったのでキャリーケースよりもバックパックの方が良いと思って、色々探していた結果、
INCASEのTravel Backpackを購入しました。
結論から言うとめちゃくちゃ良いです。値は張りますが、そのぶんの効果はガンガン出てます。
いいとこ1. PCが入るスペースがしっかり確保されてる。
いいとこ2. 肩に負担が全くない
いいとこ3. LCCに普通に入る仕様
いいとこ4. 内部にもポケットがいっぱいあって細かい収納に便利
いいとこ5. 通常のバックパックとは違ってキャリーケースのように開くところもあり服等の整理が楽
いいとこ6. バックパック以外で使う時はチャックを閉じることで通常のリュックのように街でも使える
などいっぱいいいところがあります。値段が高いこと以外デメリットはありません。
あと、他のものと比較してません。
MacBook Pro (13inch touch bar)
CPUやストレージもアップグレードして購入。Touch barを使わない人もいるからという話をいっぱい聞きましたが、
「俺は使うぞ!Touch bar便利!」
あとUSBのC type、アダプターは別途買いました。そこまで不便ではないですね。
コードレス掃除機 (Electrolux)
これまでクイックルワイパーでやりくりしていたけどやっぱり掃除機がいいですね。色々なものをみて、結果エレクトロラックスに。
安くてスタイリッシュでいい感じです。
タオル(今治タオル)
ブルーム 今治タオル ナチュラルボーダー バスタオル 2枚セット (ブルー・グレー) natural_bt2_bg
- 出版社/メーカー: タオルショップ ブルーム
- メディア:
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あまりにも非難轟々だったため、一回で交換という運用に変更しました。
今となっては複数回使うなんてありえない!とすら思っております。
タオルハンガー
LOHAS Home ハンガーソリッド木製パンツハンガー 2調節可能なクリップ、10本組
- 出版社/メーカー: LOHAS HOME
- メディア:
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一回で交換運用にはマストバイですね。
他にも色々購入しましたが、紹介するほどのものはこんな感じです。
2018年買いたいものたちも近日公開します。
ノルウェイの森を読んだ話
「ノルウェイの森」という本。
年齢にもよるが日本で生きている以上は知らないという方が珍しいのではないか。
かくいう私もその存在は知っていた。村上春樹のことも同様に。
興味はなかったため、読むことはなかったが、
「お前は村上春樹を気にいるから絶対に読んだ方がいい。」といわゆる「ハルキスト」の友人に言われたため、
「じゃあ読んでみるか。」という流れで読んだ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/03/13
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 29回
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2日程度で読み終わると、読了後のなんとも言えない鬱屈感があった。
どうも主人公をはじめとした、登場人物の感情を受け止めすぎたのではないかと。
物語と納得するには若すぎて、知らない世界だと割り切るには歳を重ねすぎた。
山南敬介にみる”組織力”について~歴史から学ぶシリーズ~
会社を退職して、現在無職を謳歌しているものです。
今、かなり時間があるので思考するにはもってこいの時間です。
これまでの社会人生活5年がむしゃらに動いてなんとか経験値を貯めてきました。
今後の数年は貯めた経験値を資産と考えてどこまでレバレッジを効かせるかが勝負になります。
ところで、「知性」というものについて考えると、
個人的にその定義は
「法則を見つける能力」
というのに集約されるかと思います。
これまで得た経験からある程度の法則はわかりました。
ただ、それだけだと自分だけの世界での法則しか見つけられないとも感じます。
そこで考えたのは歴史から学ぼうと考えました。
歴史の中で起こったことの「原因」と「結果」そしてそのパターンから学ぶことによってさらに法則を見つけ、人生にレバレッジをかけようと思います。
当然、せわしなく動いている期間はそんな時間ありません。なので無職期間の今は絶好の機会と言えます。
さて、そのシリーズの第一弾として、幕末の重要組織「新撰組」から考えていきます。
歴史から学ぶといっても色々あるかと思いますが、今回は出来事ではなく、その出来事の裏に当事者が何を考えていたかについて考察を進めます。
これから中二病感も出てきますが、その辺りのツッコミはなしでお願いしますね。
