碑文の間 ~精霊の守り人・ヨゴ文字解読プロジェクト~

NHK-BSで放送されていたアニメ「精霊の守り人」の作品内で使われている【ヨゴ文字】を解読しようというヒマなブログ

重い伝言文 (第3話)

2007-06-28 20:27:29 | ç¢‘文の間
以前紹介したタンダの書き置きのすぐ下に貼られていた紙の文面。

 さがさないで
 ください
    (差出人は判別つかず)

穏やかに暮らしているように見えるヨゴの人々だが、その心の内にはさまざまな葛藤があるのだろうか。

対応表アップデート

2007-06-27 20:01:08 | ç¢‘文の間
今回は、音楽CDのブックレットなどで使われていたヨゴ文字について、LINTSさん(http://aquavitae.jp/)から教えて頂いた情報を元に、ヨゴ文字⇔カナ文字対応表の最新版をアップ。

フルサイズ対応表

LINTSさんには、ブログで紹介されていたブックレットとCDケースの画像から、ヨゴ文字を抜き取ってこちらの対応表に転用することを快諾頂きました。お礼申し上げます。LINTSさん、ありがとうございました。

薬掲示板の貼り紙「センナ」 (第3話)

2007-06-26 23:50:38 | ç¢‘文の間
これまで何度も取り上げてきた薬掲示板だが、今回はキャプ画面の右側の貼り紙をご紹介したい。
宛先の部分(5文字)は解読不可能だが、本文はところどころぼやけているものの

 せんなちよう
 ごうたのむ
      まちのくすり

と読み取ることができる。
生薬であるセンナの調合を依頼している内容だが、注目すべき点は「ちょ」「う」「ご」「う」ではなく、「ち」「よ」「う」「ご」「う」と書かれている点にある。ここでは「ちょ」という拗音が、「ち」と「よ」の2文字に分割表記されているのだ。
2文字分割表記が、タイトル画面以外で使われているのは今のところこれひとつだけである。拗音の表記についてのルールについては、いまだにはっきりしない。

ちなみに画面左は以前に別項で触れた「たんだへ いそぎ ようつうのくすりくれ」(差出人は判別つかず)である。

地図その2 (第6話)

2007-06-24 18:55:30 | ç¢‘文の間
山狩りの隊長が広げていた地図の地名は以前に「やしろむら」を紹介したが、もう一つの方を今回はアップ。

「かんばるいき」=「カンバル行き」と書かれている。

1文字目は「か」ではなく「が」のようにもに見えるのだが(拡大図)、地名として表記されていることを考えて、「カンバル行き」と結論付けた。ヨゴ文字の「か」と「が」の違いは漢字の部首で言うところの「がんだれ」の下に「なべぶた」があるのが「か」で、無いものが「が」である。この画面で見る限りでは「なべぶた」がないように見えるが、キャプ画面の精度が低いこともあり断定はできない。

〔番外編〕 書き置きを見落とした理由 -薬掲示板に隠された機能- (第3話)

2007-06-22 19:28:43 | ç¢‘文の間
大仰なタイトルだが、今回はヨゴ文字の解読をお休みして、これまで何度か取り上げてきた「薬掲示板」の構造について考察してみよう。

前項でさたさんから寄せて頂いたコメントの中で、トーヤたちがタンダの書き置きを見落としていたことについて触れられていたが、ここでもう一度「薬掲示板」の画像を見てみよう。トーヤたちが掲示板を見に来た時の画像がこちら。そしてタンダの書き置きが貼られていた時の画像がこちら。
どちらもトーヤたちのいた側から見える面で、カメラの仰角もほぼ同じであるので、同じ部分を映しているように見える。しかし、タンダの書き置きも含めて、この2つの画像に共通する貼り紙が見当たらないことにも同様に気づく。とは言え、貼られていた紙を誰かがいったん全部剥がして、別の紙を貼ったとは考えづらい。
ではこの「貼り紙の入れ替わり」をどのように考えるべきであろうか。

