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Twitterをしばらくやってみて

 Twitterのアカウント(yamagen_jp)を登録して一月半が経過した。始めた経緯は当ブログに書いたとおりだが、初日から数百人単位のフォロワーができたこともあって、ほぼ毎日読み書きするようになった。

 今のところ、Twitterは、概ね面白いと思っている。
 情報のやりとりが早いこと、字数制限がプラスに働いて気軽に投稿できること、ブログや掲示板よりも「荒れない」こと、などが長所だ。

 情報のやりとりの早さは、発信したツイートに対する反応の早さで実感することが多いが、Twitterの最大の魅力だろう。書いて、送って、直ぐに反応がある、というのは張り合いがある。ブログ上のやりとりはFAXや文通に近い時間感覚だが、Twitterはちょっと時差のあるテレビ会議くらいのスピード感だ。
 もっとも、反応=(精神的)報酬と考えると、頻繁に報酬があることが心地よい刺激になるという心理は、毎月分配型ファンドを有り難がる投資家と一緒だ(双曲割引!)。この点だけを喜んでいてはいけないのかも知れない。

 140字の制限は、始める前に思ったほどの制約ではなかった。この文字数があれば、言いたいことはかなり言える。テーマを提示して文を一旦切って、その後、三文程度の構成でまとめると、140字は意外に使い出がある(受験生時代の字数制限付き国語問題を思い出して懐かしい)。長文を分割して投稿するような人はTwitter向きではないのだろう。
 Twitterを積極的に使っている人は、Twitterを意見・情報の主な伝達手段にして、長いまとまった意見やデータの置き場所にブログを使うようなやり方をする場合が多い。雑誌でいうと、Twitterが新聞広告や電車の吊り広告で、ブログが雑誌本文に相当する感じだろうか。雑誌の多くがそうであるように、広告を見ると必要な情報の八割方は手に入る。

 Twitterは実名での登録を推奨しているし、匿名の登録者も数多いが、アカウントと個人の紐付けがはっきりしているので、SNS的なつながりになるせいか、やりとりが「荒れにくい」点も気が楽だ。匿名ないし、ハンドルネーム無しで威張り散らすようなコメントが書き込まれるケースは少ない。ブログは管理者と訪問者の間に、お店とお客のような非対称性があるが、Twitterの場合、やり取りをするどうしがより対等な関係なのでマナーが常識的になるようだ。
 ただ、ブログでも大半の来訪者は通常の対人マナーを心得ている。要は、媒体よりも人の問題なのだろうから、Twitterの普及がもっと進んで利用者が増えると、コミュニケーションのマナーが悪化する可能性はある。Twitterにも既に「なりすまし」や「荒らし」はあるようだし、しつこい相手に絡まれて、アツくなって連続投稿するようなケースを見かけることもある。

 私は、情報収集のツールとしては、Twitterを積極的に使っていない。フォローの数も50に満たない。それでも、フォローしている人のツイートやリツイート(他人の投稿を転送して伝えること)の中から情報を拾うことがある。情報収集のツールとしての使い方には、工夫の余地がありそうだ。

 Twitterは、いわゆる「口コミ」の伝達を強力にしたようなものだから、おそらくビジネスにも役立つのだろう。宣伝手段として、強力なものになる可能性はある。
 もっとも、宣伝臭の強いツイートやリツイートは読んでみてあまり感じのいいものではない。たとえば、自著に対するポジティブな感想を受け取った著者が、それを広くリツイートする、というような行為を見ると「そこまでやらなくても」と思うことがある。

 Twitterは、フォロワーが増えるとメールで通知が来る仕組みになっている(受取拒否もできるが)。この通知メールには、何人をフォローしていて、何人にフォローされている人かという数字が入っている。
 興味をそそられるのは、フォローが少なくて被フォローの数が多いバランスの人と、フォローの数が少ない(30~40人程度まで)の人だ。前者については、情報の発信にウェイトのある人だろうから、誰なのだろう、どんな人なのだろうという興味が湧く。他方、後者に対しては、少ないフォローの中にどうして私を入れてくれたのか、ということが気になる。この人は、たぶん投資に興味があるのだなと推測できる人が3割くらいいらっしゃるが、半数くらいは、何故フォローしてくれたのか、想像が付かない。尚、フォロー、被フォロー共に多い人は活発にTwitterを使っている人なのだろうが、プロフィールやフォロー先を見ても分析がしにくい場合が多い。何れのフォロワーも、私にとってはありがたい方なのだが、そのようなことを考えながら、フォロワーのプロフィールをなるべく見るようにしている。
 