ある程度、歴史の予備知識がある前提で書いていますので、詳しくない人で興味がある人はググりながら読んでください。
幕末というのは様々な思想がありました。
その中でも新撰組というのは佐幕側の思想を持っている組織と言えます。
そして、その新撰組の重要人物を今回2人挙げるとすると
「山南敬介」と「土方歳三」がポイントになってきます。
山南敬助 - Wikipedia
土方歳三 - Wikipedia
今回、結論から言うと、組織はお互いを認め合うことで成長する。
と言う結論になってます。
なぜ、そのような考えに至ったかを、「出来事」と「その時の考え」、そして「結果」から説明していきます。
参考図書は下記です。
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/12/12
- メディア: Kindle版
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- 作者: 橋本エイジ,梅村真也
- 出版社/メーカー: ノース・スターズ・ピクチャーズ
- 発売日: 2015/06/08
- メディア: Kindle版
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- 作者: 永倉新八
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
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前提、解釈は人それぞれなんだな~と思っていただければと。
(漫画があるやんけと思いますが、これ面白いので読んでください)
出来事は、芹沢鴨の粛清から山南敬介の死までの期間から考えます。
芹沢鴨の粛清後、試衛館を元にした組織が新撰組の中心となっていきます。
とりわけ絆が強いメンバーを中心にした人物が組織を動かす状態となりました。
その折にできたのが「局中法度」という今の言い方でいうところの「行動指針」です。
(文献によっては芹沢鴨粛清前という話も)
それは浪人集団だった新撰組を組織として強くするために、組織の中心人物であった先の2人が定めた法です。
先に説明した通り、新撰組は佐幕側についています。
その経緯としては、
- 清河八郎が佐幕のため浪人たちを集め浪士組として試衛館を京都に集める
- しかし、清河八郎の思想は佐幕とは逆の尊王攘夷であった
- それが幕府側にばれ、追われる身に
- 結果的に浪士組は解散されるがメンバーはそのまま会津藩預かりとなり壬生浪士組と改め後の新撰組となる
という経緯で佐幕側になりました。
そこで考慮すべきことが2つ
これらの思想の違いが後の「出来事」を生むこととなります。
そこで両者の関係を考えると、
資料から2人はお互いにいけ好かない状態だったと記されております。
土方歳三は山南敬介が有識者であることを。
山南敬介は土方歳三が思想もなしに生きていたことを。
しかし、もし仮にそうだとした場合、その後の出来事に矛盾が生じると考えます。
話を戻して芹沢鴨の死後から進めます。
その後、「伊東甲子太郎」が新撰組に加入します。
伊東甲子太郎は北辰一刀流というその時の新撰組では山南敬介・藤堂平助の同門となる流派でした。
その流派というのは佐幕に相対する攘夷を基本とする思想を持っています。
その後は、新撰組内でも佐幕派と攘夷派の2つの思想で密かに別れており、
攘夷派の中心人物である伊東甲子太郎は当時佐幕派と敵対する薩摩と繋がっていました。
そのような行動は先に説明した局中法度の1つである「士道に背く行為」です。
そして、長州藩や土佐藩をはじめとする雄藩の台頭により佐幕側の分が悪くなっていたというのが有識者の考えでした。
新撰組一の有識者である山南敬介も、もともと攘夷思想を持っていたのに加えそのような時流からその思想が強くなりました。
一般的に起こった事実では、
その後、隊を脱し、そのことによって切腹するという結果となりました。
(他の解釈もぜひ紹介したいですが、参考図書のネタバレになるので伏せておきます)
いずれにせよ、自らの攘夷思想を貫くより、新撰組の掟を選んだ結果、死を選びました。
当然、これまでの功績やそれをもたらした山南敬介の才を持ってすれば、新撰組と対立しようとも攘夷の道を進み、維新の重要人物となることも可能なうえに、山南敬介自身もその自信があったと考察します。
ifの話をすると、
もし、山南敬介が裏切り攘夷に走ったとした場合、圧倒的に邪魔だった存在が土方歳三です。
なんども言いますが、山南敬介ほどの実力があれば確実に土方歳三を倒す方法はありました。
ではなぜ、死を選んだのか。
それは先の、
「山南敬介と土方歳三がお互いにいけ好かない状態であった」
という説を否定することで説明がつくと考えます。