その謎を解くために、まずは「薬掲示板」そのものが映っている画像を見てみよう。





おみくじの出てくる入れものを大きくしたような外観だが、注目すべき点は掲示板の壁面(貼り紙を貼ってある面)と地面との境の部分。よく見ると地面との間に隙間があり、掲示板全体が十字型の木の台座の上に乗っていることが分かる。そして上部は雨よけの屋根があり、四隅に柱がある。この構造から考えられるのは、この「薬掲示板」は中心の支柱を軸にして回る「回転式」なのではないか、ということである。
そう考えれば、トーヤたちが見落とした理由も説明がつく。彼らは最初に掲示板の手前の面を見て、タンダの注文書回収がまだだと判断した。そしてトーヤがその場を離れたあと、一人になったサヤが裏面に貼ってある書き置きに気づいた(あるいはたまたま誰かが掲示板を回転させ、裏面に貼ってあった書き置きが見える位置にきた)のではないだろうか。これでトーヤたちが見落としたことと、貼り紙の配置が変っていたことの合理的な解釈ができる。

ただ、気転の利く少年として描かれているトーヤが、待っている時間も十分あるのに掲示板の裏側を見ていないという点に違和感を感じる向きもあるかも知れない。仮に書き置きが貼られたのが、トーヤがその場を離れた後だとした場合は、次のような説明も可能である。

 湯治場で薬の調合をするタンダは薬草が足りなくなったため、いったん山小屋に戻ることを決める。
 →薬掲示板に寄る時間が惜しいので、書き置きを貼るのは誰か人に頼んで、自身は直接山小屋へ。
 →頼まれた人が書き置きを貼りに来る。
 →それを読んだサヤは、タンダが今日はもうこの場に来ないことが分かり、トーヤが戻ってきたときにすぐ分かるよう、書き置きが手前に見える位置に掲示板を回転させたあと眠ってしまう。
 →戻ってきたトーヤにサヤが書き置きを指差す。
といった具合である。(ただし湯治場と山小屋の距離によってはそれも不可能ではあるが)

なお、書き置きが後から貼られたと仮定した場合、タンダ自身が貼りに来たということは考えづらい。サヤとタンダは顔見知りであるから本人が来ればどちらかが気付くし、山小屋でタンダがチャグムと会うためには、この時間までタンダがオウギノシモにいることは不可能と思われる。(タンダの山小屋がオウギノシモから相当の距離があるらしいことは、後のタンダとチャグムの会話から分かる。)

まとめ
「なぜトーヤは貼られていた書き置きに気づかなかったのだろう?」と画面を通じて少し奇異に感じられた点は、「薬掲示板が回転する仕組みである」と考えれば説明することが可能である。

タンダの書き置き (第3話)

2007-06-21 20:03:24 | ç¢‘文の間
薬の掲示板に貼られていた、タンダが残した書き置き。

  いちどやまに
  もどつて
  やくそうを
  とつてきます
       タンダ

かなり字が小さいので字面から判断せざるをえない部分が多かったが、書かれている内容は話の筋からおおよそ予想がついたので、なんとか読み取ることができた。

「いせや」のチェーン展開? (第5話)

2007-06-19 19:30:12 | ç¢‘文の間
第5話から町中の看板。
やや見づらいが「いせや」と読める。そういえば前に出てきたこの料亭風建物の看板も「いせや」だった。この時は看板右下の4文字は不鮮明だったので、解読していなかったのだが、公式サイトにあった同じ建物の画像をよく見てみると、この4文字は「ほんてん」と読み取れる。
なるほど「いせや 本店」というだけあって立派な構えの店だ。第5話の方の「いせや」はあまり食べ物屋っぽくはないが、あるいはいくつか支店があるうちの一つかもしれない。商売が順調であれば、これからも町中の風景の中で「いせや」の看板が見られることだろう。

看板 (第3話)

2007-06-18 18:41:48 | ç¢‘文の間
「借家の貼り紙」の項で、仮説として「しゅ」「ちゅ」を1つのヨゴ文字で表しているのではないか、と書いたが、それを裏付けるものがあったので紹介しておこう。
キャプ画面は第3話で出てきた薬の掲示板のシーン。画面奥にピントが合っているので、右端の看板の文字がボケているが、「さけ ○くじどころ」と読み取れる。実はこの部分は以前からここまでは解読しており、文脈上「さけ しょくじどころ」(酒 食事処)ではないかとは思っていたのだが、「ヨゴ文字1つで1音」という固定観念があり、1文字で○の部分に入りそうなものがなかったので、途中で放り出していたのだった。
○の部分のヨゴ文字も「さ行」の特徴を備えているので、「しょ」と考えてもよさそうである。
複数箇所で「しゅ」「しょ」が1つのヨゴ文字で表されていることから考えて、2つに分けて書く場合と、1文字で書く場合の2通りが、設定の上で存在していることがわかる。どのように使い分けをしているのかは今のところ不明だが、今後の研究課題の1つとなった。