 ツールとしてのTwitterはフォローしてくれる人の数が多い方が圧倒的に有利だ。数万人のフォロワーを持っている人は、人数的には雑誌媒体を一つ持っているようなものだし、問いかけに答えてくれる人も多いだろう。こうした人にとっては、Twitterは、通信社と電話と辞書とコンサルタント(時にはカウンセラーも)兼ねるような便利なツールだろうが、フォローしてくれる人が少ないユーザーにとっては全く別物だ。
 この点については、Twitterは極端な格差がある世界だ。もちろん、過去の一般社会にも、「知名度のある人」や「人が敬意を払う肩書きのある人」といった、何かと「有利な人」とそうでない人の格差はあったが、ネット上のつながりをどれだけ持っているか、というようなことも個人間のある種の格差を形成している事が分かる。この格差自体は、意図的な企みによるものではなく結果論的な現実だし、別段悪いことだとは思わないが、フォロワーの数を見ると、今のところテレビや活字など別の媒体で名前と顔が売れている人が、その知名度をそのままTwitterの世界に持ち込んでいるケースが多いようだ。

 Twitterをしばらく使ってみて思うのは、特に、私のような中年オヤジは、Twitterをやってみるといいのではないだろうかということだ。一投稿が短くて済むので負担が小さいし、短時間で情報が更新されるスピード感と馴染んでおくと、何かといいのではないだろうか。「俺も、一言言いたい」というタイプも、ブログで文章を書くよりも、Twitterの方が反応が早くて楽しいだろう。もちろん、老若男女誰でもいいのだが、我が同世代の人々は、「あれのどこが面白いのか分からない」と言いたがる傾向が強いので、敢えてお勧めしておきたい。

 個人的には、今後、Twitterとブログのどちらにより注力するという方針があるわけではないが、短い文章で能率良く情報や意見を伝える技術をマスターしたいと思っている。
(そう思っている割には、だらだらと長く書いてしまった)
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新人教師雑感

 ここのところ、当ブログにあまり手を掛けていなかった。
 ツイッターを始めて、しばらくそちらに気を取られていたことなどもあるが、主な理由は、4月から獨協大学の経済学部で週に2コマ授業を持つようになり、この準備に手を取られたことだった。
 週に二コマ新たに授業をする、ということは、週に2つ講演が入るような感じだから、特に1巡目は大変だ。基本的に2巡目になる今年の秋学期以降は少し楽になるのではないかと思うが、1巡目は授業のコンテンツを一から作らなければならないので、作業量が多い。

 4月8日に初回の授業に行ってきた。
 授業のタイトルは、一つは「金融資産運用論」、もう一つは「会社と社会の歩き方」だ。両方の授業の最初に、単位認定の上では「楽勝科目」であることを述べて、ガイダンスを行った。答案又はレポート(就活などで試験が受けられない場合の救済)の評価に差は付けるが、単位を取りたいという意思をマジメに表現している文面に対しては、ベーシックインカム的に(?)合格点を与えることを基本方針とする。
 どちらの授業も、最終的には授業を受けた学生本人にとって役に立つかどうかが問題なので、私が「落とす」意味はないと判断した。評価を受ける必要があるのは、むしろ私の方だろう。本年度は「サービス業モード」で行く。
 どのくらいの数の履修登録があるか分からないが、恐れていたほど多くはならない感じなので(せいぜい100人くらいだろうか)、学生の一人一人とある程度話が出来るかも知れない。
 どちらの授業の後も質問に来る学生の主な興味は「就活」だった。一年生の頃から、たとえば、どのような資格を取り、勉強をすれば将来の就職に有利かを考えている学生もいた。熱心であるのはいいことだが、少し痛々しい感じもする。ただ、現在の就職事情を考えると、これが現実的なのかも知れない。
 学生は想像していた以上に真面目で行儀がいい。先ずは、好印象であった。

 何れの授業でも、テキストは指定していない。基本的に、教材となる素材はこちらで用意することにした。また、両授業用にそれぞれ一つずつブログを立ち上げて、そこで、教材や参考資料を流すと共に、授業の補足を行うことにした。
 学生以外からの質問にお答えする余裕が当面ないのが申し訳ないが(当ブログのコメント欄への質問等はご遠慮下さい)、ご紹介しておく。

「金融資産運用論」:http://blog.goo.ne.jp/dokkyo_yamazaki
「会社と社会の歩き方」:http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_dokkyo

 どちらの授業についても、将来、単行本を作る素材を積み上げることを意識している。「金融資産運用論」については、秋学期の授業をベースにテキストにも使えるような本を作ることを一応予定している。「会社と社会の歩き方」については、しばらく授業をやってみてから考える。
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