繰り返しますが、新撰組という組織を実質作り上げていったのは「山南敬介」と「土方歳三」でした。
その時から
土方歳三は山南敬介の「実力を認めていた」
山南敬介は土方歳三という「存在を認めていた」
そして結果的に自身の思想を貫き通すよりも、土方歳三への「尊敬」から死を選んだのだと考えます。
死は共に作り上げた「局中法度」を守るという選択でした。
その後、時流には逆らえず、土方歳三の死をもって新撰組という組織は終わります。
しかし、維新側にとって一番の敵であった新撰組という組織は強い組織だったと言えるでしょう。
まとめると
出来事は山南敬介は自ら死を選んだ。
それには土方歳三への尊敬という考えがあった。
結果的に組織は強くなった。
これから
「お互いを認め合うことが組織力を向上させる」
というある種のパターンが導き出された歴史から学んだことです。
論理展開について言い訳
- 出来事自体はなるべく史実に基づいてますが、考えには独自の解釈が多く含まれてます
- 新撰組が「強い組織」ということを説明するロジックは上記だけだと抜けています
というわけでもう少し、様々な資料を読み漁って、
より確実な独自の幕末論を作っていこうと思います。
2017年は「WEBブランディング広告」元年になる。その理由。媒体編
年末なので来年の話をして鬼が大爆笑する記事を書こうと思います。
ずっとまえから
「WEBブランディング広告」について考えていました。別に「ブランディングWEB広告」でもどっちでも。
一旦、「WEBブランディング広告」ということの定義を揃えておくと、
「WEB広告で認知度や理解度、好意度を上げるための広告」という認識で読み進めてください。
その逆に「獲得系広告」がありますが、それは議論しません。
次のような流れで説明を進めたいと思います。
- ブランディング広告と、そのための媒体要件について
- インターネットについて
ブランディング広告とは
こちらも定義を揃えておくと、
「その目的として、認知度や理解度、好意度を上げるための広告」としておきます。
そもそも、なぜ広告を出すかというと、
「売上を上げるため」です。
売上を上げるためには、という議論のその中に、
「認知度や理解度、好意度を上げる」
という中間目標があります。
そしてそれを達成する広告を「ブランディング広告」とします。
では、この「認知度や理解度、好意度を上げる」目標を達成する媒体の要件を考えていきます。
【認知度を上げる】たくさんの人に見せる
認知度ということを定義すると、
「そのブランドの知られている割合」
式としては
認知度 = そのブランドを知っている人 / 全ての人 (or ターゲットユーザー)
となります。
認知度を上げるには、
そのブランドを知っている人
を増やすか、
全ての人 or ターゲットユーザー
を減らすかという方法で認知度を上げます。
商品開発の時点で後者が行われるとしたら、前者を広告で行うことになります。
となると、
- どれだけ多くの人に見せるか
- 何回見せるか
- どのようなものを見せるか
の3点がポイントになります。
このうちの前者2点が媒体に依存するものとなります。
なので、「認知度を上げる」媒体の要件としては、
「多くの人に何回も広告を見せられる媒体」
ということになります。
【理解度を上げる】長い時間見てもらう
理解度を定義すると、
「そのブランドの特徴を知っている人の割合」
式としては、
理解度 = そのブランドの特徴を知っている人 / そのブランドを知っている人
となります。
前述の通り、分母を下げることに意味はないので、
分子を増やす必要があります。
ブランドの特徴を知るには、
- どれだけ長い時間みせるか
- 何回見せるか
- どれだけ詳しく説明するか
- どれだけわかりやすく説明するか
このうちの前者2点が媒体におけるポイントですが、
後者2点を意識したクリエイティブを入れても不自然じゃないことも媒体の要件と言えます。
なので、「理解度を上げる」媒体の要件としては、
「長い時間見せて、説明するようなクリエイティブを入れても不自然じゃない媒体」
ということになります。
【好意度を上げる】好きなコンテンツがある
「認知度」「理解度」は定性的な部分が多いが、ある程度は量でも考えられました。
「好意度」は直感的に定量的に表現するのが難しいのでむりやり定量化してみます。
まず、何かの割合という風に定義する場合、分母を考えます。
1. そのブランドが好きな人 ⊂ そのブランドを知っている人
2. そのブランドが好きな人 ⊂ そのブランドの特徴を理解している人
これまでの話から上記2つの仮説を考えます。
1はそのブランドを知っている人の中にそのブランドが好きな人がいるが、そのブランドの特徴をよく知らなくても好きになるというケースを含む仮説。
2はそのブランドの特徴を知らなければ好きにならないという仮説。