借家の貼り紙 (第11話)

2007-06-17 11:02:51 | ç¢‘文の間
トーヤたちが住むはずだった借家の貼り紙。
一行目は「たなこ(店子)」とあるが、二行目でアレ??。「ぼ●う○う」までは分かるが「●」と「○」の部分は初出の文字である。未解読のカナを当てはめても意味の通る文にはなりそうもない。しかし「たなこ」が意味のある文字列であるだけに、二行目がデタラメな配列ということは考えづらい。
ではどのように解読すべきだろうか。(フルサイズ対応表)

まずは文字を構成するパーツに注目してみよう。「●」の拡大図を見ると、目に付くのは「くさかんむり」に似たパーツだが、これは「さ行」・「は行」で共通してみられるパーツである。また字面で見て似ているのは「し」・「ひ」に相当するヨゴ文字である。
次は「○」の拡大図だが、こちらは「か行」「た行」の共通パーツである「なべぶた」が見られる。こちらは字面から見て似ているものとしては「く」・「た」が挙げられる。

ここまで見てきたところで、今度は貼り紙に書かれている内容について考察してみよう。これはこの家の大家(貸し手)が店子(借り手)を探していることを示す貼り紙ではないかと考えられる。そして賃貸の契約が済んで、紙の上に朱書きの丸印に中央に「す」と書かれたサイン。さたさんが前回のコメントで触れていたように「済み」の意味か、もしくは貸し手の屋号を表したものと考えられる。しかし、タンダの伯父の家に預けられていたトーヤたちは、まだこの家に入居していないため、貼り紙が剥がされないまま放置されているのではないだろうか。

借り手を募っている文面。●が「さ行」か「は行」、○が「か行」か「た行」。これらを総合的に考えると、貼り紙の文面は「たなこ ぼしゅうちゅう」(店子 募集中)ではないかと推測できる。
今までの解読の過程で、「しゅ」などは「し」と「ゆ」に分けてそれぞれ対応するヨゴ文字に置き換えられる、というルールを見出していたが、この貼り紙に関しては1つのヨゴ文字で「しゅ」を表しているのではないだろうか。

なぜこれがルールを外れた表記になったのかは推測の域を出ないが、左右の文字数のバランスを取るためのイレギュラーな処置か、あるいは「しゅ」「ちゅ」を一文字のヨゴ文字で表記する設定がもともとあって、製作スタッフがうっかり旧設定を見て書いてしまったのかも知れない。
いずれにしても今回の解読は、多分に根拠の弱い仮定の話であるので、間違いに気づいたら速やかに訂正したいと思う。
(みなさんのご意見をお聞かせ頂けるとありがたいです)

※ 他の部分でも「しょ」を1つのヨゴ文字で表していると見られる看板がありましたので、2つに分けて書く場合と1文字で書く場合の両方があると考えられます。「スタッフのうっかりミスか」などと安易に書いてしまい申し訳ありませんでした。(2007-06-18追記)

第11話 花酒をタンダに

2007-06-16 19:50:18 | ç¢‘文の間
対応表が埋まるにつれて、タイトルから新たに判明するヨゴ文字も必然的に少なくなる。今回の初出は「ざ」のみで、しかもかなり不鮮明で残念。
また本編中に出てきた看板なども少なく、アップできるのはこの看板くらい。



「はまや」と書かれている。
(画像は看板部分だけ明るくしています)
なお、冒頭でトーヤが持っていた金貨の刻印は、前回でも触れた「第7話で大家に家賃を払う際に出てきた金貨」と同じものである。(金額は不明)

トーヤの借家の貼り紙は少し不明な部分があるので、後日に検証したい。