★ 危険なカオリ ★(日記)

2006/8/20生まれの長男・コウ
2009/6/29生まれの長女・マキ
  ★育児してます★

雷雨 / 彼女の止まない雨

2005-07-02 00:43:34 | ï¼´ï¼¢ãƒ¢ãƒŽ
「『予定がまだわからない』なんて断りの常套句よ」
と、友達には言えたはずが、自分も今、盲目になりつつある。
カオリです。
***


フジコの黄色い部屋 「雷雨」を勝手に繋げてみる。

***

(フジコさんちのつづき…)




雨宿りに入ったカフェ。
さっきまでの雷雨が収まりかけた夕方。

彼女は口元だけで笑った。



「…オトコも同じ。」
そう言った彼女はもう、空を見上げていなかった。




 こんな歳にもなってアレなんだけど、恋をしていたの。
 一体どこにそんなに惹かれたのか、今考えてもわからないんだけど。
 初めて会って、すぐに落ちてしまったのね、きっと。

 
 仕事のつながりじゃなかったから、もう会えないかもしれないって
 あくまでも自然に聞いたつもりのアドレスだけど
 優しく笑った目が「わかってるよ」って言ってる気がしたの。

 最初っからあの人のペースで始まって、
 優位に立てない恋なんて初めてだったから、すっかりハマってしまったのが間違いの素。
 曖昧な愛情表現も、メールにレスのない事も、全部前向きに考えてた。
 いつ気まぐれなメールが来てもいいように、あの人の好みの服を着て。

 嫌われたくない一心で、都合のいい女になろうと無理もしてたし、
 わがまま言って困らせるなんて、自信がなきゃできないんだって初めて知ったな。
 その時々で、許されるわがままを選ぶのは難しいものなのね。


 なんだか違う自分を演じてるようで、楽しかったのよ。
 感情まで振り回されて、ホントに短くて激しい雷雨の中にいるみたいだった。

 激しい雨の中にズブ濡れで立つと、気持ちがハイになる感じ。わかる?

 あの時私は、何を求めていたのかしら。。。濡れていたかっただけなのかも。

 一瞬の閃光に打たれたいと思っていたのかも。




 あの人には帰るべき家があったし、守るべき家族がいてね。

 あっちの家での話はあまり話題にしたくないらしくて。
 でも嘘をつかない人だったから、子供はとってもかわいいって言ってたけど
 奥さんのことはいいとも悪いとも聞いたことはないのね。
 だから、家でくつろぐあの人を想像すると、どうしても違う人にすり替わっちゃう。
 知らない男の人に。





 自分はもっとドライな恋ができると高をくくっていたのね。
 分をわきまえてるふりなんて、しなければ良かったのかな。



 「こうして君といた半年間は楽しかったよ。早く幸せになったほうがいいね」

 って、まっすぐ顔を見て言われたの。それが寒い2月。

 その時の表情がね、まるで、

 「その口紅は君にはきつすぎるから、薄いベージュ系がいいね」

 って言う時と同じ口調で、あまりにもあっさりしすぎて、
 すぐには意味がわからなかったくらい。



 女は泣くことで傷を癒す、男は泣いて傷を深めると言うけど
 私はそれで充分自分を癒してしまったし、
 あの人はもちろん、私のためになんて泣くはずないものね。




 雷雨の前の私と、それが過ぎてしまった後の私。
 ちょっとは利口になったかな。
 ま、ひと雨ごとに夏が来るって言うしね。
 今度は青い空みたいに、澄んだ恋がしたいな、なんて。



 こんな天気で思い出したからって、変な話聞かせちゃってごめんなさいね。




そう言って、窓の外へ視線を移す彼女の目には
まだぼんやりとした厚く重い雲がかかっていた。

 






TB:フジコの黄色い部屋 「雷雨」

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ありがとう (フジコ)
2005-07-02 15:31:03
とってもステキな話のつづき、ありがとう。



激しい雨は

はたで見ているときには、その中に入るのは大変そうで躊躇してしまうけど

そのどしゃ降りの雨の中にいてしまえば

嘘みたいに気持ちがよく、ハイになる感じがよくわかります。



雨って不思議ですね。
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こんなんで。。。 (カオリ)
2005-07-07 23:14:34
*ふじ姐

ちょっと暗くなっちゃったかなぁ。



ハイになってる時は何でも楽しいよね。

周りが見えなくなるほど、後先考えられなくなるほど

陶酔できる時を大事にしないとね。



って、何のこと言ってるんだか。。。(笑
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