話は変わって、
「好意度」があるとどういう行動をするかについて考えてみます。
A. そのブランドについて詳しく調べる
B. そのブランドを購入する
C. そのブランドを複数回購入する
この3つの行動パターンがあるとします。
まずひとつ確定するのは、Cの「そのブランドを複数回購入する」です。
当然、そのブランドに何かしらの「好意」をもっていなければその行動はしません。
何かしらの要素としては、質・値段等がありますが、何にしてもその行為には「好意」があります。
残りを考えます。
Aについては好きだけど特徴は良く知らない、だからよく知ろうという意味があります。
Bについては好きだから欲しくなって購入した。
ということが考えられます。
Aはどんなユーザーかというと、
そのブランドは好きなので、深く特徴を知りたい人 (つまり、特徴をよく知らない人)
Bは
そのブランドを好きで特徴を知っているから購入する人、もしくは特徴をよく知らないけど好きだから購入する人
というユーザー像が浮かび上がります。
Aから議論を深掘りすると、
そのブランドが好きな人 => そのブランドを深く知ろうとする人
という関係が浮かび上がります。
しかし、その逆で、
そのブランドを深く知ろうとする人 => そのブランドが好きな人
にはならないかと思います。
Bの議論を深掘りすると、
理解している or 好き => 購入
理解していない or 好き => 購入
という関係になります。
論理図で表すと
理解している | 好き | 購入 |
x | x | x |
x | o | o |
o | x | x |
o | o | o |
この論理図より、知っている or 知らないに限らず、好きなら購入するということがいえます。
ここまででわかることは初回購入のプロセスにおいて、
「好きにする」には必須だけど、
「特徴を知っている」は必ずしも必要ではないということがいえます。
もちろん今回は一般的に議論しているので、商品によっては「特徴を知っている」が不可欠になる商品もあるかと思います。
また、「好き」だけど「購入しない」は一旦排除して考えます。
というわけで話を巻き戻すと、
「好意度」の分母は「認知している人」となり、
好意度 = そのブランドを好きな人 / そのブランドを知っている人
となります。
次にそのブランドを好きになってもらうには、
- 雰囲気が好き
- 自分の好きな人がそのブランドを好き
- 使ってみて良かった
このうち媒体のみで達成できるポイントはありません。
ただし、前者2点はクリエイティブで達成し、それが媒体に合っているかどうかに依存します。
なので、「好意度を上げる」媒体の要件としては、
「ターゲットユーザーが好きになるような雰囲気を作れる媒体」
ということになります。
インターネットについて
上記で、一旦「ブランディング広告」とそれを達成するための「媒体要件」について議論をしました。
次に、大きなタイトルにある「WEBブランディング広告」ということから、
「インターネット」について議論を進めたいと思います。
インターネットは媒体なのか?
色々なところで議論がされているかと思いますが、
ここは「媒体ではない」として話を進めていきます。
じゃあ、「インターネット」はなんなのかというと、個人的には「概念」かと思います。
もう少し掘り下げると、
「Google」は「媒体」
「Yahoo!」も「媒体」
となります。
それでは、いわゆる4マス(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)と呼ばれるものは何か。
これは「媒体」です。
それでは、「Google」や「Yahoo!」にあたる「インターネット」は、4マスだと何になるでしょうか。
それは下記の表で表されます。
概念 | 媒体 |
インターネット | Google、Yahoo! |
放送 | テレビ、ラジオ |
出版 | 新聞、雑誌 |
インターネット広告について
それでは、インターネットの配下にある媒体が、
「ブランディング広告」の要件を満たしているかどうかを考えていきます。
Googleの場合
Googleはどんな媒体なのかまずは考えてみます。
- 検索エンジンとしての媒体
について考えます。
GoogleのUXは、次のフローで行われます。
- 知りたい情報を決める
- Googleにアクセスする
- 検索ワードを入力する
- 検索結果を確認する
というような流れとなっております。
最後のフェーズである検索結果に広告が差し込まれます。
では、ここが「ブランディング広告」に向いている「広告枠」かどうかを判断します。
まずは、
- 多くの人に何回も広告を見せられる
を考えます。
広告に接触する人 => Googleの利用者数
と定義すると、
検索エンジン 日本でのシェア「1位はYahoo、2位はGoogle」?
こちらのURLより、2015年には4,735万人が利用しているそうです。2016年7月にはさらに60%増ということで、
「多くの人」という要件は達成しているかと思います。
広告に触れた回数 => Googleのフリークエンシー
と定義すると、こちらは1 ~ ∞で制御することができます。
なのでやろうとすれば、
「何回も見せる」ということは容易にできます。
つまり、
- 多くの人に何回も広告を見せられる
という定義は達成することができ、
検索エンジンとしてのGoogleは「認知度」を上げるために利用することが可能といえます。
では次に、
- 長い時間見せて、説明するようなクリエイティブを入れても不自然じゃない
という要件を考えてみます。
UXの最後である、
- 検索結果を確認する
その次を考えてみると、
- 検索結果で表示された先の記事にアクセスする
となります。
記事はその性質から「長い時間見せて、説明するようなクリエイティブ」というものにすることが可能です。
なのでそのクリエイティブを入れられるGoogleは
- 長い時間見せて、説明するようなクリエイティブを入れても不自然じゃない
という要件も達成し、「理解度」を上げるための媒体にもなります。
では、最後の
- ターゲットユーザーが好きになるような雰囲気を作れる
ここについて考えてみます。
UXの発端を考えると、
- 知りたい情報を決める
が先頭に来ています。
となると、Googleを利用するユーザーはあくまで、
「情報がほしいから利用する」
というユーザーでしかありません。
(おそらく)Googleが好き!みたいな気持ちで、Googleの検索エンジンを使う人はいないかと思います。
一方、
「知りたい情報」がブランドネームであったらどうなるか。
それは、「既に好意を持っているユーザー」による検索となります。
これらを考慮すると、
Googleは
- 情報を提供するためには利用可能
- 既に好意を持っているユーザーがどれくらいいるかを図るためには利用可能
となります。
では、Googleを利用して好意度を上げるためにはどうしたらよいか、
それは、検索先に出てきた記事で好意度を上げるように制作する。
が正しい戦略かと思います。
つまり、その先のコンテンツを
「理解度を上げる」ためのコンテンツにするか「好意度を上げる」ためのコンテンツにするか、
もしくは両方を達成するかの2つとなります。
しかし、元々情報が欲しくて訪れたユーザーに対し、
ターゲットユーザーに好感が持たれているタレントを押し出したり、
おもしろコンテンツを押し出すというのはGoogleのUX上どうなのかという議論もあります。
そう考えると、素直に「理解度を上げる」コンテンツを提供した方が相性が良いかと思います。
Googleという媒体についてまとめると、
「認知度・理解度を上げるには適している」
「好意度を上げられないことはないが、そのコンテンツとGoogleの相性はそこまで高くない」
ということがいえます。
インターネット広告は「ブランディング広告」を達成する可能性があるか
インターネットという概念の下にあるGoogleという媒体だけで考えてみましたが、
「認知度」「理解度」を上げるためのハードルとしては、
そこまで高くないのかなと感じます。
一方で、
「好意度」を上げるためのハードルがありました。
というのも、やはり利用の発端が、
Googleの場合で「情報がほしいから利用する」というものから始まることが、
その先のコンテンツ制作の幅を狭めている要因になります。
では、このUXフローの最初が、
「目的がなく、なんとなく見る」や「見たいものがあるから見る」
という利用方法になった場合、好意度を上げるコンテンツの挿入に不自然ではなくなる可能性があります。
ただし、「見たいものがあるから見る」という方向性を考えた時に、
広告によって「見たいものを見る邪魔をされた」という考えになります。
となると、
「好意度を上げる」ためには「目的がなく、なんとなく見る」という媒体に限られてきます。
ここまでを総括すると、
「目的がなく、なんとなく見る」という媒体にたくさんの人が長い時間見るという状況が達成されれば、
ブランディング広告を出稿できる媒体になるといえます。